|
ニュース
●欧州事情
●EFSAがGM微生物由来の添加物を「安全」と評価
安全性が懸念されているインポッシブル・バーガーに用いる血液の色と風味をもたらす添加物の「ヘム分子」について、欧州食品安全局(EFSA)は「安全」と評価した。ヘム分子は、大豆由来のレグヘモグロビンをGM微生物に作らせたもので、大豆由来の食肉に、動物由来の肉のような色や風味をもたらすもので、これがインポッシブル・バーガーの売りとなっている。EFSAは、安全と評価したものの同社に追加情報を求めており、承認されたわけではない。〔Foovo 2024/8/6〕
●欧州のNGTs規制緩和の方向性定まらず
EUでは、ゲノム編集技術を含む新しい遺伝子技術(New Genomic Techniques :NGTs)について、従来の遺伝子組み換えでの規制を免れるとする方針が欧州委員会から出され、欧州議会が修正し可決したものの、いまだ方向性は示されていない。なぜなら、トレーサビリティ、食品表示、そして特許に関する議論が定まっていないからである。このほど欧州理事会議長国のハンガリーが、この規制緩和案に対して10項目の疑問を呈する文書を欧州議会に提出した。現在、規制緩和に反対している国は、オーストリア、ブルガリア、クロアチア、ルーマニア、スロバキア、スロベニアで、これらの国がこの提案を支持した。最も大きな争点は、特許を禁止すべきか否か、である。しかし、多数派を占める緩和支持の国々は、この提案に反対している。そのようななか、フランスの食品安全機関であるフランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)が、ゲノム編集作物などのNGTsの危険性に対して警告を発した(バイオジャーナル2024年4月号参照)が、それについて欧州議会が欧州食品安全局(EFSA)に検討を求めた。回答次第では、今後の議論に影響しそうである。〔GMWatch 2024/7/29〕
●米国の著名バイオ業界ロビイストが欧州で活動開始バ
米国の2つの政権、4人の長官の下、政権内部に入り込み、「ミスターGMO」と呼ばれたバイオ業界のロビイストのジャック・ボボが、突然、英国ノッティンガム大学食品システム研究所の所長に就任し、欧州でバイオテクノロジー推進のための活動を開始した。ジャック・ボボの活動の成果もあり、米国国務省は世界中で規制を弱めさせて表示をさせず、GMO販売に成果をもたらしたとして、多国籍企業により評価されている。〔GMWatch 2024/8/12〕
●アジア事情
●シンガポールが食用昆虫の輸入を解禁
シンガポール食品庁は7月8日、16種類の昆虫とその加工品について、食用及び飼料用の輸入を認めた。認められたのはバッタやコオロギ、カイコ、ミツバチなど。信州大学発のスタートアップ企業のモルスは6月25日、シンガポールを拠点に、カイコ由来のタンパク質食品の販売計画を発表した。〔JETRO 2024/7/26〕
|
|
|