イランのタブリーズ医科大学の研究者がラットを用いた研究で、GM大豆油が肝臓や腎臓に悪影響を及ぼすという結果を発表した。この結果は、GM大豆油の危険性を示すと同時に、GM大豆油と通常の大豆油が実質的に同等ではないことを示している。実験を行ったのはイラン・タブリーズ医科大学のホリー・タヘリらの研究チーム。実験は、ラットを6匹ずつ3つのグループに分け、90日間の食餌実験を行った。3つのグループはそれぞれ、GM大豆油を10%含む餌、通常の大豆油を10%含む餌、通常の餌、を与えた。餌は動物実験で用いる標準的なものを用いている。実験結果の分析では、血液の生化学的分析と、肝臓と腎臓で組織病理学的分析を含む解析が行われた。
その結果、GM大豆油を与えた集団だけに異常が起きた。肝臓の分析ではうっ血、壊死、胆管肥大など、いくつかの組織学的異常が起きていた。腎臓の分析ではうっ血、出血、糸球体硬化が見つかった。他にもγグルタミントランスフェラーゼとインスリンのレベルが大幅に高く、尿素とトリグリセリドの数値も大幅に上昇していた。これらは腎不全と脂肪分解不全の兆候であり、動脈硬化などの疾患につながる可能性がある。研究者は、長期的な影響を見る必要があり、さらなる研究が必要であると述べている。〔J Drug Res Clin 2024-2-e11〕
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