安田しん二のアナログメンズ倶楽部、
今までの『今日の一枚』

2004年2月29日日曜日
BOB WELCH 『THREE HEARTS』
 1978年リリースのボブ・ウエルチの2ndアルバムです。因みに、今回の再リリース盤にはボブ・ウエルチ直筆のサインが付きます(初回プレスの2500枚のみ、シリアル・ナンバー入り)。
 ボブ・ウエルチの声って、スティングにも似てますよね。スティングがしっかりした歌い手であるのに対し、こちらもっと力が抜けた、良く言うと味のある歌とでも言いましょうか。
 曲はとてもライトでポップです。1stもそうですが、とても聴き易くけっこうオススメなポップ・アルバムです。

2004年2月28日土曜日
TONY WILLIAMS LIFETIME 『TONY WILLIAMS LIFETIME-THE COLLECTION』
 あの今は亡きジャズ界の名ドラマー、トニー・ウィリアムスのリーダー・バンド、ニュー・トニー・ウィリアムス・ライフタイムの2枚のアルバム、『ビリーヴ・イット』(前半6曲)と『百万弗の脚』(後半7曲)を1枚のCD(全13曲)にまとめたものです。
 トニー・ウィリアムス以外のメンバーは、ギターが御存知、アラン・ホルズワース、キーボードがボブ・ディランのバンドでも来日経験の有る、アラン・パスカ、ベースが後にゲーリー・ムーアのGフォースにも参加する、トニー・ニュートン(ヴォーカルも1曲とってます)と言う3人です。
 サウンドはブリティッシュなジャズ・ロックと言うよりは、アメリカのジャズ・ロックで(あえて“フュージョン”とは言いたくないんです)、キーボードのアラン・パスカは主にローズ・ピアノとクラヴィネットを弾き、全体的なサウンドでも特に前半6曲の『ビリーヴ・イット』では、後半7曲のややファンキーなニュアンスのものより、ジャズ的要素が強い感じがします。アラン・ホールズワースのギターもかなりフューチャーされていて、特に前半ではかなりの名演が聴く事が出来ます。それからなんと後半の『百万弗の脚』でのストリングス&ブラス・アレンジはあのフィル・スペクター・サウンドを影で支えたジャック・ニーチェだそうで、目立ちはしませんが興味深いです。

2004年2月27日金曜日
BRUFORD 『ONE OF A KIND』
 プログレ界きっての人気ドラマー、ビル・ブラッフォードのリーダー・バンドの1stアルバムです。1stと言っても、この前に出した『FEELS GOOD TO ME』と言うソロ・アルバムがこのブラッフォードのメンバーとほぼ一緒なので、実質的には2ndの様なものなのですが…。
 ビル・ブラッフォード以外のメンバーは、ギターがアラン・ホールズワース(以上元UK)、キーボードが元エッグ、ハット・フィールド&ザ・ノースのデイヴ・スチュアート、ベースはパトリック・モラーツのソロ・アルバムなどでベースを弾いてたジェフ・バーリンと言う強力な個性とテクニックを持った4人組です。
 音楽的には、プログレシヴ・ロックと言うよりは、ジャズ・ロックと言った方が良いでしょうね。元々はUKにいた2人が脱けこのバンドになってるので、UKからそのジャズ・ロック的要素だけを取り出した様なサウンドですが、とても馴染みやすいナンバーが多く、更に全曲インストです(ナレーションの様なものは入る曲は有ります)。楽曲やサウンドのクォリティーは高く、当時はまだシンセと言えばモノが主流だった時代でしたので、デイヴ・スチュアートの弾くポリフォニック・シンセサイザーは物珍しく、且つ斬新でした。ホールズワースのギター・サウンドに至っても、ストラトにギブソンのパフを付けると言う、今ではストラト+ハンバッカーは決して珍しく有りませんが、当時としては異質なサウンドを出しておりました。

2004年2月26日木曜日
BOB WELCH 『FRENCH KISS』
 1977年リリースのボブ・ウエルチの初ソロ・アルバムです。ボブ・ウエルチと言えばフリートウッド・マックに在籍していた事で有名ですが、マック脱退後、3人組ハード・ロック・バンド、パリスと言うかなりレッド・ツェッペリンを意識したバンドで2枚のアルバムを出し、私の世代などはこちらの方が知られてるかもしれません。
 パリス解散後出したこのアルバムからは、『エボニー・アイズ』と言うヒットも生まれ、この曲はあの『カリフォルニア・ジャム』でも演奏されました。かなり昔の記憶で不確かなのですが、当時たしか、スティービー・ニックスが飛び入りし、かなり話題になったと思います。
 アルバムの内容はパリスの頃の様なバリバリのハード・ロックではなく、全曲ポップな仕上がりでとても聴き易いです。フリートウッド・マックのメンバーが参加してたり、ジーン・ペイジのストリングス・アレンジがフューチャーされていて、サウンド的にもかなりこの時代を感じさせられます。

2004年2月23日月曜日
SEBASTIAN HARDIE 『FOUR MOMENTS』
 オーストラリアのプログレシヴ・ロック・バンド、セバスチャン・ハーデイの1976年リリースのデビュー作です。オーストラリアと言うと連想するアーティストが、リトル・リヴァー・バンドやオリビア・ニュートン・ジョン、エア・サプライ、それからビー・ジーズなどと、どうもこの手のバンドのイメージが浮かばないのですね。でも流石オーストラリア、このアルバムの邦題、『哀愁の南十字星』と有る様に、プログレシヴ・ロック・バンドと言えどもヨーロッパのモノに比べ何処かとても大らかな感じがします。でもプログレシヴ・ロックお決まりのメロトロンもふんだんに使っていて、そのサウンドは正しくプログレです。

2004年2月21日土曜日
DEEP PURPLE 『COME TASTE THE BAND』
 第4期ディープ・パープルの唯一のアルバムです。ギターはリッチーが抜けて元ジェイムス・ギャングのトミー・ボーリンが加入し、音楽的にも“ザ・ブリティッシュ”なものからファンキーな方向へと向かった作品です。ファンとしてはディープ・パープルらしくないとの評価もかなり有りますが、私としては、この作品はメンバーの個性が良く出ていて好きなアルバムです。ヴォーカルも、デヴィッド・カヴァーデイル、グレン・ヒューズ、それからトミー・ボーリンと三者三様の素晴らしいコンビネーションだと思います。

2004年2月16日月曜日
ACQUA FRAGILE 『MASS-MEDIA STARS』
 イタリアの5人組のプログレシヴ・ロック・バンド、アクア・フラジーレのセカンド・アルバムです。
 プロデュースはP.F.M.が担当し、ヴォーカルのベルナルド・ランゼッティはその後にP.F.M.に加入し、当時P.F.M.のメンバーとして初来日を果たしています。
 曲調はジェネシスをかなり意識したもので、ヴォーカルのランゼッティもピーター・ガブリエルのスタイルに近い歌い方をしてる様に思えます。それは他のパートも然り、かなりジェネシスを意識してると思います。しかし、それでもクォリティーは高く、私個人としては、このセカンドの方がファーストよりも出来が良いと思ってます。

2004年2月15日日曜日
I QUELLI 『I GRANDI SUCCESSI ORIGINALI』
 クエッリと言う名前を知ってる人は、なかなかのイタリアン・ロック通です。このバンドは1960年代のビート・ポップ・バンドで、あのP.F.M.の母体となったグループです。メンバーはマウロ・パガーニ以外のP.F.M.のオリジナル・メンバーの他、後のフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウス、後にコメディアンとして活躍するテオ・テオコリなども在籍してました。
 アルバムは、彼等の1969年にリリースされた唯一のアルバム(ベスト盤?)にシングルや未発表の曲などを加えたアーカイブ物ですが、これが中々ポップで聴き易いのです。ナイス、タートルズ、ディープ・パープル、トラフィックなどのカヴァーの他、バーズやツェッペリンにそっくりな曲なんかも有って、中々面白いです。サウンドは、当時のイギリスのビート・ポップ・グループほどはハードでは有りませんが、演奏力はかなりしっかりしています。

2004年2月14日土曜日
FAMILY 『FEARLESS』
 イギリスの名ヴォーカリスト、ロジャー・チャプマン率いるファミリーの6枚目、1971年の作品です。このファミリー、ジョン・ウエットンがキング・クリムゾン在籍以前に参加してたバンドです(6枚目と7枚目に参加)。
 このアルバムでのウエットンのヴォーカルは1曲のみですが、正しくあの「イージー・マネー♪」の声。
 バンドのサウンドもとてもワイドな音楽性を持っていて、カッコイイです。ドラムの音もコンプレッサーを強めに掛けた、1970年代初期の特徴的な音です。

2004年2月13日金曜日
VARIOUS ARTIST 『STREET CORNER SOUVENIRS / DOO WOP CLASSICS』
 先日、CD屋さんをうろついてましたら偶然見つけたのがこのドゥ・ワップのオムニバス・アルバム3枚組です。
 収録アーティストは、プラターズ、ドリフターズ、スカイライナーズ、フラミンゴス……などなどの1950年代に活躍したコーラス・グループの数々です。私が好きだった曲も入っていて、ドン・アンド・ジュアンの名曲、「ホワッツ・ユア・ネーム」なんてのも入っていたのは嬉しかったです。
 CD自体の値段もたしか1980円だった様な(セールだったのかなぁ?)……、御得な3枚組でした。

2004年2月5日木曜日
JACKSON BROWNE 『SATURATE BEFORE USING』
 ジャクソン・ブラウンの1972年のデビュー作です。「ドクター・マイ・アイズ」はシングル・ヒットもした軽快なナンバーですが、アルバム全体的の雰囲気は落ち着いた感じです。今、私達はレコーディング中ですが、レコーディング後、このアルバムを聴くとなんとなく疲れも取れ、和めます。アコースティック・ギターもドラムもベースも、皆良い音してます。

2004年2月1日日曜日
THE MOODY BLUES 『SEVENTH SOJOURN』
 ムーディー・ブルースの1972年リリースの名作です。ムーディー・ブルースはよくプログレシヴ・ロックにジャンル分けされてますが、このアルバムは特に「変拍子」、「インスト重視」、「大作」とかと言ったプログレシヴ・ロックの一般的なイメージはなく「歌もの」的で、プログレシヴ・ロックはちょっと苦手と言う人にも奨められます。勿論、メロトロンは随所に出て来ますが、ジェネシスやキング・クリムゾンのそれとは随分印象が異なります。余談ですが、彼等が初期に使ってたメロトロンは400モデルではなくマークIIと言うモデルで、そのメロトロン・マークIIは、ムーディー・ブルースからキング・クリムゾン、そしてジェネシスへと手渡った様です。




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