■2022年4月号

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バイオジャーナル

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●ゲノム編集
●ゲノム編集魚のオフターゲットは世代を超える

 ゲノム編集により遺伝子を操作したゼブラフィッシュに起こった異常は、次の世代へと受け継がれることがわかった。スウェーデン・ウプサラ大学のアイダ・ホイエルらが行った研究で、2月2日「ネイチャー」オンライン版で発表された。ゲノム編集の際に起きたオフターゲットが、重要な役割を果たしている遺伝子を壊し、それがさらに世代を超えて受け継がれていたことが示された。〔Nature 2022/2/2〕

●横浜市立大でゲノム編集を用いた低アレルゲン小麦の開発

 横浜市立大学の木原生物学研究所の川浦香奈子准教授などが、2022年3月末をめどに、ゲノム編集技術を用いた低アレルゲン小麦の開発を進めている。小麦アレルギーをもたらすタンパク質のグルテンの構成成分の1つ、グリアジンにかかわる遺伝子をノックアウトするという。

●徳島大ベンチャー企業が低アレルゲン・コオロギ開発

 徳島大学発ベンチャー企業で、ゲノム編集技術を用いて成長が早いコオロギを開発してきたグリラスが、2月28日に2.9億円の資金調達を達成し、同時に2023年中に低アレルゲン・コオロギを開発すると発表した。これまで食用コオロギについては、国産コオロギとフタホシコオロギで開発してきたが、低アレルゲンコオロギもまた、この2種類で開発するという。〔グリラス 2022/3/1〕

●ゲノム編集フグの宮津市ふるさと納税返礼品の採用撤回求める

市民グループ「麦のね宙ふねっとワーク」は、京都府宮津市市長に対して、同市がふるさと納税返礼品に採用したゲノム編集フグについて、中止するよう求めた。また同市でゲノム編集フグやマダイを養殖しているリージョナルフィッシュ社に対して、説明会開催と海上養殖をしないよう求めた。〔毎日新聞 2022/2/22〕
●欧州事情
●EUの化学農薬半減政策に多国籍農薬企業が反撃

 2030年までに化学農薬を半減させるEUの新農業政策に対して、多国籍農薬企業が反撃を開始した。推し進めているのはロビイストのクロップライフで、バイエル、シンジェンタ、コルテバなどが資金を出している。EUの食糧庫といわれるウクライナの情勢がEUの農業政策の見直しを迫っていることを追い風に、強力に進めようとしている。〔Corporate Europe Observatory 2022/3/17〕
●アフリカ事情
●ナイジェリアのBtササゲ栽培に周辺国が申し入れ

 ナイジェリアの承認機関(NBMA)がBtササゲ(大角豆)の栽培を承認したことに対して、西アフリカの周辺国が共同で栽培しないよう申し入れた。ナイジェリアは2019年、ザリアにある同国農業研究試験所(IAR)での栽培を認めた。〔African Centre for Biodiversity 2022/3/9〕