■2022年5月号

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バイオジャーナル

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●ゲノム編集
●ゲノム編集でなめらかな毛をもつ牛を開発

 ツノのない牛を開発したリコンビネティクス社が、新たにゲノム編集でなめらかな毛の牛を開発した。実際に開発したのは同社の子会社アクセリジェン社で、目的は暑さに耐えられる牛の開発だという。なめらかな毛は熱によるストレスを受けにくく、体重を増やすのが容易で、効率のよい食肉生産をもたらすとしている。ツノのない牛は抗生物質耐性遺伝子が残留していたためFDA(米国食品医薬品局)は承認を取り消したが、今度は食品として問題ないと結論づけている。しかし、オフターゲットを見るゲノム解析が十分に行われておらず、モザイクの可能性についても十分に調べられていない。2年以内に市場化するというが、その点が問題になりそうである。〔LosAngeles Times 2022/3/8〕
 
●ゲノム編集白いマッシュルームに外来DNAが残存か?

 褐色化の原因遺伝子をゲノム編集で除去した「白いマッシュルーム」について、外来遺伝子が含まれている可能性を韓国の研究者が指摘していた。韓国ソウル大学のキム・ジュングン(Jungeun Kim)とキム・ジンス(Jin-So Kim)は、2016年10月11日号の「ネイチャー・バイオテクノロジー」誌で、「白いマッシュルーム」を開発した米国ペンシルベニア大学の研究者の外来DNAの確認方法に問題があると指摘した。開発者は確認にPCR法のサザンブロット法を用いており、韓国の研究者がゲノム編集を施した植物シロイヌナズナを同じ方法で確認したところ、外来DNAは見つからなかった。しかし、全ゲノム解析では外来遺伝子が見つかった。〔GM Watch 2022/4/9〕

●インドもゲノム編集技術の規制を緩和

 インド政府はゲノム編集作物を規制しないように規則を変更し、3月30日に通知した。新たな規則は、日本では生物多様性影響評価が求められるSDN-2が評価しなくてよいとなり、かなり規制が緩和されている。これによりインドでゲノム編集作物開発が始まる可能性が強まった。〔Hindustan Times 2022/3/31〕