■2007年7月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●バイオ燃料用GM作物開発


バイオ燃料用GM作物の開発が活発になっている。第二世代バイオ燃料開発のための予算や投資が集中したことで、作物以外にもセルロース分解酵素のセルラーゼの能力を上げたり、分解してできた糖質の発酵を促進してエタノール生産の効率を早めるなどのGM技術による微生物改造などの開発が加速している。またGM樹木の開発も進められている。

 ミシガン州立大学のマリアム・スティクレンらの研究チームが開発したのが、セルロースを分解する酵素のセルラーゼ遺伝子を導入したトウモロコシで、導入によりセルロースを分解する必要がなくなるという。栽培中にこの遺伝子が働くとセルロースが分解されトウモロコシが崩壊することになる。そうならないように、温泉にすむ細菌から取り出した、高温で始めて働き始める遺伝子を用いた。異常気象によっていつ高温状態が訪れるかもしれず、あるいは汚染によって熱帯地方で栽培されるトウモロコシの中に混ざった場合、どうなるのだろうか。 〔agbios 2007/5/16〕

 英国系の石油メジャーのBP社も、米デュポン社と共同で、バイオ燃料開発に乗り出した。両企業はカリフォルニア大学バークレー校の研究チームと組み、第二世代バイオ燃料を開発する。食料と競合しないように、トウモロコシの茎のセルロースからエタノールを作り出そうという計画。そのために10年間に5億ドルを投資する予定だという。 〔Sankei Web 2007/5/28〕

 バイオ燃料ブームが、環境破壊を拡大しかねない状況になってきた。