OUP KCT 2005 in Niigata REPORT

Carolyn Graham さんは、Jazz Chants の作り方を丁寧に教えてくださいました。

まずは "Vocabulary Chants" から。
単語の音節の数とストレスの位置を頭に入れておきます。
基本は4拍×4で16拍。 2音節−3音節−1音節 の順に並べてみます。
例: ruler eraser chair *(clap)
   ruler eraser chair *(clap)
   ruler eraser ruler eraser
   ruler eraser chair *(clap)

色の単語の音節を考えてみます。1音節 red, pink, black など。 2音節 yellow, purple など。
3音節 violet などになります。単語と単語を組み合わせる場合も音節を考えます。
例: purple ruler pink eraser yellow chair yellow chair
   purple ruler pink eraser yellow chair yellow chair
   purple ruler pink eraser purple ruler pink eraser
   purple ruler pink eraser yellow chair yellow chair

英語版”せっせっせー” "Pat-a-Cake" で、上記のチャンツをしました。
ペアになって向かい合います。手の動きは、
(腿を2回叩いて clap2回 右手同士をパチッ clap1回 左手同士をパチッ clap1回)×4回。
リズムよくできると楽しいです。


基本パターンとなる、核となる単語の並び方は
2音節−3音節−1音節−*
2音節−3音節−1音節−*
2音節−3音節
2音節−3音節
2音節−3音節−1音節−*

sports の例: baseball - basketball - golf
これから文にしてみると
He plays baseball. - She plays basketball. - They play golf.
これを疑問文にしてみると
Does he play baseball? - Does she play basketball? - Do they play golf?
などなど、自分でいろいろやってみるといいそうです。

"Dolphin Readers"の中のPicture Dictionary の単語から作り方の一例として
kitten - elephant - fish をピックアップ。 形容詞をつけてみると、
big kitten - great big elephant - little tiny fish などのようにできるとのこと。
また、rhyming wordsも考えてみるといいそうです。
dinousaur - elephant - tree を
次は tree を key にしたり、cat と hat で韻を踏んだりとできるとのことでした。
  

にゃんこ先生(Setsuko Toyamaさん)は、"Momotaro Chant"を♪Georgia On My Mind の曲にのせて
聞かせてくださいました。心地よ〜いです。

さて、Act out。ボランティアを募って、配役。役のカードは”洗濯挟み”で服に留めます。
"Action!"ぶっつけ本番ですが、そこはみなさんご自分の役を楽しそうに演じます。
桃さん、きびだんごさんはセリフはありませんが、重要な役です。
カードに割り箸をつけてペープサートとして用いてやってもいいとのことでした。


新潟会場では、特別編で、敬和学園生と節子先生による「浦島太郎」も紹介されました。
"Urashima Taro Chant" はこちら

Craig Wright さんの sight words のお話は興味深かったです。
読み物の中の50-75%を占める sight words を認識できれば、読みにつなげられるとのこと。
sight words それぞれがブロック(レンガ)であって、積み上げて壁を作って家ができるように
基本的な単語(I the is it you has go are などなど)の学習は大切とのこと。
ぴろこさんが、Sight Words表を持っていって、お聞きしたところ、「同じのを持っているよ!」と
見せていただいたそうです。ただ古いので、自分の生徒に合わせて少し改良しつつ
(shallなどは、もう使われない・・・と、おっしゃっていたそうです)作る必要があるそうです。

アクティビティの1つとして紹介してくださったのが、sight wordsのお家。
500mlの紙パックを、三角屋根のお家のようにして、上のほうに入り口、下のほうに出口を作って
この中に単語カードをたくさん入れておきます。
アイスの透明キャップなどを利用して、透明なドーム形の中にダイスを1個入れて、下の部分を
厚紙であてて、張り合わせ、ダイスドームを用意します。(ダイスドームでなくても、ダイス1個
あればいいのですが、ドームの中に入っていることによって、ダイスが転がっていってしまったり
せず、静かにできるとのことです)
進め方は、順番にダイスをふります。(人数の多いクラスは、グループに分けてグループごとに
sight wardsのお家とダイスを配っておく)
例えば3が出たら、下の出口からカードをひいて、読めたらまたひいてを繰り返して3枚まで集め
られます。でも読めなかったら、そのカードを上の入り口から返して、その段階で次の人の番に
なります。Craigさんは、カードの出し入れの時に、効果音を口から出していました。すっごく惹きつけ
られる音ですが、どうやったら出るのか、不思議です。

3月2日、にゃんこ先生が、Tea Roomへ書き込んでくださいました。
クレイグさんは、ほんとうに子どもを教えるのが好きで「僕はこの仕事を何とも替えられない。台湾で
最初の頃教えた子どもが大人になって結婚しているんですよ。素晴らしい。」と言ってました。
雪を見て Oh, cool! と喜んでいるのは、彼自身子どもみたいです。

クレイグさんの houses of cards は、sight words をまず最初に教えてしまって reading のハードルを
低くするというアプローチで、これ自体は新しくありません。でも、kinesthetic learners のために、
飲み物カートンでお家を作って、カードを入れたり出したりの manipulation/handling をさせて夢中に
させるという点が、クレイグさんならではのアイディアです。プリゼンを実際に見られた方はわくわく
されたと思いますが、彼が自分の声で作る効果音は、先生たちに「自分もやってみたい!」と思わせる
力になっています。「僕の sound effects があんまり受けるのでびっくり」と言ってましたが、ほんとに
素晴らしい力です。 (練習すればできる、と言ってましたけど、口を尖らせないで口笛を吹くなんて
私はできない。だから私は kazoo!)

今回の彼のプリゼンで優れていた点は、1冊のリーダー(執筆&編集)の中の単語をリストにして、
その単語を意味のある組み合わせにして読ませるというステップを紹介したことです。
パワーポイントも効果的に使っていました。日本に来る前に、何度も私とメールのやりとりをして、
「日本ではパワーポイントのプリゼンは受け入れられるか?」など細かく質問がきていました。
すべて準備ですね。

sight words の導入には、houses of words だけでなく、色々な方法があると思います。
一番大切なのは、先生が sight words を意識して扱うことです。


私も作ってみました。小さいカートンは無くても1リットルパックはたくさんあるので、高さを縮めて、
クレイグさんみたいに三角屋根っぽくは出来ませんが、簡単に半円の取っ手風にして、入り口・出口を
つけて、表面は雑誌の表紙などで貼って出来上がりました。単語は Sight Words表を見ながら、
生徒に合った単語を選んで、作った箱に入る大きさのカードにしました。

Cop & Robber ゲーム:ペアになって片方はオートバイに乗って町の見回り。もう片方は警察署で待機
していて、居眠りをする(目をつぶる)。 Robber役の先生(怪傑ゾロみたいなマスクで登場)が車の
ナンバープレート(外国は文字のプレートありますよね)
をいろいろなやり方でさっと見せます。
逆さまだったりすると、エーそんなのあり!?ですけど、見せ方も練習が必要です。
パトロールしている警官が警察署に連絡を入れる。聞いた人はメモする。
次はパトロールを交代する。状況設定が楽しかったです。
出てきたのは、[play for me] [where are you?] [she said jump] [we are all two] だったかな?


"Dolphin Readers"を使っての絵本の読み方。
Story time is FUN time!! ストーリータイムは楽しい時間なので、小物や歌を使って、気分を切り替える
といいとのことです。クレイグさんはメガネをかけて帽子をかぶりました。歌は”ハオホー”
Hi-Ho Hi-Ho.
It's story time let's go.
Let's open a book, and take a look.
Hi-Ho Hi-Ho Hi-Ho Hi-Ho HI-HO!

絵本は"Silly Squirrel"
読み聞かせは、1回で終わらせないで7ページの本を、1回目は表紙からじっくりじっくり入って、
絵から色んな情報をひきだして4ページまで。
クレイグさんは1ページごとに1人で絵本を見て、おもしろそうにしています。
早く見たい子どもたちは"We want to see!"と催促するのだそうです。
2回目は4ページまでは普通に。そこから最後まではじっくり。3回目は普通に。
読み聞かせが終わってから、子どもたちに絵本を渡すそうです。

絵本を子どもたちが読む時、集中できるように text zoomer なるものを使うそうです。
両手を使うことで集中してもらえるとのこと。
1つの単語ずつzoomerを動かしながら読みます。
次の段階は、平たい棒 zoner (色を塗ったアイスキャンデーの棒だとか)を1行ずつあてて読みます。
次は、pointer (これも棒?)で、単語を1つずつ指しながら読みます。
このように step by step で読み指導をするようです。

zoomer, zoner, pointer につきましては、りっちがえるさんがTea Roomに書き込んでくださったので、
私も良く分かることができました。

絵本の中のアクティビティのページ、子どもによってかかる時間が違うので、みんなと合わせる
ためにも zoomer は有効とのことです。1つ1つに集中させながら全員で進むのだそうです。

また、中を大きめに切り抜いた picture zoomer で、絵本に描かれている絵を探してもらうことも
できるとのこと。zoomer を作る時、穴のサイズは決めて開けておいて、周りの絵は子どもたちに
好きなものを描いて色をつけてもらったものをラムネートしてあげると、自分が作った物は大切に
扱ってくれるともおっしゃっていました。


じゃんけんの紹介は新潟ではなかったのですが、Tea Room で、かよこはまさん、ぴろこさん、
のんのんさんに教えてもらうことができました。
勝手に”ヒーローじゃんけん”と名前をつけさせてもらいました。
フリはそれぞれの教室でジェスチャーを決めるといいようです。わんこ教室では、こんなふうです。
Superman: 握りこぶし
Spider-Man: 手のひらを見せて開く
Batman: 人差し指と小指を立てて、手の甲を見せる
"Superman, Spider-Man, Batman, I am" の後に、どれかの形を出す。
あいこの時は、"I am
" を言って出す。

最後は、Tea Roomでの、にゃんこ先生の一文で終わらせていただきます。

”ツアーのプリゼンで得た様々なアイディアは実践して初めて自分のものになります。
みなさま、「すぐやる」派をめざしてくださいませ!”

取っ手部分は簡単に、ホチキスで留めて、赤い部分をカットします