■2009年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●オセアニア事情
●豪州農民団体がGMナタネ栽培中止求める

 オーストラリアの農民団体「コンサーンド・ファーマーズ」は、GM汚染による損害を非GM栽培農家に負わせようとする、理不尽な契約内容が判明したため、西オーストラリア州政府に対し、GMナタネの試験栽培中止を求めた。この契約は、西オーストラリアの穀物企業CBHとモンサント社の間で交わされた。〔Australian Broadcasting Corporation 2009/2/26〕

●豪州のGMナタネ栽培拡大へ

 モンサント社と種子企業のNuSeed社は、今年、ヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州でのGMナタネ栽培が拡大すると発表した。昨年の9500haを大きく上回る10万haで、約15万トンを収穫すると予測している。
〔Weekly Times 2009/2/18〕
●アジア事情
●ウクライナがGM作物0.9%超混入の生産物輸入禁止

 ウクライナ政府は、GM作物の原料が混入した生産物の輸入を禁止する法律を承認した。法律では、0.9%を超えるGM作物の原料が入っている場合、国内に入ることを認めない。検査は輸入時になされるが、生産物には食品だけでなく、化粧品や医薬品も含まれる。〔MIG News 2009/2/19〕

●中国でGMイネ承認の動き

 ISAAAコーディネーターのRandyHauteaは、まもなく中国でGMイネが本格的に栽培され、流通するのではないかと述べた。Btイネがすでに当局の承認を待っている状態にあり、2010年には栽培開始となり、ゴールデンライスも2012年に栽培が開始される可能性があるとしている。 〔Business Mirror 2009/2/15〕

●日本向け大豆ミール輸入先、南米からインドへ

 日本や韓国など東アジアの国々では、大豆ミールの輸入先を大幅に変更する動きが活発化している。これまで依存度の高かった南米でGM大豆の作付けが始まり、混入する危険が高まったためで、新たな輸入先はベトナムなど東南アジアの国々になるという。日本は、非GM大豆ミールの輸入先としてインドへの依存を強めている。〔Sify, India 2009/2/6〕
●アフリカ事情
●ケニアでバイオセーフティ法成立、GM作物導入へ

 2月12日、ケニア大統領がバイオセーフティ法に署名、同法は成立した。法案は昨年12月に議会を通過した後、保留状態になっていた。これによって、ケニアではGM作物導入に向けた動きが活発になりそうだ。〔Africa Science News Service 2009/2/12〕

●ナイジェリアでGMキャッサバ野外試験へ

 ナイジェリアで、栄養を強化した「スーパー・キャッサバ」の野外での栽培試験が承認された。このGMキャッサバは、ビタミンAの前駆体であるベーター・カロチンを多く含んでいる。同じ性質を持つものとして、遺伝子組み換えイネ「ゴールデンライス」が開発されている。〔SciDev.Net 2009/2/20〕
●欧州事情
●ドイツ閣僚が相次いでGMトウモロコシ禁止支持

 フランス、オーストリアなど欧州の有機農家は、ドイツの農業大臣イルゼ・アイグナーに対して、欧州委員会が栽培を承認しようとしている、モンサント社のBtコーン「MON810」について、反対票を投じるよう求めた。ドイツで開かれたGM作物に反対する「ビオファッハ2009」の開会の辞で、農相が「MON810」を批判したのを受けて求めたもの。
 農相の発言を受け、ドイツ環境大臣ジグマー・ガブリエルも、2月20日、「MON810」禁止を支持した。「MON810」の承認については、ドイツの態度が大きく左右すると見られている。 〔ロイター 2009/2/20など〕
●北米事情
●米国の食品企業がGMテンサイ不使用宣言

 米国では、昨年GMテンサイが作付けされ、裁判が起こされるなど論争になっている。それを受けて、食品企業70社以上が、食の安全を守るためGMテンサイから作られた砂糖を使用しない、と宣言した。〔Food Navigator 2009/2/17〕

●米カソリック団体がクローン・GM食品等の禁止求める

 米国のカソリック団体が、クローン動物やGM食品の禁止と同時に、持続可能な食料生産の促進を求めた。声明を発表したのは、カソリック・ヘルスケア・ウェスト。クローン動物やGM食品は環境を汚染し、食の安全を脅かし、動物を虐待し、倫理的にも問題があるとしている。〔Catholic Healthcare West 2009/2/5〕