第三章・漆黒の切り裂き魔


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第三章・漆黒の切り裂き魔


 階段を上がろうとした時、突然地下に通じるドアが開き、そこから大量のゾンビが進入してきた。

「クソッたれ!」

そう言うと、二人は同時にライフルを発射した。ゾンビは狭い通路ということもあり一列に並んだ状態のまま弾の洗礼をうけ、あっいう間に倒された。

「ふぅ、やったか?」
「そのようだ」

二人は階段を駆け上がり、上にいたゾンビもライフルで次々と倒していった。

「さて、ではとりあえず商店街を目指すか」
「そうするか」

その時、アディスの携帯が鳴った。

「もしもし?え・・・ネイシー!今どこに?・・・うん・・・うん分かった。ジャックと迎えに行くから、それまで隠れてて。・・・安心して、すぐ行くから」

そこで電話を切った。

「ネイシーか!今どこに!」
「大学の演劇部の部室に隠れているそうだ。」
「行こう!いますぐに!」
「もちろんだ」

二人は大学に向けて走り出した。
しかし、大学へ向かう途中で二人は奇妙な光景を目にした。そこには大量のゾンビの死体が転がっており、そのすべてが鋭利な刃物によって切り刻まれていた。

「誰の仕業だろう?」

「わからん」

その時、右側の家のドアが吹き飛び、中から全身を黒い戦闘服に身を包み、顔はガスマスクで覆われており、その両手にはグルカナイフが握られていた。

「どうやらあいつの仕業のようだ。」
「そうらしいな」

そいつは二人を見つけると、いきなり襲い掛かってきた。

「くそ!敵か!」

ジャックはM4をそいつに向けて撃ったが、信じられないことにそいつはすべての弾丸をグルカナイフで叩き落し、そのままジャックに切りかかった。

「マジかよ!」

間一発で横に転がって攻撃を避けたが、その代わりに後ろにあった電柱が見事に二分された。

「どういう切れ味してんだよ!」

再びジャックに切りかかろうとしたのでアディスがP90で攻撃して時間を稼ぎ、その隙にジャックはアディスに駆け寄っていった。

「あれだけ撃てばって・・・マジ?」

そこにはジャックの時と同様に弾丸をすべて叩き落し、無傷のままそいつは立っていた。


「どうやら銃は効かないらしい。」

そういうと、アディスは腰の蛍雪を抜き放ちリュックなどの余分な荷物をすべて降ろした。

「まさか・・・それで?」
「そのまさかだ」
「無茶だ!」
「やってみなきゃわからん。」

アディスは柄に手をかざした。
しばし無言のまま睨み合った後、二人は同時に動いた。
そいつはナイフをアディスの頭に向けて突き出したが、アディスは頭を右にそらしながら腰を落としてそれを避けると、目にも留まらぬ速さで抜刀した。

「ヴシャーーーー!」

奴は右肘から下の部分を切り落とされ、苦痛の声を上げた。

「ぐ・・・」

しかし、アディスも頭にこそ当たらなかったものの、狙いのそれたナイフが左肩に当たり傷を負い、片ひざを着いた。
それを見て、黒ずくめのやつが再び切りかかろうとした。

「させるかー!」

ジャックはすかさずM4を撃ったが、そいつは軽々とその攻撃を受け流すと、大きくジャンプして家の屋根に飛び乗りそのままジャンプを繰り返しながら家の屋根を伝って闇夜に消えていった。

「アディス大丈夫か!」
「ああ、なんとかな」

そういうとリュックから包帯を取りだし、傷口に巻いていく。

「しかし、なんだったんだあいつは?」
「わからん。しかし、人間じゃないのは確かだ。」
「あんな人間いてたまるか。しかし、すごい技だったな。一瞬手が消えたように見えたぞ」
「居合い抜きと言う技なんだ」
「どこで覚えたんだそんな技」
「図書館で見てた本にたまたま載っててな。見よう見まねでやってたらいつのまにか習得してた」
「すごいなそれ・・・」
「それはともかく急ごう。ネイシーが待ってる。」
「そうだったな。行こう!」

二人は再び走り出した。






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