■2021年5月号

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バイオジャーナル

ニュース


●ゲノム編集
●ゲノム編集はオンターゲット近辺でも異常が生じる

 ゲノム編集技術ではDNAを切断した後、修復する際に大きな影響が現れることがわかった。中国・北京大学のMengzhu Liuらの研究によると、CRISPR-Cas9でDNAを切断し修復する過程で、大小さまざまなレベルで、DNAの挿入や欠落、染色体中の移動が起きるという。Liuは、ゲノム編集で問題なのは、オフターゲットだけでなく、オンターゲット近辺にも有害な変化が起きることを考慮すべきだと警告している。〔bioRxiv 2021/2/16〕


●北米事情
●EPA、フロリダでのGM蚊放出を承認

 米国環境保護庁(EPA)は、フロリダキーズ諸島でのGM蚊の放出実験計画を承認した。この放出に対しては、地元住民の強い反対運動があり、長い間、実験ができなかった。放出されるのは、オキシテック社が開発した、デング熱などを媒介とするGMネッタイシマカである。〔Bulletin of Atomic Scientists 2021/4/19〕

●米国でRNA農薬が申請される

 米国バイデン政権下で、バイテク推進の動きが出始めた。さっそく環境保護庁(EPA)に殺虫剤としてRNA農薬が申請された。現在、この種類の農薬に関する規制がないため、環境影響評価も食品の安全審査もなく、使用が認められる可能性が高いと見られている。バイエル社などのRNA農薬開発メーカーは、特定の昆虫しか影響を及ぼさないと主張している。しかし、環境保護団体などは、ミツバチなどの益虫だけでなく、人間にも影響する危険性があり、害虫が耐性を起こすことが示唆される研究もある、と指摘している。〔EcoWatch 2021/3/9〕
●欧州事情
●英国ウェールズの人々はGMO規制緩和に反対

 欧州議会の緑の党グループの依頼によりイプソスが行なった調査で、86%の人がGMO表示を求めており、68%の人がゲノム編集食品表示を求めていることが示された。この調査は、EU加盟27か国で2月11日から3月5日の期間に行われた。ゲノム編集食品について、産業界が示している、安全性試験を免除し、表示をしないことを支持した人は3%にとどまった。〔Greens/EFA 2021/3/30〕

●欧州市民はGMO、ゲノム編集の表示を求めている

 欧州議会の緑の党グループの依頼によりイプソスが行なった調査で、86%の人がGMO表示を求めており、68%の人がゲノム編集食品表示を求めていることが示された。この調査は、EU加盟27か国で2月11日から3月5日の期間に行われた。ゲノム編集食品について、産業界が示している、安全性試験を免除し、表示をしないことを支持した人は3%にとどまった。〔Greens/EFA 2021/3/30〕