あだち充19.1
――けど、あいつは本物だよ。女でなけりゃ…な。

      ――あだち充「クロス・ゲーム」第二部 第1話(第11回)――
        (「週刊少年サンデー」'05年40号、26頁)

 半分は当たり、半分は外した……といった辺りだろうか?

 続きが気になって、古本屋で「週刊少年サンデー」を探したのだが、何の事は無い。第二部は始まったばかりだった。
 で、先の言葉だが……。
 主人公は“光(コウ)”で良かったようだ(笑)。まだ、中三の秋で野球は始めていないようだが…。

【参考文献(笑):「けっこうくやしかったみたいよ。」「何が?」「青葉に負けたことが。ああ見えてかなりの負けず嫌いなんだから、コウは。」「はん!(中略)」「コウをその辺りの男と一緒にしてると、あとで痛い目にあうぞ。あいつが本気になったら日本一のピッチャーだって夢じゃない。160キロだって出せちゃうかもよ。」(“若葉”談=小五当時)】

 確かに、当時、ダンベルでトレーニングを始めていたが……。(どうしたんでしょうね? (笑)
 「第二部 第1話」は26頁で、少々情報不足だが、第二部は“月島青葉(中二の秋)”をキーパーソンにして物語は進んで行くようだ。第二部の章題は付いていないけれど。(まあ、単行本の時に「第二部 青葉の季節」となるだろうというくらいの予感はあるが。)
 とは言え、表紙を見ても“青葉”は《ヒロイン》の扱いでは無いしぃ…(笑)。(“光”に対して、三姉妹の扱いが同じだもの…。《ヒロイン》なら“光”と同格の筈(笑)。)

で、【参考文献2(笑):「居候よりひとこと」(「週刊少女コミック」1978年掲載)
(C)1978年;あだち充;小学館  30頁程度の読切二本なので、作品的にどうのという物でもないが、四姉妹が出てくるのでそこの処を比べてみる。
 画像も参考に。“長女・洋子(元スケバン)”――長髪でクール、物静かで、芯の強いタイプ(<元スケバン>とあるが、眼鏡をかけているあたりが委員長タイプ? )。“次女・雅子(ヒロイン)”――気の強い処もあるが、基本的に優しく優等生、如何にも《ヒロイン》タイプ。“三女・弘子(柔道二段 空手初段)”――気ままで、チョット目つきのキツイ筋肉バカタイプ(笑)。“末っ子・セツ(べつになし)”――って、おいおい! (まあ、唐沢七変化*(注)の女の子版(笑)=ほら、ツインテールの小学生タイプです。セツは短めポニーテールだけれど。)】
【*(注):「唐沢七変化」とは、あだち充作品に登場する「主にお笑い担当のサブキャラ」の総称である。外見的には一様に太っていて、野球の場合のポジションはキャッチャーが多い。『ナイン』の“唐沢進”(彼だけキャッチャーでは無い)、『タッチ』の“松平孝太郎”、『みゆき』の“中田虎夫”(勿論、野球まんがではないのでキャッチャーでは無い)、『虹色とうがらし』の“胡麻”(勿論、彼もキャッチャーでは無い)、『H2(エイチツー)』の“野田敦”……等々。】

 で、ストーリー的には本稿とあまり関係が無いが、四姉妹のタイプはよく似ている。次女の紹介に「ヒロイン」と書かれてしまうと、二の句が告げないのだが(笑)。更に、三女はチョット目つきのキツイ筋肉バカだしぃ(笑=夜道は気をつけよう…)。
 で、“月島青葉(中二の秋)”だが、やはり《ヒロイン》と言うには……なのだった。
 まあ、可愛い処もあるのだが――
   「お腹すいたァ、何か食わしてくれお姉ちゃん。」帰って来るなりカウンター席に突っ伏す“青葉”。
   「道でコウちゃんとすれ違わなかった?」
   「え? あいつ来てたの?」
   「――うん。今、帰ったとこ。」
   「どこに座ってた?」
   「今、青葉が座ってる席だけど…」
“一葉”のその言葉が終わらない内に、バッと隣の席に飛び移る“月島青葉(中二の秋)”だった。もうッ! “青葉ちゃん”って、おっ茶目ッ! ――中二の秋、バレバレに女のコしている“青葉ちゃん”だった。(この年代(中二の秋)って、好きな相手にこういう態度を取るんだよネ! )

(2005.09.06)
テキスト:「週刊少年サンデー」'05年40号;2005.08.31発行;本体229円


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