■2009年4月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え動物
●GMサケ、市場化に向けた動き本格化

 米国で遺伝子組み換え動物食品を承認する仕組みができたことで、1番乗りを目指してきたカナダのアクア・バウンティ・アフーマーズ社が開発した、成長速度を早めたサケの市場化が現実味を帯びてきた。同社のカナダ・プリンスエドワード島にある施設ではすでに量産されており、米国FDA(食品医薬品局)のスポークスマンも、まもなく承認されるだろう、と述べている。〔Canadian Broadcasting Corporation 2009/2/10〕
●GMOフリー
●ルクセンブルク、3分の2の自治体がGMOフリー宣言

 ルクセンブルクの首都ルクセンブルク市は、国の3分の2を占める自治体とともにGMOフリーを宣言した。同国では2006年夏から、「GMOフリー・ルクセンブルク」がキャンンペーンを始めていた。〔GM-free Ireland 2009/2/18〕
●企業動向
●消費者の8割がGM大豆食品を拒否

 2月24日に発表された農水省が行った意識調査で、8割近くの消費者が、値段が高くても非GM大豆食品を選ぶことがわかった。調査は昨年9月、消費者1500人を対象に行われ、回答率は86.3%。値段が安くてもGM大豆を使った食品は食べたくないとした消費者が、豆腐で78.1%、納豆で77.9%、味噌・醤油で76.0%だった。国産大豆を選ぶと回答した人も6割に達した。〔日本農業新聞 2009/2/25〕
●企業動向
●ラウンドアップの売り上げ下降線に

 モンサント社は2月10日、2009年、GM作物の拡大にともない、除草剤ラウンドアップの売り上げがピークに達するものの、2010年から下降線をたどるだろうと発表した。それによると、ラウンドアップの総利益は、2009年には24〜25億ドルとし、2012年までに19億ドルにまで下がると予測している。 〔ロイター 2009/2/10〕
●カタルへナ議定書
●メキシコでカルタヘナ作業部会開催

 2月23〜27日、メキシコシティでカルタヘナ議定書第27条「責任と修復」にかんする、第1回共同議長フレンズ会合が開催された。「責任と修復」とは、GM作物などがもたらす汚染などの損害発生に対して、責任の所在を明確にし、賠償や修復の仕組みを制度化することである。この議題をめぐっては、昨年ボンで開催されたMOP4(第4回カルタヘナ議定書締約国会議)で日本政府が強く反対し、国際合意を妨げていた。今回も、きびしい規制を求めるノルウェー・途上国と、ゆるい規制を求める日本政府などの対立で、多くの条項が未決定となり、来年マレーシアで開かれる次回会議で議論されることになった。 〔Prensa Latina 2009/2/24ほか〕
●省庁動向
●花粉症緩和米、開発中止へ

 農水省がこれまで6億7000万円もの巨額の開発費を投じて開発を進めてきた、花粉症緩和米が中止されることになりそうだ。すでに昨年度、農水省は予算を凍結しており、パートナーとなる民間企業も現れないため、このままお蔵入りすることが確実になってきた。〔朝日新聞 2009/2/28〕

●体細胞クローン家畜、専門調査会で安全と評価

 体細胞クローン家畜の市場化が近づいた。厚労省が食品安全委員会の新開発商品専門調査会に諮問した、体細胞クローン家畜の食品としての安全性について、作業部会が1月19日、安全と評価する報告書を提出し、これを受けて2月24日同調査会が、さらに3月12日に本委員会が正式に安全と評価した。パブリック・コメントを経て、正式に食品として認められることになる。
 今後は表示が焦点になるが、すでに市場化されている受精卵クローン家畜が任意表示であるため、体細胞クローン家畜食品も任意表示になる可能性が高い。


●GMO承認情報
表5 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
トウモロコシ 除草剤及びアセト乳酸合成酵素阻害剤耐性 デュポン株式会社 DP-0981406, OECD UI: DP-098140-6 2009年3月10日
ダイズ 高オレイン酸含有及び除草剤アセト乳酸合成酵素阻害剤耐性 デュポン株式会社 DP-3054231, OECD UI: DP-305423-1 2009年3月10日
ダイズ 低飽和脂肪酸・高オレイン酸及び除草剤耐性 日本モンサント株式会社 MON87705, OECD UI: MON-87705-66 2009年3月10日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。