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●遺伝子組み換え作物
●GMスギ花粉イネの野外試験栽培が申請される
頓挫していたGMイネの「スギ花粉イネ」の開発が再開された。8月15日に生物多様性条約の国内法であるカルタヘナ法に基づき、野外試験を行うための「第一種使用規定の承認申請書」が出された。その申請の評価に対する一般からの意見募集が10月5日必着で始まった。このスギ花粉イネは2000年に開発が始まり、消費者メリットがあり、次世代GM作物の旗手として登場した。農水省の研究機関である生物資源研究所(現、農研機構:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)と全農、日本製紙の三者を中心に開発を進めていた。しかし厚労省が2007年4月に「これは食品ではなく医薬品である」として待ったをかけた。そのため協力する製薬企業はなく、その結果、開発は大幅に遅れた。昨年4月、岸田政権がスギ花粉症対策を政策の柱の1つに据えたことから開発が再開された。
このGMイネは、ペプチド含有イネとポリペプチド含有イネの2種類が開発されたが、今回申請されたのは、先行していた「スギ花粉ペプチド含有イネ」である。すでに2013年から慈恵医科大学で医薬品としての効果を確認する臨床試験が行われている。しかし、症状が改善したとは言えない、という結果だったため、開発はふたたび頓挫した。それでも商品化をあきらめたわけではなく、開発を広く進めるため2016年からオープン・イノベーション方式をとり、さらに昨年岸田政権により復活したのである。今回の野外試験申請は、大規模栽培を行い、再度、収穫したコメを用いて臨床試験を目指すのであろう。
●ゲノム編集
●キユーピーがゲノム編集卵で菓子作り
広島大学と共同でゲノム編集を使って低アレルギー卵を開発したキユーピーは、現在、国立病院機構相模原病院で臨床試験中だが、この卵を用いて菓子を作り、その成果を9月6〜7日に開催された日本調理科学会で発表した。〔キユーピーアヲハタニュース 2024/9/6〕
●培養肉
●培養肉製造にES細胞を使用
奈良市にあるハイペリオン・フードテック社は、国産牛由来のES細胞を用い、立体構造を持った細胞を培養した。細胞培養では今後、iPS細胞やES細胞を用いた開発が進みそうである。〔日経バイオテクオンライン版 2024/8/21〕
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