BIOHAZARD
TemptFate

第十四章 判明!地獄への入り口!



後日、クリス達はICPOに証拠を提出、アンブレラは一斉摘発を受けることになり、それが原因で株価が暴落し事実上の倒産を迎えた。
しかし、アンブレラの主要幹部や研究員たちは事前にどこかに脱出したらしく所在が掴めなくなってしまった。

が、逃亡先は見当がついている。

ナカムラの言っていたオーストラリアにある通称「ヘルズゲート」と呼ばれているところである。
家宅捜索の結果、ほぼすべての秘密研究所を探し当てたがオーストラリアにあるはずの研究所の位置が把握できなかったためだ。
おそらく、余りに危険な研究をしていると見えてコンピューターに場所を残さなかったのであろう。
捕まえた人間のなかにも知っているものはおらず、捜査は困難を極めていた。
連日の捜査も成果が上がらずにいら立ちばかりがつのっていたある日、ヘルズゲートの居場所は意外なところから判明することになる。

それはとある病室での会話から判明したことである。
十二時間前のミーシア総合病院の一室で、何とか一命を取り留めたビリーと付添のレベッカ、それにクリスとバリーが会話をしていた。

「しかし危なかったな」
「全くだ・・・」

クリスのぼやきにバリーが同意した。

あの後、メンバーは負傷者を治療し、負傷の少ないメンバーはせっかく降ろした武器を再びコンテナに積みなおすと、トラックでこの総合病院まで移動し本格的な治療を受けていたのである。
ビリーは大量出血とショック症状で生死の境を彷徨っていたが、レベッカの応急処置と手術により一命を取り留め、意識がつい先ほど戻ったのである。
それを受け、事情聴取という名の見舞いにレベッカ、クリス、バリーが病室に集合したわけだ。

「なにからなにまですまないな・・・早速何だが俺はどうなるんだ?」

ビリーは今一番気になっていることを聞いた。

「大丈夫、あなたが知っていることをすべて話してくれれば今までの罪は帳消しにしてもらえることになっているわ」

そう言ったのはビリーのすぐそばでリンゴの皮をむいていたレベッカだ。

「え・・・だが俺は・・・」

ビリーが気にしているのは自身が逃亡者として逃げ回ることになった虐殺事件のことだ。

「それに関しては大丈夫よ。私の仲間にジャックってやついたでしょ?」
「ああ・・・」
「彼にやさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしくお願いして当時の事件を調べてもらって、そこで判明した当時の関係者の方々からこれまた“丁寧かつ親切に”真相を教えてもらったから大丈夫よ。それを受けた軍上層部と警察上層部が特例として罪の帳消しを承認したわけ」

レベッカはやたら「丁寧」と「親切」の部分を強調していった。

ちなみに当のジャックはというと、レベッカのやさしいお願い(?)による超超過重労働がたたってここ一週間寝たきりになっている。

ちなみにジャックが目覚めたのはさらに二日たってからだったという。
ビリーはレベッカの後ろに妖しくただよう黒いオーラが見えた気がしたがあえてスルーした。

「そ・そうか・・・それなら安心(?)だ」

ビリーの顔はほかのメンバー同様引きつっていた。
咳払いを一つして気持ちを落ち着けるとビリーは質問を待った。

「ではまず・・・」

その後レベッカやクリスからいくつかの質問に詳しく答えて行き、一時間程して最後の質問に移った。

「最後に・・・オーストラリアにある通称ヘルズゲートって呼ばれてる研究所について何か知らない?」
「知ってるぞ」
「やっぱ知らない・・・へ?」

三人はびっくりしていた。
だって今まで超過労働していても見つからなかった情報があっさり見つかったから当たり前である。

「何で知ってるの?」
「だってそこが俺の職場だったからな」

さらっと言いやがった・・・

「・・・そんな」
「今までの苦労が・・・」

クリスとバリーは黒いオーラを出しながら落ち込んでいた。

ビリーはなぜか罪悪感にさいなまれていた。

その後、ビリーから研究所の出来る限りの情報を聞き出し、最後に研究所の正確な位置を聞き出すことになった。

「場所はどこにあるんだ?」
「超がつくほど有名観光スポットだ」
「・・・ま・まさか・・・」
「そう、世界最大の自然岩として有名なエアーズロックの中だ」
『ええええーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!』

今回の事件で一番の衝撃情報だった。
クリス達はすぐさまこの情報をオーストラリア政府に伝えた。
すると驚くべきことに、エアーズロックの管理を行っている会社は表向きは普通の会社だが、調べてみるとアンブレラの系列会社であった。
ただ、株式自体はアンブレラとは別で発行していたためにアンブレラの株が暴落しても問題なく営業していた。
さらに、衛星写真や現地調査によってエアーズロックの内部に何かしらの建物があることが判明していった。

「こんな簡単に判明していいのか?」

あまりにあっさりと本拠地が判明してしまい拍子抜けしてしまうメンバー。
しかし、ここで一つ疑問が残る。
なぜこんな貴重な情報を知っているビリーを始末しに来なかったかである。
あれだけ研究所の存在を隠そうとしたアンブレラがこんなミスを犯すはずがないのである。ビリーの入院中は厳重に病院を警備していたが、なにかしらのアクションが起きる気配はなかった。

いったいなぜ・・・

クリスの中に疑問が浮かぶが答えは浮かんでこなかった。
しかし、今回の情報でアンブレラを潰すための情報は揃ったのは確かである。
今度こそ・・・今度こそ潰してやる!
クリス達の目的が達成される日は近い。
そしてついにその時が来た。
アンブレラ及び生物兵器殲滅作戦「メテオストライク」が発動され、戦いは遂に終盤戦へとさしかかる。

この先にあるのは希望か絶望か・・・






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