●ブラインド・フューリー7『《強い男》は泣く事を恐れない』  


その夜、焚き火を前に涙を流すビリー。ニックは優しく頭や頬を撫でてやる。

『それでいい…《強い男》は泣く事を恐れない』
『俺は涙が出るところが壊れてしまった…涙は出ないんだ…』


ビリーの頬を流れる《涙》に気付きニックは優しく温かく言う。
ニックの人間的な優しさ強さに気付き、やがてビリーも心を開くのであった。


ようやくフランクの家へと辿り着くニックとビリー。
しかし、待っていたのはマフィアの2人組だった!(この2人がマヌケで面白い)

2人組に拉致されてしまったニック達であったが、嫌々ながら拉致を手伝ってしまっていた女性《アニー》の助けもあり、無事その場を脱出する。
アニーはマフィア内での(フランクの)唯一の理解者であり、恋人でもあった。

ビリーをアニーの友人宅へ預け、単身フランクを助けに行くニック。
出発前、ニックはアニーから事の真相を聞かされていた。
マフィアが経営するカジノでフランクが捕らわれていること、そこで借金の形に《麻薬の精製作業》をしていることを…
マフィアはフランクの有機化学の知識を利用し《麻薬精製作業》をやらせていたのだ。インチキカジノで膨らんでしまった借金の為に、フランクは断ることが出来なかった。
《ビリー誘拐》の計画は、なお作業を渋るフランクの心を掴む為だったのだ。
   

●ブラインド・フューリー8『戦友』


無事にフランクを救出し、ビリーのもとへと急ぐ2人。
だがスデにそこにはビリーの姿は無く、アニーともどもマフィアの本拠地である山荘(ウインターヘブン)へと誘拐されていたのだった。

電話でフランクを呼び出すマフィアのボス。
彼は精製された《麻薬》をフランクが持ち出している事を知っているのだ。
《麻薬》を他の組織に売り込み、それによる莫大な利益を得ようとしていた。
従って、彼にはフランクの手にある《麻薬》がどうしても欲しかったのだ。


翌朝、山荘へと向かうゴンドラの中でフランクが重い口を開く。
『…あの時は…君を助けようとしたが…俺は(怖くて)出来なかった……』

彼は自分の行為を恥じ、ずっと悩んでいたのだった。

しかしニックは言う。
『あれ以来、失ったものもあった…けど俺は君にこう言いたかったんだ』
『《許すよ、安心しろ》とね?それは君だけでなく俺のためでもあったんだ』
と…

わだかまりが解け、安堵の表情を浮かべる2人。
20年の時を経て、再び2人は《戦友》となれたのであった。