Chick Tack 英語5文型  >  ある英語学習者の英文解釈日記  >  カルミデス040

Can the rumor be true?

英文

Very good, I said; and did you not admit, just now, that temperance is noble?
Yes, certainly, he said.
And the temperate are also good?
Yes.
And can that be good which does not make men good?
Certainly not.
And you would infer that temperance is not only noble, but also good?
That is my opinion.

翻訳作業

Very good, I said; and did you not admit, just now, that temperance is noble?

I said は無視する。and より後ろは、just now が途中に挿入されているのでこれも除くと、
Did you not admit that temperance is noble?
という疑問文が浮かび上がる。
「大変結構だ。たった今、君は節制は高貴だと認めなかったかね」

Yes, certainly, he said.

「はい、確かに認めました」

And the temperate are also good?

「そして、節制は善であるとも?」

Yes.

「はい、言いました」

And can that be good which does not make men good?

高校の英文法(Grammar)で、Can the rumor be true?「そのうわさは(はたして)本当だろうか」「そのうわさは本当かしら」という例文を習わなかっただろうか。can には「いったい〜だろうか」という〔強い疑い〕を表現する使い方がある。Can that be good(?) の部分は、まさにこれ。「そんな可能性があるだろうか」と考えると can は理解できる。
which does not make men good は〔関係詞節〕。もちろん〔形容詞節〕なので、修飾される〔名詞〕か〔代名詞〕があるはず。前方を見るに、that しかない。本来は〔先行詞〕である that の直後に〔形容詞節〕は置くべきだが、そうすると、
Can that which does not make men good be good?
と、かえって文意が取りにくくなる。
The day will surely come when my dream will come true.
「私の夢がかなう日がきっと来る」なども、〔先行詞〕と〔関係詞節〕 が離れている例である。
「人を善なるものにしないそれが、はたして善でありうるだろうか」

Certainly not.

「いえ、決して」

And you would infer that temperance is not only noble, but also good?

infer は、しばしば that節 や 間接疑問の節を〔目的語〕とし、「〜であると推察する」。
not only...but (also) は、ここでは言わなくてもいいだろう。
「そして、君は節制は高貴なだけでなく善でもあると推測しているのだろう?」

That is my opinion.

「それが私の意見です」

暫定日本語訳

ソクラテス: よし、いいだろう。たった今、君は認めたね。節制は高貴なものであると。
カルミデス: はい、確かに認めました。
ソクラテス: そして、節制は善なるものであることも。
カルミデス: はい、認めました。
ソクラテス: 人間を良い方向に導かないものが、はたして善と呼べるだろうか。
カルミデス: いいえ、決して呼べません。
ソクラテス: 君は「節制は高貴なものであると同時に善なるものでもある」と思っているんだろ。
カルミデス: ええ、それが私の意見です。

カルミデス039 に戻る    カルミデス041 に進む

「人間を良い方向に導くものが善。悪い方向に導くものが不善」。この考えが、これからのソクラテスの問答の種になりそうだ。
関係ないけれど、
「小人閑居(しょうじんかんきょ)して不善(ふぜん)をなす」(『大学』)。

Chick Tack 英語5文型  >  ある英語学習者の英文解釈日記  >  カルミデス040

© 2005 Chick Tack 20051024