■2021年8月号

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バイオジャーナル

ニュース


●ゲノム編集
●ゲノム編集食品のリスクを過小評価してはならない
 ゲノム編集技術応用食品の安全性は、GM食品と同等の評価を行うべきだとする「植物育成におけるゲノム編集応用の安全性」と題する論文が「バイオテク」誌に発表された。執筆者はEUメンバー国とスイスの政府機関で働く科学者たちで、ゲノム編集生物の規制を不要とした欧州食品安全機関(EFSA)などの見解は、ゲノム編集技術を誤解していると指摘している。例えば、ゲノム編集は必ずしも精密ではなく、ゲノム編集が引き起こす変化は通常の育種と同じではなく、小さくもない。また、より速いスピードで開発できるということは、よりリスクが高まることを意味する、と指摘した。〔BioTech 2021/6/22〕

●ゲノム編集には新たなリスクなしと欧州委員会が回答
 欧州委員会が4月、ゲノム編集生物の規制を不要としたことに対して、科学者団体、環境保護団体などが、ゲノム編集技術にはGM技術と同様のリスクがあるとする文書を欧州委員会に提出した。欧州委員会は文書の受け取りを拒否し、ゲノム編集技術はGM技術とは異なり、新たなリスクは考えられないと回答した。〔Testbiotech 2021/7/14〕

●コルテバがゲノム編集関連特許を掌握
 コルテバ・アグリサイエンス社が、ゲノム編集技術に関連した特許権の大半を取得していることが明らかになった。同社は、デュポン社とダウ・ケミカル社のアグリビジネス部門が合併してできた企業で、デュポン社時代にモンサント社(現バイエル社)とCRISPR-Cas9の基本特許をめぐり争った経緯がある。ゲノム編集技術関連の特許を申請する企業や研究者は、ゲノム編集技術は遺伝子組み換えとは異なり、従来の品種の改良と区別がつかないとしながら、新たな技術の優位性を主張して特許権を取得している。〔Testbiotech 2021/6/25〕

●葉緑体をゲノム編集
東京大学の有村淳教授らの研究チームが、シロイヌナズナを用いて、ゲノム編集で1つの細胞に約1000ある葉緑体のすべてを一塩基置換したとして、「ネイチャー・プランツ」誌に研究論文を発表した。ゲノム編集のため、遺伝子組み換え技術とは異なり、カルタヘナ法の規制対象外となる。〔Nature Plants 2021/7/1〕


●欧州事情
●英国で1億円のGM小麦開発費が無駄に
 英国政府は2016〜19年の間、GM小麦開発のためにエセックス大学教授クリスティーヌ・レインズらに約70万ポンド(約1億円)を支給してきた。実験はローザムステッド研究所で行われた。このGM小麦は光合成を活発化することで収量増を狙ったが、実験は失敗に終わった。〔GM Watch 2021/6/26〕