■2024年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●省庁動向
●3種類目のゲノム編集魚の届け出完了

 12月25日、マダイ、トラフグに続く3種類目のゲノム編集魚であるヒラメの農水省への届け出が完了した。厚労省、農水省両省が届け出を受理したことにより、市場での販売が可能になる。リージョナルフィッシュ社が開発したこのヒラメは、食欲を抑制するホルモンのレプチン遺伝子を破壊し、異常に太るように操作したものである。〔リージョナルフィッシュ 2023/12/25〕


●企業動向
●三井化学が生物農薬開発の実験施設を都内に開設

 三井化学の子会社の三井化学クロップ&ライフソリューションが、GM技術を使った生物農薬の開発に向けて都内に実験施設を開設した。すでに東北大学と共同で同大学内にバイオロジカルソリューション共創研究所を立ち上げており、生物農薬の開発を活発化させるのが狙いだと思われる。〔日経産業新聞 2023/11/27〕

●リージョナルフィッシュ社がタイへ進出

 リージョナルフィッシュ社は東南アジア各国への進出を目指してきたが、インドネシアに次いで、タイへも進出していることが明らかになった。2023年11月5日に日本政府などが主催で、日本のハイテク関連のスタートアップ企業10社がタイの企業への売り込みを図った。その中に、すでに進出している企業としてリージョナルフィッシュ社の名前があった。12月15日に開かれた三菱UFJ銀行がタイへのインフラ融資を支援する会議にも、リージョナルフィッシュ社が参加していた。同社はタイでゲノム編集ティラピアの養殖プロジェクトを進めている。現地のパートナーは、大手畜産・飼料製造販売会社のSPM Feedmill社である。〔bangkokbiznews 2023/12/15ほか〕
●フードテック
●大豆ミート食品の売り上げが急落

 フードテックをけん引してきた代替肉大豆ミート食品の売り上げが急落している。調査会社のインテージによると、大豆ミート食品市場は拡大を続け、2017年には4億6000万円だったが、2022年には42億円に達していた。しかし、今年は減少に転じ、2023年10月までの売り上げは、前年同期比24%減少の28億円だった。〔日経新聞オンライン版 2023/12/8〕


●生物多様性条約
●次回生物多様性条約締約国会議はコロンビアで開催

 2023年12月15日、生物多様性条約第16回締約国会議(CBD-COP16)が、2024年10月21日から11月1日にかけて、南米コロンビアで開催されることが決まった。おそらくカルタヘナでの開催が有力である。CBDと同時にカルタヘナ議定書第11回締約国会議と名古屋議定書第6回締約国会議が並行して開催される。当初はトルコでの開催予定だったが、地震の影響で同国が開催を返上したため、開催地の決まらない状態が続いていた。ゲノム編集技術を含む合成生物学をめぐる議論に進展があるのか否かが注目される。〔CBD 2023/12/15〕