■2006年4月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●GMパパイヤの審議始まる


  2月27日、食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会で耐病性GMパパイヤの審議が始まった。審議は、1月に行われた高リシン・トウモロコシ同様、非公開となった。このパパイヤは、ハワイ大学、コーネル大学、アップジョン社が共同で開発したもので、リングスポット・ウイルスへの抵抗性を強めた品種である。かつてハワイの生産者団体が商業化を進めるために、多くのGM技術の特許を持つモンサント社と直談判を行った経緯がある。
 米国ハワイ州で1998年から栽培が始まり、日本でも1999年に石垣島の隔離圃場で栽培試験が行われ、同年、食品として申請されたが、評価が不十分だったことから追加資料の提出が求められていた。
 現在ハワイで栽培されているパパイヤは、ほとんどがこのGM技術を用いたハイブリッド品種「Rainbow」であるが、日本に輸入されているパパイヤは従来品種の「Kapoho」である。もし承認されれば、ハワイのパパイヤはすべてGM「Rainbow」になると見られ、日本で初めて生で食べるGM食品となるだろう。
 かつてこのGMパパイヤは、フィリピンやタイで違法栽培が発覚して問題になった。また2002年12月には、このパパイヤの導入遺伝子がもたらすタンパク質を構成するアミノ酸配列に、アレルゲンと疑われる構造が多数見られる、とするオランダの研究者G.A.クレーターらの報告が出ている。