■2022年6月号

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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●欧州委員会がゲノム編集解禁へ向けて公開協議開始

 欧州委員会厚生部門は、ゲノム編集など新育種技術の規制に関する立法化に向けた公開協議を開始した。この公開協議は規制緩和に向けたものであり、発言者は基本的にアグリビジネスの意向に沿った人たちで占められている。一方、Non-GMOの欧州の業界団体ENGA(European Non-GMO Industry Association)は、新育種技術で開発された食品へのGMO表示を求めており、「この公開協議は2018年7月に欧州司法裁判所が出した、新植物育種技術で開発された食品にGM食品同様の規制と表示を求める判決を覆すものだ」と指摘した。協議は7月22日まで続き、2023年第2四半期には正式に立法化される予定である。〔ENGA 2022/5/3〕
●北米事情
●カナダがゲノム編集食品を規制しないガイダンス発表

 カナダ保健省が、ゲノム編集食品を規制しないとする新しいガイダンスを発表した。安全性評価などはすべて開発者に委ね、市場に流通させる際には自主的な通知だけでよいとするもの。3月25日から5月24日にかけて一般からの意見を募集した後に確定する。また、樹木を含む種子へのゲノム編集についても安全性評価はなく、任意の通知のみで市場化を認める方針である。〔CBAN 2022/5/19〕
●アジア事情
●ゲノム編集赤ちゃんを誕生させた賀建奎が釈放

 世界で初めてヒトの受精卵にゲノム編集を施し、赤ちゃんを誕生させた中国の元南方科技大学副教授の賀建奎(2019年1月号参照)が釈放されていたことが明らかになった。医師の資格を持たない賀建奎は偽造した倫理審査文書を使うなど、医療機関に勤めるやはり医師の資格のない2人と共謀し、受精卵のゲノム編集を行なったとして、中国の裁判所によって3人には有罪判決が下されていた(2020年2月号参照)。一方、米国内で同副教授を支援していた研究者については一切明らかにされていない。〔MIT Technology Review 2022/4/7〕