■2022年8月号

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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●ドイツがゲノム編集技術の規制と表示の必要性を指摘

 6月13日、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省主催で、ゲノム編集技術に関する会議が、EU本部があるベルギーのブリュッセルで開催された。その中で同省のシュテフィ・レムケ大臣が、ゲノム編集など新しい遺伝子操作技術について、これまでのGMOと異なる規制を行う必要はない。現在EUでは別途新たな規制を検討しているが、もし新たな規制が行われたとしても、健康や環境についてのリスク評価と表示は必要だ、と述べた。 また、欧州委員会の厚生部門担当のクラウス・ベレンド局長代理は、ゲノム編集などの新しい遺伝子操作技術については、輸入食品、農薬・肥料を減らすことができるが、それが安全であるときに限り適用され、消費者の選択権は尊重すべきであり、予防原則は規制を定める際の前提である、と述べた。〔GMWatch 2022/6/20〕
●アジア事情
●バングラデシュがGM綿の栽培を承認

 バングラデシュ農業省は、6月16日のバングラデシュ作物バイオテクノロジー技術委員会(BNTCCB)の会議で、2種類のBt綿の栽培を承認した。これは環境・森林・気候変動省のバイオセーフティ委員会で問題ないとして承認されたのを受けたものである。この2種類のGM綿は、インドのハイデラバードにあるJKアグリジェネティクス社が開発したもので、同社から種子が提供される。また、このGM綿の野外試験は、バングラデシュ農業研究所で行われてきた。 インドではBt綿が急速に広がり、大きな問題を引き起こしてきた。特に大きな点は、コストがかかる農業になり、その結果農民を苦しめ、自殺者を増やしたことである。従来の綿からGM綿に変えたことによるヘクタール当たりのコスト増は、種子で78%、殺虫剤で158%、肥料で245%も増大した。そのような事態がバングラデシュにも及ぶことが懸念される。〔The Business Standard 2022/6/27〕
●省庁動向
●厚労省が培養肉の規制を判断する研究班設置へ

厚労省は6月19日、細胞培養肉について規制の是非を判断するための研究班を設置することを明らかにした。細胞培養肉は培養にコストがかかり、ハム1枚15万円といわれるほど、とてつもなく高価で、市場化が困難な状況にある。しかし、コストダウンとともに市場化が図られるとみられることから、研究班を設置することになった。〔読売新聞 2022/6/20〕