■2008年2月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る





























バイオジャーナル

ニュース


●GM汚染
●カナダ最高裁、GM汚染有機農家の訴え棄却

 2002年1月、カナダ・サスカチュワン州の有機農家らが、米モンサント社と独バイエル・クロップサイエンス社の2社を相手取って、GMナタネ汚染がもたらした経済的損失の賠償を求めた裁判で、最高裁は、訴えを棄却した。この訴訟は、有機農家がバイテク企業に対して損害賠償を求めると同時に、GM小麦の栽培を止めることを目的にしたものである。〔TheCanadianPress2007/12/14〕

●欧州事情
●国際有機農業連盟がGMOゼロ混入を決議

 ベルギー・ブリュッセルで開かれた国際有機農業運動連盟(IFOAM)の会議は、有機農作物へのGM作物の混入を0%にするよう求める決議を採択した。これは欧州委員会が0.9%までの混入を許容しようとしていることに対するものである。会議に出席した欧州委員会代表は、0.9%までの混入を支持する見解を述べるにとどまった。〔OrganicMarketInfo2007/12/10〕

●フランスがGMトウモロコシ栽培中止を継続

 昨年10月、フランスのサルコジ大統領は、Btトウモロコシ(MON810)の栽培中止を命じ、その後の行方が注目されていた。当初、政府は新しい環境政策を発表し、種蒔きの時期までには栽培中止を解除する予定だった。それに対して、今年に入りジョゼ・ボベなど市民15人がパリでハンストに突入、栽培禁止継続を強く求めた。1月11日、フランス政府は、栽培中止継続を決定し、市民のハンストも中止した。〔ロイター2008/1/11〕

●オセアニア事情
●ニュージーランドが高リジン・トウモロコシを承認

 ニュージーランド食品安全局は、栄養強化GM作物の高リジン・トウモロコシを輸入し販売することを承認した。このGMトウモロコシは、家畜の飼料として輸入されるが、食品の中に入っても安全だとして承認した。〔NewZealandHerald2007/12/20〕

●ニュージーランドでGM牛の飼育実験開始か?

 ニュージーランドのクラウン研究所は、同国北島ハミルトン近郊のルアクラで、GM牛を複数飼育し、8年がかりで研究・開発を行う計画を、2008年早々に環境リスク管理局に提出する予定である。これに対して、市民の間で、危険な実験だとして批判が強まっている。〔Stuff,NewZealand2007/12/26〕
●アジア事情
●韓国がGMO管理を強化

 韓国・科学技術庁は12月28日、遺伝子組み換え生物(GMO)の管理について、これまでの仕組みを変更すると発表した。GMOをきめ細かく管理することで規制を強化することにしたもの。従来と異なり、研究・開発・輸入・輸出・分配ごとに、また素材の安全レベルごとに、さらには環境や人々に及ぼす影響の大きさごとに、異なった機関が管理することになり、本年1月1日から施行される。〔TheKoreaTimes2007/12/30〕

●タイでGMトウモロコシ見つかる

 タイ政府がGM作物解禁に向けた動きを見せているため、12月18日、環境保護団体グリーンピース東南アジアは、それに反対する署名を提出した。そんな折、同国中北部ピッサヌロークにあるモンサント社のトウモロコシ圃場の近くの圃場で、GMトウモロコシが見つかった。有機農業団体バイオタイがピッサヌローク、ナーコンサワン、スコータイの農園などからトウモロコシ、大豆、綿など計19サンプルを集め、チュラロンコン大学に分析を依頼した中から見つかった。〔BangkokPost2007/12/21〕

●パキスタンが2009年にGM綿を導入

 1月8日、パキスタン国立バイオセーフティセンターのアフザール・アフマド次長は、パキスタンが来年にもBt綿を導入する、と述べた。もし導入されれば最初のGM栽培作物となる。〔DailyTimes2008/1/9〕


●南米事情
●EUが南米諸国の農業バイテク推進に資金提供

 EUは南米南部共同市場(メルコスール)に、農業バイオテクノロジーを推進する資金を提供することになった。資金は1040万ドルで、2008年11月から2年半。森林、油糧種子、羊、鳥の4つの分野に提供することを、メルコスール加盟国であるブラジル、アルゼンチン、ウルグアイと同意した。〔SciDev.net2007/12/27〕

●遺伝子組み換え作物
●イスラエルの企業が高収量トマトを開発

 イスラエルのバイテク企業・エボジーン社が、GMトマトの野外試験結果を発表した。高収量で環境ストレス耐性がある品種「Evo133」の3年目の試験結果は、対照群に比べて通常の状態では最大25%の収量増、旱魃など環境ストレスのある状態では最大20%の収量増だった。〔FarmandRanchGuide2007/12/20〕

●遺伝子組み換え動物
●ベトナムで光るタツノオトシゴ誕生

 ホーチミン市にあるベトナム国立大学科学校の研究者が、光るタツノオトシゴを誕生させた。同国で最初のGM動物誕生である。〔VietnamNetBridge2008/1/4〕