安田しん二レコーディング日記
私、安田しん二のスタジオ、FAB ROCKS REC. HOUSEでの奮戦記です。
FAB ROCKS REC. HOUSEはNon DIGITALにこだわった、
ANALOG専門のレコーディング・スタジオです。

2000年11月1日水曜日
 今日は、伊東駅まで車でよすおさんに迎えに来て貰いました。外は凄い雨です。
 本日の予定としては、「新たに購入した、ヤマハCP−20とSS−30が楽器屋さんから送られて来るのを待つ」と言う事くらいですが、楽器が届くのが待ち遠しいです。
 指定した時間に運送屋さんから、「これからお届けにあがります」と電話があり、ルンルン気分で待つ事数分でやって来ました!
 玄関で荷物をほどき、部屋に運びます。そして、早速音を出してみます。まずはCPから。私はエレピを数台持ってますが、このCP−20は昔からとても欲しかった物でした。しかし、市場では人気がまるでなく、そのわりに出回ってる台数も少ないので、とても手に入り難かったのですが、値段だけはとても安価でした(つまりあまり相手にされてないという事)。CPというと、70や80などのエレクトリック・グランド・ピアノを思い出しますが、こちら20(35と言うのもありました)の方は、同じエレピでも全然違う物です。70と80は実際に弦をハンマーで叩いて、それをピック・アップで拾い、電気式に増幅して音にするという、いわゆる“エレクトリック(電気)”で、こちらは電子回路で音を模造して出す、“エレクトロニック(電子)”方式です。

 今日は私が持ってるエレピの特徴を御紹介致しましょう。
ローズ・ステージ・ピアノ・マーク・ワン
 これは、エレピの中でも最もポピュラーな音です。ジャズ・フュージョンなどでもお馴染のピアノですが、ヴァージョンによって、音色は違います。基本的に“コロコロ”した音なのですが、私のはピック・アップの位置が打面に近いので、あまり“コロコロ”した音ではなく、けっこう私の好きな潰れてた音になってます。ビートルズの「ゲット・バック」で、ビリー・プレストンが弾いてます。私の好きなP.F.M.のフラヴィオ・プレモーリもこれを使ってます。
ウーリッツァー・スクール・ピアノ
 ウチのバンドでエレピと言えば、これがやっぱりメインです。低音の方を弾いた時の、“ブウ〜ン”といった独特の潰れた音が特徴です。カーペンターズや、クイーンの「マイ・ベスト・フレンド」でのウーリッツァーはもうお馴染です。
ホーナー・クラヴィネット-ピアネット・デュオ
 これはメインはクラヴィネットの方なのですが、おまけにピアネットTも内蔵されているという物です。エレピとしての使用頻度は極力少ないのですが、「とっても特徴の無い普通の音」と言うところがピアネットTの特徴でしょうか。ビートルズが「ザ・ナイト・ビフォア」で使ってたピアネットはNというモデルで、これとは全然音が違います。
ヤマハ・エレクトリック・グランド・CP−70
 こちらはグランド・ピアノにピック・アップをつけた様な形と言い、アコースティック・ピアノを意識して創られた、ヤマハの名器です。しかし、アコースティックの弦3本に対し、こちらは2本で箱の創りも全然アコースティックとは異なるため、実際にはアコースティック・ピアノの音はしません(生で弾いた時の方がピアノっぽい。電気が通ってない分、それも当たり前かぁ)。しかし、「予期せぬ違った音がオモシロイ」と言う事で、当時は一世風靡しました。一般的には、八神純子が『ザ・ベスト・テン』で弾いてたのが印象的とよく言われてますが、私はプログレ・バンドのU.K.で、エディー・ジョブスンがエフェクトを通して弾いていたのが、CP−70の一番の印象です。

 エレピの蘊蓄はこんなもんにして、もう一台の新兵器、SS−30と言う楽器についてです。これは、昔ソリーナと言うストリングス・アンサンブルがありましたが、当時ヤマハがこれを意識して創ったものです。しかし、音の方はソリーナほど味わいのあるものではなく、「良くも悪くもヤマハ・サウンド(ヤマハ所属アーティストの演奏や、ポプコンなどで多く使用されてた為か)」と言う印象があります。しかし、巧く控えめに使う事により、ソリーナのような役目を充分こなしてくれるだろうと、かなり期待しております。

2000年11月2日木曜日
 今日も外は大雨です。風呂場でリヴァーブでもレコーディングしようかと思ったんですが、この雨では、雨音も一緒に録音されてしまう為、断念しました。
 せっかくだから、「憶えているかい」のクラップ(手拍子)と12弦ギター(アコースティック)のソロを私が演る事にしました。それが終ると、「今回はもうこれで止めよう!よし、帰ろ!!」と言って、荷物をまとめて帰る事にしました。
 よすおさんの助手席に乗り、「帰りは、マックでいいかぁ〜」とドライブスルーでハンバーグ等を買い、走りながら食べました。助手の私は、ハンバーガーの包みを剥いてよすおさんに手渡ししてやり、「ン〜〜、まるでよすおさんの彼女になったみたいだぞ」と、お互いにちょっと気持ち悪くなってしまいました。

 この頃、長年親しんでいたバンド名、ミラクルシャドウからトゥ・ラヴ・サムバディに名称変更しました。


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