■2021年4月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●オセアニア事情
●オーストラリアNSW州政府GMOモラトリアム解除

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州政府の農業大臣アダム・マーシャルは、GM作物栽培のモラトリアム(一時停止)を解除すると述べた。しかし、同州では2000年からGM綿が、2010年からGMナタネが栽培されており、状況を追認したものと思われる。市民団体ジーンエシックスは「同州では、non-GMOに比べてGMナタネの価格は大幅に安く、すでにGM作物を栽培するメリットはない」と述べた。〔The Bull 2021/3/1〕

●省庁動向
●ゲノム編集魚承認へ向け動き加速

 米厚労省は、日本で遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の承認を事実上決めている、厚労省の食品衛生審議会の専門調査会を2月10日、3月8、17日と立て続けに開催し、ゲノム編集魚の承認に向けた動きを活発化させている。これは京都大学や近畿大学が開発した「肉厚マダイ」の承認に向けた動きと見られる。高GABAトマトに次いで、肉厚マダイもまた、市場化に向けて政府が動き始めた。

●企業動向
●バイエル社の再度の和解案、被害者の弁護士事務所が連携して拒否

 バイエル社は昨年、訴訟費用などが重なり最終損益が1兆3000億円に達した。モンサント社買収のつけが大きく影響したものである。そのグリホサート訴訟に対してバイエル社は早期解決を目指して和解を求めているが、それも難航している。昨年、和解案がカリフォルニア州北部地域連邦地裁によって拒否されたが、同社は3月3日に新たな案を提示し、3月31日にヒアリングが行われることになっている。だが、60を越える被害者側の弁護士事務所は連携して、この提案を拒否する意向を決めている。〔US Right to Know 2021/2/26〕

●ゲノム編集作物
●ゲノム編集作物の種苗表示を求める署名運動

 
3月1日、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンなどの市民団体は、ゲノム編集食品の種苗への表示を求める署名運動を開始した。サナテックシード社の高GABAトマトの苗の無償配布が始まろうとしており、このままでは通常のトマトと同様に栽培・流通する可能性がある。現状では、ゲノム編集作物を栽培したくない農家の選択権、原料を使いたくない事業者の選択権、食品を食べたくない消費者の選択権が奪われるとしている。