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ニュース
●クローン
●イランでクローン羊誕生
イランのイスファファンでクローン羊が誕生し、「Royana」と名づけられ健康な状態を維持しているとイランの科学者が発表した。最初のクローン羊は生後直後に死亡している。今回のクローン羊は2006年9月30日に誕生して以来、健康な状態を維持した、同国で最初のクローン動物である。〔AP通信2008/1/1〕
●台湾政府がクローン家畜食品受け入れを拒否
米国FDAが、まもなくクローン家畜食品安全宣言を行うことに対して台湾政府は、受け入れないことを明言した。これは台湾衛生局が公式に述べたもので、従来の方針に変更はなく受け入れるつもりはない、と述べた。〔ThaipeiTimes2008/1/7〕
●中国でGM体細胞クローンウサギ誕生
12月14日、中国・科技日報は、2007年9月に同国でウサギのGM体細胞クローンが誕生したことを明らかにした。このウサギは、上海交通大学の研究センターと中国農業科学院の北京畜牧獣医研究所育種センターが共同で開発したもので、発光遺伝子を組み込んだGMウサギから体細胞クローンをつくったところ、生まれたウサギも発光したことから公表した。〔RecordChina2007/12/16〕
●省庁動向
●農水省がGM作物推進計画最終報告書を発表
農水省は12月17日、2007年5月22日から11名の委員により非公開で審議やヒヤリングを行ってきた、遺伝子組換え農作物等の研究開発の進め方に関する検討会の最終会合を開催、最終取りまとめ案を提示し、19日に正式に「遺伝子組換え農作物等の研究開発の進め方に関する検討会・最終取りまとめ案」として発表した。今後、どのようにGM作物の開発・実用化を推進していくか、その道程を示した、事実上の最終報告書である。
民間企業には期待できないので国主導で行うとした上で、今後5年以内に実用化を目指すものとして「栄養向上イネ」「複合耐病性イネ」「環境ストレス耐性」を、中長期的に実用化を目指すものとして「多収性と機能性をもつ高付加価値飼料」「有害物質吸収植物」「バイオ燃料作物イネ」を示した。
この時期に方針を提示したのは、予算獲得へ向けたデモンストレーションとしての意味あいが強そうだ。
●DNA
●全アイスランド人遺伝情報データベース完成へ
国民1人1人の遺伝情報の収集を推進している国が、アイスランドである。デコード・ジェネティックス社データベースには、まもなく全国民のDNA個人情報が収集される見込みとなった。同社はこのデータベースを用いて、グーグル社の支援を得て、「23andMe」と呼ばれる、遺伝性疾患に関する調査研究を開始した。〔IceNews2007/12/4〕
●GMOフリー
●ポルトガル、ラゴス市全農民がGMOフリー宣言
ポルトガル南部のアルガルベ地方にあるラゴス市の全農民がGMOフリーを宣言した。これはポルトガル政府が示した手順にしたがって宣言したもので、すべての農民が支持した。〔GENET2007/12/31〕
●遺伝子治療
●厚労省、岡山大学の遺伝子治療を承認
2007年12月27日、厚労省の科学技術部会(厚生科学審議会)が開かれ、岡山大学から申請があった遺伝子治療実施計画が承認された。対象疾患は前立腺がん。インターロイキン12遺伝子を組み込んだベクター(運び屋)を病巣に注入し、免疫を活性化させ、がん細胞を攻撃して病状を緩和させようというもの。ベクターにはアデノウイルスが用いられる。これで承認された遺伝子治療実施計画は22件目となる。部会では、下部組織のがん遺伝子治療作業部会からの報告を事務局が読み上げ、そのままあっさり承認となった。
●生殖医療
●代理出産「限定的許容」で大筋合意
2007年12月26日、日本学術会議「生殖補助医療の在り方検討委員会」の第13回会合が開かれた。08年1月末までにまとめる報告書の論点整理が行われ、代理出産による親子関係の問題が議論された。肝心の代理出産を認めるか否かについては、「私はまだ全面禁止を捨ててはいない」(東北大学大学院教授・水野紀子)という委員がいるものの、大筋では「限定的許容」で合意がなされている。限定の範囲については、残り2回の会合で詰めていくことになる。
●企業動向
●デュポン社が中国企業と合弁事業開始
米国デュポン社は、中国・北京にあるBWKアグリカルチャー・バイオテクノロジー社と、GM作物開発を目的にゲノム解析を加速させるため合弁事業を立ち上げると発表した。これはデュポン社が、グローバル種子企業として事業を展開していくためのものだと思われる。〔soyatech.com2007/12/4〕
●行政動向
●民主党が生物多様性基本法案を作成
1月10日、民主党が「生物多様性基本法案」を発表した。2月22日までパブリックコメントを募集、3月上旬に確定して公表し、3月中旬に国会に提出する予定である。政府が作成した「生物多様性国家戦略」が業界寄りで環境保護の姿勢が弱いため作成したようだ。
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