■2024年1月号

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バイオジャーナル

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●ゲノム編集
●ゲノム編集卵、臨床実験へ

 広島大学はキユーピー社と共同で、アレルゲンのオボムコイドができない卵を産む鶏を開発してきたが、この卵を用いた臨床試験が、国立病院機構・相模原病院で行われることになった。鶏に用いられるゲノム編集技術には、CRISPR-Cas9ではなく、広島大学が得意とするTALEN技術を用いている。〔読売新聞オンライン版 2023/11/24〕

●直売所で販売予定のゲノム編集マダイが大量死

 群馬県や都内で農産物を直売しているファームドゥグループが、養殖して販売する目的で2023年10月下旬、リージョナルフィッシュ社から約400匹のゲノム編集マダイの幼魚を仕入れた。その多くが成育中に死亡し、残ったのは約20匹だった。しかし、さらに約600匹を仕入れ、同社の食の駅などの直売所で販売する予定。〔日経新聞オンライン版 2023/12/6〕

●ノルウェーのゲノム編集サーモン養殖計画中止に

 今年4月にノルウェーでゲノム編集サーモンの海上養殖計画案が示された。このサーモンは、ゲノム編集技術で生殖器官の発達にかかわる遺伝子を破壊し、不妊にすることで長期間養殖が可能で、大型化できるのがメリットという。養殖計画案に対して政府の食品環境科学委員会で専門家によるリスク評価が行われたが、サーモンが逃げ出した際の環境への影響や、実際に不妊かどうかを証明できないなど、不確実な要素が多すぎるとして、その評価は否定的なものだった。不妊が完全でない場合、逃げ出した際に自然個体群のサーモンと競合することになり、遺伝的欠陥が伝えられ、自然個体群がぜい弱化する可能性がある。またゲノム編集サーモンは病気になりやすいため、病気が広がる可能性があるとしている。〔Test Biotech 2023/11/21〕

●遺伝子組み換え
●GM栗の木の開発中止

 英国栗財団(TACF)が、米国で絶滅した原生種の復活を目指していたGM栗の木の開発を断念した。20世紀初頭に米国東部の森林を構成していた原生種の栗の木は、外来の病気によって絶滅してしまった。そのためニューヨーク州立大学の環境科学林業学部の研究者がGM技術を用いて復活を図り、さらに病気に強い栗の木の開発を目指し、そのGM栗の木を「ダーリン58」と命名していた。しかし、GM栗の木は成長が遅く、低く、病気への耐性が弱く、使い物にならず断念に至った。〔Campaign to STOP GE Trees 2023/11/28〕
●欧州事情
●EUでゲノム技術推進に対して反対の動きが活発に

 EUでは6月にニューGMO(ゲノム編集などの新しいゲノム技術(New Genomic Techniques :NGTs)のこと)に対して規制を行わない、と決定したことへの反対運動が強まっている。11月29日にはオランダとベルギーの農民や環境保護団体が欧州委員会のあるブリュッセルで抗議行動を行なった。フランスでは11月28日に13の農業団体、環境保護団体が大統領と首相宛に書簡を送付した。ドイツとオーストリアでは大手スーパーチェーン8社が、NGTsに対する完全な表示とトレーサビリティを求める書簡を、欧州議会の環境委員会及び農業委員会の議員に送付した。〔GMWatch 2023/11/30ほか〕