■2008年6月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

今月の潮流●米国で特許権侵害訴訟などから農家を守る取組始まる


 
 米国では、バイテク企業による特許権侵害訴訟や賠償責任問題が多発している。小規模農家のラニヨン家にモンサント社から派遣された調査官は、ここ数年間の農業記録の提出を求め、特許権侵害で訴えると脅した。調査官派遣は、ラニヨン家がモンサント社のGM大豆をかってに栽培している、という密告に基づいたものだった。 〔CBS News 2008/4/26〕
 このような訴えが頻発していることから、州政府が農家保護に動きだした。カリフォルニア州ではGM作物規制法が提案された。この法案は、農業バイテク分野で農民が特許権侵害や賠償責任問題によって被害を受けないよう、次の4つの方法が盛り込まれている。@GM作物の交雑・混入が起きた場合農家や土地所有者の経済的損失を補償する。AGM汚染が起きているのを知らないで栽培した農家を賠償責任からはずす。BGM汚染の原因がバイテク企業まで遡ることができるような追跡の仕組みを確立する。C医薬品生産GM作物の野外での栽培を禁止し、食品の供給を守る。〔South Central Farmers Action Fund 2008/4/18〕
 メイン州でも、バイテク企業などから農民が特許権侵害や賠償責任問題で、訴えられないようにするための法律が議会を通過した。この法律では、農務省に対してGM作物の厳格な管理を求めている。〔Main News 2008/4/10〕