■2022年9月号

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バイオジャーナル

グリホサートがアルツハイマー病を引き起こす

 

除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートが、脳血液関門を通過することがわかり、アルツハイマー病を引き起こす可能性が高いことが明らかになった。アリゾナ州立大学の研究者ジョアンナ・ウインストンとトランスレーショナル・ゲノミクス研究所の共同チームは、マウスを用いて、グリホサートが脳に及ぼす影響について研究を行った。その結果、グリホサートが脳関門を通過し、脳に達することが示された。脳に達すると、TNF-αと呼ばれるサイトカインを増やす。このサイトカインが増えると神経の炎症が起きやすくなり、アルツハイマー病の原因となりやすい。

さらに研究チームは細胞培養研究を行い、グリホサートへの暴露が可溶性ベータアミロイドの産生を増加させることを明らかにした。この物質が増加すると、ニューロンの生存率を低下させ、アルツハイマー病のリスクを増加させることがわかっている。これらの研究から、グリホサートの暴露がアルツハイマー病をもたらす可能性が高いことが示された。〔Journal of Neuroinflammation 2022/7/28〕