■2022年11月号

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バイオジャーナル

セツロテック社がモンゴルでゲノム編集羊を開発

 

徳島大学発で2017年に創業した、ゲノム編集技術の開発や応用に取り組むベンチャー企業セツロテック社が、モンゴル生命科学大学獣医学部および同大学動物科学バイオ技術学部、モンゴル国立動物ジーンバンクセンターと共同で羊の開発を行う。カシミヤ繊維の品質向上を目的に、ゲノム編集技術を用いてカシミヤ羊の改良に取り組む。

同社はまた、名古屋大学の研究チームと共同で、GEEP法用いてゲノム編集の遺伝子カセットをシバヤギの受精卵に入れる実験を行っている。これまではマイクロインジェクション法という、受精卵一つ一つに針で遺伝子カセットを注入していたが、GEEP法は受精卵に電気を用いて遺伝子を入れるエレクトロポレーション法で、効率が良くなるという。この方法でウシ科のシバヤギのゲノム編集に取り組み、実験では成功したと述べており、これをモンゴルでの羊の実験に応用するとしている。

さらにセツロテック社は、ゲノム編集花卉の開発を提案し、あいち農業イノベーションプロジェクトの事業化可能性調査に採択された。採択されたのは、同社が特許権をもつ、独自のゲノム編集因子ST8を用いた花卉の新品種開発である。特許権使用料がネックになっているCRISPR-Cas9の代わりに、このST8を用いた開発を提案した。目的は、さまざまな花の色を開発して地域独自の品種をもたらすというもの。モンゴルでのカシミヤ羊の改良においても、ST8を応用する予定である。〔セツロテック 2022/10/13〕