■2008年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●南米事情
●ブラジルがGMトウモロコシを初承認

 ブラジル政府バイオセーフティ会議が、シンジェンタ社とモンサント社のBtトウモロコシを承認した。科学技術大臣のセルジオ・レセンデは「これはブラジルで最初のGMトウモロコシであり、12人の閣僚によって決定された」と述べた。 〔Agence France Press 2008/2/13〕

●GM汚染
●米国で未承認トウモロコシがまた流通

 2月22日、米国大使館は農水省に対して、未承認トウモロコシ「Event32」が栽培されていたことを伝えた。このGMトウモロコシは、殺虫毒素産生と除草剤耐性の両方の性質をもつ品種で、未承認にもかかわらず種子に混入し他のトウモロコシと一緒に栽培されたようだ。アイオワ州で栽培した際に花粉が飛散して「Event22」に混じったのが、原因とされる。米国政府はごく微量の混入だとしているが、度重なる未承認作物混入問題によって、バイテク企業の管理能力のなさが問われているといえる。

●NGO
●世界の市民団体がGM樹木開発反対を要望

 2月13日に発表されたISAAAによる2007年のGM作物栽培報告によって、中国で、25万本ものGMポプラの栽培が明らかになった。これに対して、2月19日、GM樹木開発をすすめる国々の市民グループが緊急に署名を集め、138団体名で、GM樹木禁止を求める公開の要望書を、生物多様性条約締約国会議の科学的・専門的・技術的アドバイス部会の年次総会に提出した。〔Scoop Independent News 2008/2/21〕

●遺生殖補助医療
●学術会議生殖補助医療検討委、最終報告まとめる

 代理出産の是非を検討している日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」が3月7日に会合を開き、最終報告書をまとめた。報告書では、提言として以下の5 項目などを挙げている。@当面、代理出産は原則禁止。生殖補助医療規制法(仮)を新たに作り、規制は法律に委ねる。A例外的に、厳重な管理の下に行う試行的実施(臨床試験)は認める。B臨床試験に当たっては、登録や追跡調査、評価などの業務を公正に行う公的運営機関の設置が必要。その体制で一定期間実施し、医学的・倫理的に特段の問題がないようだったら、一定の指針の下に全面解禁すべきである。C営利目的で行われる代理出産には厳罰をもって臨み、処罰対象は現段階では斡旋者、依頼者、医師とする。D親子関係については、代理出産にも分娩者=母ルールを適用し、海外実施や臨床試験の場合も同様の扱いとする。
 今後、立法の実現化や臨床試験を担当する公的機関の設置・運営など課題は多いが、これで1年2か月にわたって行われた議論に一定の結論が出されたことになる。
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧
生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
トウモロコシ 耐熱性α.アミラーゼ産生 シンジェンタシード株式会社 3272,OECD UI:SYN-E3272-5 2008年2月28日
トウモロコシ 2目の害虫抵抗性+除草剤耐性 シンジェンタシード株式会社 Bt11×MIR604,OECD UI:SYN-011 SYN-IR604-5 2008年2月28日
トウモロコシ 2目の害虫抵抗性+2種の除草剤耐性 シンジェンタ シード株式会社 Bt11×MIR604 ×GA21, OECD UI:SYN-BT011-1×SYN-IR604-5×MON-00021-9 2008年2月28日
セイヨウナタネ 除草剤耐性 バイエルクロップサイエンス株式会社 OXY-235, OECD UI:ACS-BN011-5 2008年2月28日
ワタ 除草剤耐性 バイエルクロップサイエンス株式会社 GHB614, OECD UI:BCS-GH002-5 2008年2月28日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。