FAO(国連食糧農業機関)が、多国籍農薬・種子企業の業界団体クロップライフ・インターナショナル(CropLife International)との提携を終了したと発表し、それに対して国際的な市民団体、先住民の団体など11団体が「農薬被害に苦しんでいる人々にとって重要な勝利である」と歓迎のメッセージを発表した。これは5月15日に国際農薬行動ネットワーク(Pesticide Action Network International)が、FAOのベス・ベクドル事務局次長から正式な連絡を受けて判明した。FAOとクロップライフは、2020年10月2日に提携を締結。FAOによると、3年の期限を迎えたことで終了したという。
クロップライフは、バイエル、シンジェンタ、コルテバといった多国籍農薬企業がその戦略を実現するためのロビー活動機関で、この提携が危険な農薬を売り込むためのものであることは明らかだった。そのため約70カ国の430を超える市民団体や先住民の団体、107カ国以上の20万人の個人、250人の科学者および研究者などが、FAOに対してクロップライフとの提携を撤回するように求めてきた。 今回の提携解消に対する歓迎のメッセージでは、FAOに対して今後農薬業界とはいかなる提携も行わないことを求め、そのためにFAOの行動を監視しつづけると述べている。〔Co-Coordinators of the Stop FAO-CropLife ToxicAlliance 2024/6/10〕
|