disease 6

シュナウザーファン掲載ついて

2006年2月13日発売の「シュナウザーファン」・・
ティキの記事のところもを読んで頂きありがとうございます。
おかけ頂いたお言葉、お気持ちとても嬉しくありがたく思います。

締め切り間近のご依頼という事もあり時間のない状態で頭が真っ白になりながらでした。
確認もさせて頂きましたが、後になって忘れていた事などあれこれ浮かんだり、
一番お伝えしたかった事も抜けている状態で・・
併せてこれまでの事、現在の事、これからの事・・少し綴りたいと思います。



ティキは赤ちゃんの頃から動物病院に通いよく検査をして頂きました。
その為、慣れもあって病院という場所は楽しいらしく恐がりません。

「なぜそんなに病院へ?!」・・と思われるでしょう?!
家族になって翌日に調子が悪かったのもありますが、
実は、前の先住犬が2犬とも心臓が原因で虹の橋に渡り、ティキももしかしてと思いました。
ウッディー(ポメラニアン♂1977生)は2歳11ヶ月のある日、インターホン音で廊下を走ってる時に急に倒れそのまま・・
それまでは元気満々、心臓麻痺でした。

ラム(シーズー♂1979生)は8歳頃から咳(犬の場合はケッ、ケッヘンと喉に詰まった様な感じのもの)をし始め、
わかった病気が老齢には起こりやすい僧房弁閉鎖不全症、ラムの場合は肥満が一因でした。
体重も8kgから6kgに落としましたが、心臓も年齢には勝てません。
症状を少しでも楽に、そして遅らす様にと処方薬を飲み、その後も肺水腫になりながら
咳、失神、呼吸困難などを繰り返し、11歳8ヶ月で虹の橋を渡りました。



「心臓が若干肥大しています」・・

赤ちゃんティキを前にして、獣医さんから聞いた言葉は想像してたとはいえ、やはりショックで・・
「心臓」を頭に置いて少し注意しないと・・そう思いました。

レントゲン、超音波、聴診(雑音)は問題ないのに、
どうしてか心電図の解析結果のところに「軽い心肥大」文字が・・
「普通は検査していないからわからないだけであって、ワンちゃんの半分くらいはなんらかの異常を持って生まれてきます・・」
その獣医さんの言葉は心強いものであり、念の為に6ヶ月毎に心電図検査を受ける様にとアドバイスがありました。

それからも目、皮膚など少しでも気になる事があればすぐに出かけ、
病気のサインには気配りをしながら過ごしていました。
同じ過ちを繰り返すまい・・!!

心臓麻痺になったウッディーは目に涙をよく溜めてましたが、目薬をもらう程度で
まさかこれが病気のサインだとはその頃知る由もありませんでした。
また、ラムみたく肥満にならない様にと人間のものはあげず、ジャーキー類も厳禁とし、
給餌量も8〜9割くらい、早めにライト食に切り替えました。

それなのに・・
あれほど肥満には注意していたティキが、まさか高脂血症になるなんて・・
どうして?!・・獣医書を読むまでは信じがたいものでした。
ミニシュナの遺伝、生まれ持った体質は変えられないので仕方ありません。

他にもいろいろな事がありましたが、「
disease7」に1993年からこれまでの病気の発見と経過を記したいと思います。



さて本題、忘れていた事ですが・・

一番気にかかるのは、食事のところです。
フードプロセッサーにかける材料はきゅうり以外、胃腸に優しくする為に全てゆがいています。
ごはんに混ぜて与えている健康食品には他に、
関節用サプリ2種類(濃縮サメ軟骨粉末・グルコサミン・コラーゲンなどの1種類と、貝の1種)や
2005年からは抗酸化サプリ1種も追加で与えています。

その当時は明日のこの時間にはどうなってるだろう?!
処方食が1日に5gを3回でも食後すぐ発作になっていた頃には、想像も出来ないほどひもじく苦しい日々でした。
少しでも満腹感を得てその場しのぎになる様にとあげていたもの・・
消化吸収されないので、栄養にもカロリーにもならないもの・・
それは「こんにゃく」、中でも気分が少しでも明るくなる「玉こんにゃく」!!
これをゆがいて小さく切ってあげていました。
免疫を上げるグルカンに加え、この玉こんにゃくの存在があったから、
かぼちゃで発見した食材をg単位で1つずつ食材を増やし、
数ヶ月かかりようやく発作なしのティキのごはんを見つけるまでに至ったと思います。

その頃使っていた処方食の1つ、マクトンオイル(今では有名になった中鎖脂肪酸オイル)を舐め、
口に付いたオイルをじゅうたんにこすり付けて30分舐め続けていました。
食欲があるのに食べられない、こんなにみじめなものはありません。
(舐め続けはそれからもずっと続き、現在は元気のバロメーターとなってます・・)


それまでは明日生きてくれてたらいい、明後日、あと1週間生きてくれたらどんなにすごい事だろう・・などと考え
発作が出ない様に、また出たら元の木阿弥なので、
理想は1日20〜30品目ですが、発作が落ち着いてからは恐ろしくて材料も追加出来ずじまいでした。
栄養不足が様々な病気を招く為、血液検査は欠かせません。
ティキの場合は幸いにも基準値内の為、このまま続けています。
それにしても、以前は目の仇にされてた手作り食・・この手作り食さまさま、ティキは命を繋ぎました。
これらの事に関しては個体差がありますので、くれぐれもご注意ください。


また、病気に関しての情報も藁をもすがる状態で情報収集しましたが、
20軒の病院病院や動物園、栄養大学でも獣医書以外の納得出来る情報は皆無でした。
ここだから書ける事をほんの少しだけ紹介します・・
このうち半数以上には「わからない、知らない」と断られ、4軒くらいには聞きたくもない言葉を浴びせかけられました・・
「数少ないミニシュナの特有の病気を調べる時間はない!!」
それに加えて「そんな時間があるのなら、みんながかかる病気を研究して手術した方がよっぽどいい」
「獣医になるのにどれだけお金を使ったと思ってるのか」などと2軒で言われた事も・・
もう目の前が真っ暗でした。
ここまで来ると執念です、ティキが死んでしまうと自分も死ぬんだと気持ちを極限に奮い立たせて前向きに挑みました。


毎日10時間以上、何ヶ月もパソコンに向かっていました。
今ではヒットする事もたくさんありますが、その頃はヒットするのは1行だけでしたから毎日様々な角度から必死に調べました。
日本はもちろん、関連項目ではアメリカやドイツにも問い合わせして頂いた事もありました。
そんな中、ネット相談の獣医さんが時間をかけて調べてくださり、ようやく獣医書以外の情報を得る事が出来ました。
「ミニシュナは大型犬並みの散歩が必要」であると・・
その後、ティキが手作り食で少しずつ落ち着いてきた頃には
「アメリカにはごはんとカッテージチーズで生きている(いた?)シュナがいる(いた?)らしい」という事もわかり
心から感謝しました。
同じ手作り食であるという事に希望の光が見えました。


・・余談が多くなってしまいました・・

あと、細かい事ですがティキのこの病気が見つかったのは「1975年」です、失礼しました。



もうひとつ、お伝えしたかった事は・・

原因不明とか同じ症状で苦しんでいるお友達に、なんらかのヒントになればと心から望んでいます。
それに今、これからシニアになる無症状で過ごしているお友達の頭の片隅に入れて頂けたら・・
安楽死宣言から4年以上たった今でも、この病気の事をご存じない獣医さんがたくさんおられるのも事実です。
そうなればこの病気を見つけてもらえるかどうかも心配ですし、
もしわかったとしても獣医書以外ではわからず、どうお付き合いしたらいいかもわからないと思います。
きっとたくさんのシュナちゃんが今までも誤診されて苦しんだり犠牲になってると思います。
現にティキと同じ症状で安楽死宣言されたり、同じ病気で餓死したり、誤診らしきもので亡くなったり、
白内障と間違えられて失明したり、原因がわからず検査にお金がかかり過ぎて通院を止めたり・・

もしかして・・?!
昔に聞いた「ミニシュナは10年生きたらいいほう・・」という言葉、なんらかの関係があるかもしれません。
ティキにしても、発作の原因がもっと早くわかればこんな酷い症状までにはならず
安楽死と餓死が紙一重、こんな極限の苦しみをしなかっただろうと思います。
獣医さんではないので体験した事をお話させて頂くくらいですが、以前からメールもたくさん頂いていました。
獣医さんから頂いた事もありました。

また今回この様に本に掲載される事によって、
ネットをされていなく苦しんでるお友達の目に触れる機会がものすごく増えると思います。
悩まれているお友達に希望を、そして前向きに頑張って欲しい・・そう願っています。

HPを立ち上げるに際も、自分のコが病気だと公表する事は確かに引っかかり悩みました。
生死の狭間で闘ってる時には特に、この病気の事を書くのは本当に辛い事でしたが、
あの時のティキと私と同じ様に今も絶望の中でもがき苦しんでるお友達がいるはず・・
そのお友達のヒントになれば・・そう思いながら書きました。
このHPを作った事により助かってもらえたお友達がいる事、心から嬉しく思います。
今回の掲載も、その時と全く同じ気持ちでお受けさせて頂きました。


本の中の病気のページ最後の枠内に「原発性高カイロミクロン血症」の事も書かれています。
この病気もティキの病気と同じ種類で、症状も殆ど同じです。
まだまだ研究は進んでいません。
「disease」では2001年10月からティキの病気や高カイロミクロン(キロミクロン)血症etcと
「診断」されたお友達を探していますが、なかなか厳しいのが現実です。
ちなみに「カイロミクロン」はティキの病気の一歩手前のもの、それが原因で発症する病気です。

今回はダブルで登場しているのでお友達の目に留まればと、心からそう望みます。



NYテロ前日から入院のティキですが・・

それまでは発作も落ち着き、悪戯三昧で元気爆発のティキ、
そんな恐ろしい時間が近付いているとは全く想像も及びませんでした。

突然、発作が3日間に渡り、時間を置きながらどんどん襲ってきました。
入院時には岐路があり、獣医さんが考えられている反対の方法を無理にお願いしました。
そうです、ウッディーとラムの「心臓」がどうしても気になったから!!
もし勧められた「麻酔で3日間眠らせる方法」を選んでいたらどうなっていた事か恐ろしいです。
獣医さんはこのティキの病気ではなく、頭が原因の発作だとも考えられていました。

お願いしたもうひとつの方法で面会謝絶の日々が続く中、安楽死のお話が出て・・
このまま治らずティキが苦しんで大変な思いをするのならと、引き裂かれる思いでした。
電話を切ってからは注射直前にあげる大好物の食べ物、
お墓に入れる食べ物や好きなグッズを用意して、お墓の穴も実家に掘ってもらう様に電話して・・
用意が終わって写真のティキと喋ってると、ティキの写真から大粒の涙が・・
「生きたい!!」・・ティキはそう訴えてる!!
発作と絶食続きで辛い入院生活の中、必死で信号を送ってくれていました。

その後も実は・・
この病気で知りたい事があった為にようやく予約した有名病院、その度に前日になると
なぜか激しい発作となり結局3回共キャンセル・・
後でわかった事は、同じ病名のシュナが同じ時期に通院し、最終的に餓死した事・・
ティキは何かを察知していたのかもしれません・・

偶然が偶然を呼んだのか、ティキがサインを出したのか、この短い間に不思議な事により命拾いしたティキ・・
どれかがひとつでも狂っていたら、今日という日はきっと来なかった事でしょう。



大切な事は・・

退院して3ヶ月、手作り食開始で少しずつ発作が落ち着いてきている最中、
追い討ちをかける様な出来事が・・
中性脂肪99%というティキのてんかん様発作の原因そのものになるものや
てんかん様発作に「注意」ではなく「禁忌」とされる薬を処方されていた事は残念でなりません。

なぜか発作が襲いかかる為いろいろ調べはじめた結果、それらにようやく辿り着きました。
1つは製薬会社に問い合わせしましたが日本ではわかず、アメリカから分析結果を入手して判明しました。
もう1つは詳しい使用説明書に「禁忌」と書かれてる事をネット内で教えて頂き知りました。

1軒目の病院で発作を誘発するサプリを出されていたのに続き、2軒目でもこの様なことが!!
息を呑む信じられない言葉で開き直られ、別件でその後も驚愕の内容を聞かされた事、頭から消えません。

私から言えるのは、ちまたで聞く「評判のよい病院」にはいろいろあるという事・・
「料金が安くて」、「愛想がよくて」、「診立てがよくて」の3種類ほどあると思います。
「料金が高い」、「愛想が悪い」はすぐにはわかると思いますが、他はすぐにはわかりません。
ずっと信頼していた私、毎週や時には毎日の様に通い、最終的に「愛想がよくて」と気付くのに6ヶ月かかりました。
100%お任せせずに自分なりに調べる事も大切な事だと思います。


現在の獣医さんは、ティキの病気に関してはやはりはじめての事で、
症状が出ていないという事で私に一任され、お願いした検査などをしてくださいます。
その他でも専門的分野となり判断が出来ない時は、専門医の獣医さんに託されます。
ご自分の診立てももちろんされますが、知ったフリをしない・・これは素人ながら本当に感謝しました。

「大切な家族」も、「患犬の1匹」にならない様に・・時にはセカンド&サードオピニオンも必要です。
お友達の信頼されている獣医さんが「熱心で誠意ある診立てのよい獣医さん」であります様にと願っています。


現在・・

あの頃は辛い発作直後や退院直後には自分自身の意思というものはなく
この病気が、頭がそうさせるんだとはわかりながらも、私の事もわからず
凶暴になったり無関心になったりするティキを見るのはすごく辛く苦しい日々でした。
時間が経つと食欲旺盛ながらも食べられないティキに戻りますが、それも不憫でたまりませんでした。

ようやく徐々に食事も食べられる様になり、生気も戻り、体力も回復して発作もなくなってきて・・
以前のティキと同じく、意志を持って毎日を思いっきり身体全体で表現してくれるという事に心底喜びました。

瘠せてはしまいましたが、いろいろ工夫しながらでも元気に毎日を平穏に過ごしてくれてるという事が本当に夢の様です。

知らない人からお散歩中に「元気ですね、何歳ですか?!」などと声を掛けられた時・・
心の中で幸せを噛みしめる一瞬です。



これから・・

てんかん様発作は今のところ抑えられていますが、体質的にこの病気が治ったわけではなく
症状が出ない様にこれからも上手くお付き合いをしないといけません。
発作の回数の多さから脳にはもうかなりの傷が付いてると考えられます。
今までの経験から、発作直前のなんでもない様に見えるわずかな変化もすぐにわかります。
それを何度か続けると発作がやって来る事がある為、音などストレスには極力気を付けいろいろ工夫しています。
また他の症状の1つ、時々起こる軽い急性膵炎から慢性気味になる事、これも注意を欠かせません。
急性膵炎の嘔吐&下痢になると絶食&点滴となり、発作閾値も下がってきます。
経験はしていませんが糖尿病も気にかかります。
おやつが果物のみのティキは果糖にも注意を払っています。

他にも老齢になりいろいろありますが、
この病気の症状と密接に関係してしまうであろう変形性関節症&椎間板ヘルニア・・
腰や背中、それに首辺りにある為、酷くなったら両足麻痺だけではなく、両手両足麻痺も考えられると前々から言われています。
もちろん気を付けるところは全て気を付けて・・段差や階段は抱っこ、
お散歩は以前より短め、またサイン(おしっぽが下がり、内股で小走り)が出たらすぐに抱っこ、
滑らない様に夏もカーペット、暑い時期も冷やさない様にして、
トリミングもかなりの無理がかかるので前日に膝の上で寝かせてシャンプーしてから翌日に介助しながらトリマーさんのカット!!
骨がかなり出てるのでさすがに自分では難しくて出来ません・・
伏せも辛そうになってきたので胸の下にクッション、冷やさない様に心がけ、マッサージも少し・・

後ろ足に加えて、ここ最近前足も滑ったりブルブル震えたり滑ったり、滅多にありませんが横に滑り転びます。
部屋の中でもトイレなど少しでも段差のあるところは苦手になってきたみたいなので注意しながら見守っています。
痛みが出た場合のお薬は2004年12月末、一度の服用で薬物中毒になってしまい絶食&栄養点滴で1週間・・
肝臓を直接治すお薬はないので、自然治癒力にかけますが急激に値が下がってからは
徐々に修復されるみたく、元に戻るまで1ヶ月ほどかかりました。
その1年前までかなり服用していたというのに、今は残念ながらサプリ以外には頼れるものがありません。

後ろ足歩行介助グッズはもしもの時に備えてあるものの、
両手両足麻痺になってしまうと運動量は0に等しくなり、考えるだけで恐怖です。
ティキのお散歩友達も両手両足麻痺でお散歩公園では日向ぼっこしながら、う○ちは絞ってもらっていたので知っています。
もし歩けなくなると、運動量でも抑えられている発作が出る可能性が大となり、
今でも本当は増やしたい食事量をまた減らさなければならなくなる・・
これが今、一番恐ろしいところです。

あとは、2年ほど前から成長中の胸の脂肪腫・・
触れると大きくなるらしいので、ハーネスも当たらないものにしていますが大きくなってきました。
ただ、もっと大きくなったら気管や食道を圧迫して・・
両手両足麻痺に万が一なってしまったら、胴体介助グッズは胸に当たる事、必至です。
手術は出来ないので小さくなる様にと願っています。


これから先、どんな事が待ち受けているのか・・?!
何があっても最後まで諦めず、ティキと前向きに歩いていきたい・・
その時には出来る限りの事をしたい・・
1日1日の時間を大切にして、温かく過ごしたい・・そう考えています。

もちろん、私達より先にいつかその日はやって来ます。
二人三脚で歩んできた分、先住犬の時以上の深い悲しみ、途轍もない悲しみ、
この病気以降全てを捨てて隣にいた分、想像出来るものではありません。
お守り、そして心の支えにと「犬の国ピタワン」さんの世界、それに去年、ティキには内緒で2冊のペットロス本を密かに用意しました。
1日でもその日が遠いものであります様にと心から願いを込めて・・


〜この平穏で楽しい日々が1日でも長く、そして遠くに続いています様に〜


お友達のみなさん、これからもどうぞよろしくお願いします。


〜2006.02.27記〜


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