安田しん二のアナログメンズ倶楽部、
今までの『今日の一枚』

2004年6月30日水曜日
SPOOKY TOOTH 『THE LAST PUFF』
 スプーキー・トゥースの1970年リリース、4枚目に当たるアルバムです。
 スプーキー・トゥースはフォリナーのミック・ジョーンズやゲイリー・ライトなどがいたバンドとしても有名ですが、解散、再結成、メンバー・チェンジを繰り返したバンドでありまして、実にさまざまなプレイヤーが在籍してたバンドでもあります。
 このアルバムのメンバーはマイク・ハリソン(ヴォーカル)、ルーサー・グロヴナー(ギター)、ヘンリー・マッカロウ(ギター)、マイク・ケリー(ドラムス)、アラン・スペナー(ベース)、それにプロデュースも担当してるクリス・ステイントン(キーボード、ベース、ギター)です。
 音の方は、ジョー・コッカーにも通ずるところがありまして、それもそのはず、ヘンリー・マッカロウ、アラン・スペナー、クリス・ステイントンはジョー・コッカー関連のミュージシャンで、ヘンリー・マッカロウはこの後、ウイングスにも参加します。ヴォーカルのマイク・ハリソンもジョー・コッカーに相通ずるところがあります。

2004年6月26日土曜日
LARSEN | FAITEN BAND 『LARSEN | FAITEN BAND』
 ラーセン=フェイトン・バンドの1980年リリースのファースト・アルバム…とは言っても、実際にはそれ以前にも彼等はフル・ムーンとして活動していた事があるので、これが彼等のデビューとは言えないと思いますが…。
 メンバーはキーボードのニール・ラーセン、ギター&ヴォーカルのバジー・フェイトン、パーカッションのレニー・カストロ、ドラムスのアート・ロドリゲス、それからジャケットの写真には写ってませんが、ベースのウイリー・ウイークスと言うそうそうたるメンバーです。プロデュースはトミー・リュピューマ、エンジニアリング&ミックスはアル・シュミットと言う黄金の名コイビによってレコーディングされております。
 と言うわけで、このアルバムの音色も楽曲も素晴らしく、最近のバジーの作品のデジタル・リヴァーブガンガンの音からは想像もつきません。呼び物は何と言ってもバジー・フェイトンのギターとニール・ラーセンのハモンド・オルガン。特にニールのオルガンは一種独特な雰囲気さえ感じさせます。

2004年6月25日金曜日
THE BAND 『STAGE FRIGHT』
 ザ・バンドの3枚目、1970年の傑作です。
 なんとレコーディング・エンジニアは若き日のトッド・ラングレン(ミックスは、あのグリン・ジョーンズも3曲ほど演ってます)。正直言って、トッドの持つ音楽性がエンジニアリングをするだけで、どれくらいバンドの音楽に影響をもたらすのか、それだけでもこの作品に対する興味は上がってきますね。で、実際は、やっぱり「ザ・バンドはザ・バンド」でした(^^)。
 面白いのは、ボーナス・トラックに別ミックス・ヴァージョンが入っていて、トッドとグリン・ジョーンズのミックスを聴き比べる事が出来るのです。エンジニアリングに興味のある人には必聴ですね。

2004年6月22日火曜日
THE BEATLES 『LET IT BE』
 30年以上経つのにちっとも古さを感じさせない…。この『レット・イット・ビー』もそうですが、ビートルズのアルバムは全てそうだと思います。
 昨年リリースされた『レット・イット・ビー…ネイキッド』も勿論ビートルズなので悪くはありませんが、アルバムと言う事ならばやはり私はこちらが好きです。こちらは「あのフィル・スペクターによってオリジナルティーを大編集されてしまったアルバム」って事ですが、私はこちらをビートルズのアルバムとして何十年も聴いて来たわけで、やはり私にとってはこっちがオリジナルです。
 『レット・イット・ビー…ネイキッド』は、音も最新技術を使って向上してると言いますが、私はこちらの『レット・イット・ビー』も素晴らしく良い音だと思うのですが…。私は「良い音」と言うのは、単にクリアでレンジが広いものがそうだとは思わないのです。問題は音楽としてどう聞こえるかだと思うのですが、いかがでしょうか?

2004年6月21日月曜日
TERRY MELCHER 『ROYAL FLASH』
 1976年リリースのテリー・メルチャーのソロ2作目です。
 テリー・メルチャーはドリス・デイの息子で、1960年代は、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンとデュオを組んだり、レコード会社のA&Rマンとして、ポール・リヴィア&レイダースのプロデュースをしたり、バーズの一連のヒット曲にも参加してた人物です。メルチャーは1979年にジョン・ホブスと組んでフリーウエイと言うユニットでもアルバムを出しましたが(とても良いアルバムです!)、そのアルバムよりはこのソロ・アルバムの方がアメリカン&メキシカンな臭いが強く(ジャケットのイメージ通り!)、洗練されたポップ感覚を売りにしてたフリーウエイとは随分違う素朴なサウンドです。また、ペダル・スチールなども随所で使われてます。

2004年6月15日火曜日
RUSH 『ALL THE WORLD'S A STAGE』
 カナダの3人組ハード・ロック・バンド、ラッシュの通算5枚目に当たる、1976年リリースのライヴ・アルバムです。
 ラッシュは、ゲディー・リーのゴリゴリのリッケン・ベースと超ハイ・トーンヴォーカル、アレックス・ライフソンの「単にハード・ロック的ではない」異色感あふれるギター、それにニール・パートの変幻自在、多種多彩なドラミングと、彼の書く哲学的&文学的な歌詞が、スリー・ピース・サウンドをより発展的な形で表現してると思います。特にドラマーの私には、ニール・パート(本来、「ピアート」って感じで発音するらしい)の6インチから12インチまでの4つのメロ・タムを多く使ったメロディックなプレイが魅力的でした。
 ラッシュはこのライヴ・アルバムを発表後、バンドのカラーをよりプログレッシヴな方向へ転換して行きますが、私個人的には、この頃のラッシュの楽曲が好きです。

2004年6月9日水曜日
LAURA NYRO 『THE BEST OF LAURA NYRO STONED SOUL PICNIC』
 ローラ・ニーロの2CDベスト盤です。
 「ストーン・ソウル・ピクニック」や「セイヴ・ザ・カントリー」などはフィフス・ディメンジョンなどもカヴァーしましたが、彼女の作品は他にも数えきれない程のアーティスト達がカヴァーしました。あのトッド・ラングレンにも多大な影響を与えた彼女の作風は、時にとてもソウルフルだったりもしますが、私は彼女の曲の予想も出来ない展開が大好きです。

2004年6月4日金曜日
ENGLAND DAN & JOHN FORD COLEY 『NIGHTS ARE FOREVER』
 イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーの1976年リリース作品です。私の個人的な印象ですが、このデュオ、何故かウエスト・コーストの風を感じてしまう爽やサウンドの印象が有ります。そのイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー、実はウエスト・コーストの出身ではなく、テキサスはオースチンの出身で、因にイングランド・ダンことダン・シールズは実はシールズ&クロフツのジミー・シールズの弟でもあります。
 私は、そのサウンドの中で時折見せるカントリーやフォークの影響が、かえってポップな曲調やコーラス・ワークと巧くマッチして、独特の世界観を生み出してるのだとも思います。

2004年6月3日木曜日
SCORPIONS 『TAKEN BY FORCE』
 スコーピオンズ1977年リリースの5作目、『暴虐の蠍団』です。リード・ギタリストのウルリッヒ・ロートのスコーピオンズでのスタジオ・プレイを聴けるのは、このアルバムで最後になってしまいましたが、前作の『ヴァージン・キラー』以上に弾きまくってる印象があります。
 このアルバムのリリース直後に初来日しましたが、その時のロートの使用機材は、白のフェンダー・ストラトキャスター(でかヘッド)、マーシャルの3段積みのユニット3、それに足下には当時としては珍しい、大きなエフェクター・ボードが置かれてました。そこにはダラスのファズ・フェイスが3台、ワウ・ペダル(どこのかは忘れました…)などがセットされており、更には当時としてはとても珍しい、ローランドのコーラス(CE−1ではない、ペダル・ボードでないタイプの物)も使用してました。
 スタジオではギターの音をかなりかぶせ、独特のサウンドを生み出してました。ギター・テクニックも然る事ながら、当時、その不思議なギター・サウンドに魅せられたのは、私だけではないと思います。

2004年6月2日水曜日
MARVIN GAYE & HIS WOMEN 『21 CLASSIC DUETS』
 私がヴォーカリストとしても最も好きなマーヴィン・ゲイのデュエットばかりを集めたベスト盤です。
 生前、マーヴィンはダイアナ・ロス、マリー・ウエルズ、キム・ウエストン、それからタミー・テレルと言った4人の女性とデュエット・アルバムを出してましたが、私が中でも好きだったのがタミー・テレルとのデュエットです。
 タミー・テレルは、マーヴィンとステージに上がってる最中に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまいましたが、マーヴィンはその時のショックから立ち直るのにかなりの時間が掛かったとの事です。
 このタミー・テレルとのデュエット曲の大部分を書いてるのが、おしどり夫婦のアシュフォード=シンプソンで、楽曲はどれもポップで、H=D=Hやスモーキー・ロビンソンなどの曲とはまた一味違った、これもまた代表的なモータウン・サウンドであると思います。




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