■2023年5月号

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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
●韓国で未承認GMズッキーニが8年間市場流通

  韓国で未承認のGMズッキーニが8年間も流通していたことがわかった。その後、同国で流通しているズッキーニの全数調査が行われ、3月から陰性と判明したものから出荷が再開された。このズッキーニは、以前、日本では「スカッシュ」という名で扱われていた、米国で栽培されているかぼちゃの仲間である。どうやら種子が入り込み、栽培されてきたようである。
このGMズッキーニは、米国で1980年代から開発が進み、94年に栽培許可が下り、2001年に市場に登場した。遺伝子組み換えによりアブラムシが媒介するウイルス病に抵抗性を持たせている。ZW-20とCZW-3の2系統のズッキーニに遺伝子組み換えが行われ、2006年には約3200haで栽培された。
ズッキーニへの、アブラムシが媒介するウイルス病は主に3種類、@キュウリモザイクウイルス病、Aズッキーニ黄色モザイクウイルス病、Bスイカモザイクウイルス病である。CZW-3系統にはこの3種類すべてに抵抗力を持たせるようにし、ZW-20にはAとBに抵抗力を持たせるようにしている。このGMズッキーニは日本では申請されていないので、出回っていれば、未承認作物として違法流通になる。韓国で出回っていたため、日本でも出回っている可能性はある。〔中央日報 2023/4/1〕

●森林管理の国際認証機関がGM樹木容認から撤退

  世界で最も権威があるとされる森林管理の認証機関である森林管理協議会(FSC)が、GM樹木の容認に動いたことから、世界的に反対運動が広がっていた。このほど同協議会は、GM樹木の商業的な利用容認の方向から撤退することを明らかにした。環境保護団体はこの決定を歓迎した。〔Forest Stewardship Council Board Decision 2023/3/31〕
●南米事情
●ブラジルでゲノム編集大豆「規制せず」に承認

 ブラジルのバイオセーフティ国家技術委員会(CTNBio)は、大豆研究センター(Embrapa Soja)が開発したゲノム編集の干ばつ耐性大豆を、遺伝子組み換えと異なると結論付け、「規制せず」とした。どのような遺伝子操作がなされたかは発表されていないが、生育に影響を及ぼすエチレンの代謝にかかわる遺伝子を壊したものと思われる。これから効果をみる野外試験が行われる。〔GMWatch 2023/4/1〕
●アルゼンチンでGM作物栽培地域での深刻な農薬被害

  アルゼンチンのロサリオ大学医学部の社会環境衛生研究所の調査によると、GM作物栽培に伴う農薬散布地域に住む若者は、農薬非散布地域に住む若者に比べて、がんで死亡する割合が2.5倍も高いことがわかった。これは同国サンタフェ州で行われた27,000人を対象とした調査によるもの。調査を行った同研究所のダミアン・ヴェルゼニャシは「アグリビジネスが人々の健康を害していることは疑いようがない」と述べた。〔Clinical Epidemiology and Global Health 2023/1/25〕