安田しん二レコーディング日記
私、安田しん二のスタジオ、FAB ROCKS REC. HOUSEでの奮戦記です。
FAB ROCKS REC. HOUSEはNon DIGITALにこだわった、
ANALOG専門のレコーディング・スタジオです。


 

先月も書きましたが、一応これまで録った曲を書き記しておきます↓。

曲名 解説
俺達、ミラクルシャドウ! ミラクルシャドウのテーマ・ソングです。ジャズ・ロック風に創ったつもりが、ブラック・サバスの様なハード・ロックになっちまいました。途中、リズム・チェンジが有り、南米チックにもなりますが、最後はドラマチックにメロトロンの洪水です。
ミラクルシャドウ大行進 2拍子のインスト小曲で長さは1分有りません。バンジョー。バンジョレレ、コンサンチーナ、ティン・ホイッスルなどの楽器でアンサンブルを構成しました。ベースはスーザフォンの様にも聞えます。
人生は楽しまなきゃダメさ/それもいい想い出 ドゥ・ワップ調のR&Bですが、途中リズムをチェンジさせます。「それもいい想い出」はア・カペラのナンバーで、コーラスだけで20音声以上は入ってると思います。歌もソウルフルに歌ってます。
大切な人 (Part I〜IV) ギターを使ってホルンやトランペットの様な音を創ってみました。曲はドラマチックな展開をみせ、パート1〜4までの組曲風です。パート4は歌詞が「万葉集」の頃の言葉を使い、とてもオリエンタルな感じです。
おやじジャム クラビネットを使ったファンキーなロック・インスト小曲です。ギター・ソロが1970年代風で、とてもシンプルな曲です。
気になる僕の未来の行く末 ハード・ロックですが、途中とてもドラマチックな展開になります。1970年代風のギター・ソロもそうですが、途中の展開で登場するチャランゴやケーナなど、中南米の民族楽器やメロトロンが印象的だと思います。
君がいるから/くよくよしないぞ 「君がいるから」はウエスト・コースト調のミッド・バラードでとてもメロウなナンバーです。SEとして波の音も入ってますが、それは私がハワイの海岸で録って来たものです。その海のサウンドが「くよくよしないぞ」でいきなりフォルクローレになります。ボリビアで活動してる、プロのフォルクローレのミュージシャンに聴かせましたら、「独特で面白い!」と言われました。
もしも今、会ったなら とても軽快なポップ・ナンバーです。ポップなスライド・ギターなども登場しますが、サウンド的にはアメリカンと言うよりは、むしろブリティッシュ寄りなんでしょうか。
憶えてるかい? とても構成がスムースなポップ・ナンバーです。音色的にはトッド・ラングレンとかの影響も観られますが、サビは“ちょっとだけフィル・スペクター風”に仕上げるつもりです。ですが、やはり“渚”を感じるサウンドです。
雲の上から カレッジ・フォークを思い出すメロウなナンバーです。キャッチーなサビは、バンジョーやペダル・スチール・ギターが登場しますが、それ以外のところはメロトロンなどを使い、ちょっとウエットな感じです。
高校生になったら 実は、これは私が中学生の時に書いた曲をアレンジしたナンバーで、歌中でマイナー・コードが一度も出て来ません。更にタブラやE.シタール、逆回転物などが登場する、とてもサイケデリックなハード・ロックです。
約束しましょう ハワイアンな4ビート(?)って感じでしょうか。歌&ウクレレとベースを先ずは一発録りし、あとからオーバー・ダビングしたのですが、最後はバンジョレレが登場し、ちょっとだけデキシーな感じになります。これも短い曲です。
荒野に用心/永遠の踊り子 「荒野に用心」はインディアン・フルートのイントロで、その後「永遠の踊り子」へと繋がって行きます。歌が出て来るところはハード・ロックなのですが、それを挟んで出て来るケーナのインスト部分が聴き所でしょうか。私はこの曲のクラップを聴くと、フラメンコを演ってる小さな小屋を連想してしまいます。何故でしょうか?
ただそれだけさ コーラスが重視されてるソフト・ロック調のナンバーです。タムの音が、ティンパニーの様で結構行けてます。サビはキャッチーですが、どこか悲しげ。
サヨナラ僕の想い出 バラード・ナンバーですが、ピアノのコンプレッサーが強めに効いていて気持良いです。途中のギター・ソロとギターのオブリ、メロトロンのチェロとフルート、それからコーラスなんかも結構行けてると思います。
青い東京タワー(テレビ塔の空) 1stにも収録した曲ですが、こちらはニュー・バージョン。ティン・ホイッスルの裏メロが良いと思います。メロトロンもかなり登場します。
朝日を見に行こうよ こちらもニュー・バージョンですが、ドラムスと二胡、それとリード・ヴォーカルは以前のトラックを使用しました。途中で中南米のハープ、アルパが出て来ます。オリジナル・ヴァージョンよりも音に厚みを持たしてあります。メロトロンも出て来ます。

2004年5月1日土曜日 レポートBy タッキー
 本日も歯医者の予約があったので、遅れて登場しました。16時半ぐらいにスタジオ到着すると…、なんと「永遠の踊り子」のミックスがほとんど終わっているではないですか!! 今日のしんちゃん、超ハイ・スピードだぁ。レベルやコンプの具合などの微調整をしただけで、18時半にはこの曲完成!!ありゃりゃ、今日私の出番はほとんどなかったなぁ…。
 おなかがすいたので、いつもの『大勝軒』へ。なんだかここの所、毎日一回は『大勝軒』に行ってます。こんなに行っているのに、なんで飽きないんだろう…。みんなでつけ麺食べて大満足!。
 スタジオに戻って来て試聴用のCDを創り、積み上げた機材を片付け、コーヒー飲んでバカ話して楽しんだところで、今回のクール終了!!ちょっと疲れましたが、今日は巨人の阿部慎之助のサヨナラ2ラン・ホームランもあって、気持ちよく終わる事が出来ました。

レポート:タキザワオサム

2004年5月1日土曜日
 今日は19時頃には終わりに出来る様にします。って事は、今日は泣いても笑っても1曲だけ。と言うわけで、今日は「永遠の踊り子」のミックスを演り、今回のクールはこれで締めです。

 実は昨日、家に帰ってテレビを付けたら、丁度『朝まで生テレビ』が演っていて、それを付けちゃったら眠れなくなってしまいました。ン〜、観るんじゃなかった……。ですから、今日は寝不足で身体がポワ〜ンとしてます。しかしです、私は演らなくちゃいけません、頑張らなくちゃいけません………って、選挙の演説のようですね。と言う勢いで、今日もハイ・ペースにキビキビとミックスして行きます。

 さて、「永遠の踊り子」、この曲のメインはインディアン・フルート、ケーナ、それから途中に出て来るクラップ……等々。しかし、この曲のミックスで最も難しいのはベースかもしれません。ベースはプレシジョン・ベースを使っていて、いつもとは音像が違うので、先ずはベースをある程度創り上げてしまおうと思います。と言っても、なんだってそうですが、ベースだけをソロで出してそれでコンプやEQを掛けても音は良い方向へは向かないと思います。時には他の音を出してベースの音を作って行きます。もしも煮詰まりそうになったら、ベースの音創りはそこで止め、次のトラックへ行きます。そして、また何かが見えてきたらベースを……、そんな感じでミックスをドンドン進めて行きます。
 今回の歌は3声のコーラスでメインをはります。ですから私はこの3声を1つのチャンネルにまとめました。
 この曲もあっという間に先が見え、あとは上げ下げを演って出来上がりです。思ったよりも早く出来ました。

 最後はこれまでのテイクをCD−Rに作って終わりです。私は待ってる間、久しぶりにTVを付けて観ました。丁度ジャイアンツの阿部慎之助がサヨナラ・ホームランを打ったところで、「なんだかこりゃ、縁起が良いぞい!」とご機嫌でした。

 さてさて、次回のクールはいよいよ最終クールです……、と言っても、これからまた新曲のレコーディングも有りますし、私達も結構忙しくなりそうです。

 いよいよミックス・ダウンの最終クール突入!
 それからなんと、バンド名をミラクルシャドウから、新たに

BANANAS(バナナス)

に改名しました!!
 今度こそこの名前で…、頑張ります!!!

2004年5月13日木曜日 レポートBy よすお
 いよいよトラック・ダウン最終クールになりました。11時に集合して、「ミラクルシャドウ大行進」改め、「バナナス大行進」から始めます。曲が短いこともありますが、今日のしんちゃんはかなりハイペース。途中で昼飯休憩が入りましたが、サクサク進んで正味2時間ほどで完成してしまいました!

 タッキーは、朝起きたら目が腫れていたので、病院によってからの登場でした。まだちょっと白目が充血してるって言うくらいだったけど、腫れてるって言ってたから、もっとお岩さんみたいになってるんだと思ってた(^^;。

 「バナナス大行進」のトラック・ダウンが終わる頃に某放送局系音楽出版社のTさんが見学に見えました。ちょうど一段落したところだったので、今までトラック・ダウンが終わった分を聴いていただきました。「ラフ・ミックスとはかなり変わるんですねー!」と、気に入っていた様子でした。

 Tさんが帰った後、「君がいるから」〜「くよくよしないぞ」に取り掛かります。

 今日は来客が多く(アオチャン宛てにですが.…)、オーディオ・テクニカの営業さんがマイクのデモ機を届けに、続いて録音周辺機器の輸入代理店の社長さんがエフェクター(コンプ)のデモ機を届けにやって来ました。この方、実は女社長さんなんですがなかなかの美人でして、みんないきなりテンションがピークに達してしまいました(*^_^*)。
 タッキーまでいつの間にか名刺交換してるし(^^ゞ。
 1時間くらい華やいだ雰囲気でトラック・ダウンが進んでいる中、しんちゃんが集中してる間に美人社長さんが帰ってしまい、ちょっと残念そう!
 しんちゃんはちょっと風邪っぽいせいもあるのか、今日はいつもより休憩が多いな……。

 大体音作りが出来たところで夕飯を食べに行き、ちょっと休憩した後トラック・ダウン再開。

 全体のバランスも取れて、そろそろ完成か?と思った時、アオチャンが「もう少し歌にパンチが欲しい」って言い出したんですが、しんちゃんのお願い攻撃で結局アオチャンがそこの所をやることに…。真剣に音作りをしているアオチャンの後ろでしんちゃんが「この曲の振り付け考えたんだけど」なんて言いだして、曲に合わせて振り付けを披露します。グループ・サウンズ風あり、ビューティ・ペア風あり、イモ欣トリオ風ありで大爆笑! 冴えてると言っていいんだか、キレてると言っていいんだか(^^ゞ。

 そうこうして後ろで盛り上がってる間に音も出来上がり、「君がいるから〜くよくよしないぞ」が完成しました。
 その後、今後の展開について話し合っている内に終電の時間が過ぎてしまったので、遅くなりついでに明日リ・トライする予定の「気になる僕の行く末」の準備をして、今日の所はお開きにしました。お疲れさまでしたm_(_ _)_m。

レポート:吉岡 よすお

2004年5月13日金曜日
 いよいよレコーディング最終クールです。バンド名もミラクルシャドウから新たにバナナスに変え、心機一転頑張るつもりです。
 このバナナスと言うグループ名は、私が前日までに考えておいたものです。実は他にも幾つか候補があったのですが、この日スタジオに来るなり、みんなの前でその候補名を挙げましたところ、やはりバナナスが一番良かったみたいでした。私も内心、バナナスが良いと思ってました。何しろ、バナナは私とってラッキーな食べ物。それに、食べたら直ぐにエネルギーになるんです。
 因みに他の候補名は、“バスケッツ”、“メトロニクス”……等々。どれも1960年代のビート・ロック・バンド風の名前でした。

 ミックスであと残ってるのは「バナナス大行進」(早速曲名が変わりました!)と「君がいるから」〜「くよくよしないぞ」です。先ずは、「バナナス大行進」から演ります。

 「バナナス大行進」は1分にも満たない短いインスト・ナンバーで、ちょっとジョークっぽい感じの曲です。ベースのサウンドも「太い!」と言うよりも、チューバやスーザフォンに似た柔らかい音色で録音してあります。あまり太くするとそれっぽくならなくなってしまうのですが、それでも他の曲との相性も考えると、やはりほんの少しだけ太くする必要が有る様です。例によってコンプを巧く掛けて、しかも他の音とのバランスが崩れない様に整えて行きました。
 この曲は、落とし所がハッキリ見えてるので、私はドンドン仕上げて行き、2時間程で出来上がってしまいました。

 今日は音楽出版社(著作権を管理する会社)の人が来てたので、「バナナス大行進」のミックスが出来上がった後、今までのテイクを聴いてみる事にしました。
 う〜〜ん、どれも良いです(自画自賛モード!)。ただ、あえて難を付けるなら、やはり最初に落とした「気になる僕の未来の行く末」はちょっとバランスが大人しい感じです。青ちゃんはどう思ってるでしょうか?えっ?!……。

 さあ、いよいよ最後の曲、「君がいるから」〜「くよくよしないぞ」のミックスに取り掛かります。先ずはAOR調の「君がいるから」の方のバランス&音創りから始め、その後フォルクローレ調の「くよくよしないぞ」のバランスを取りましたが、この2曲が巧く繋がる様に整えていくのは結構大変です。何しろこの2曲では楽器構成がまるで変わり、同じ楽器はエレキ・ベースだけなんですから。
 最後に青ちゃんから「あとホンの少しヴォーカルが…」と言われたので、そこは御願いしてしまいました。青ちゃんはヴォーカルを立たせるのがとても巧いです。しかし、青ちゃん、演りたがりません。私は「んじゃあ、俺はこのままでいいやぁ!さて、落とすかぁ!」と言うと、青ちゃんはスッと立ち上がりコンソールの前に行きました。私はここは青ちゃんに安心して任して置けるので後で踊ったりしてました。
 コントロール・ルームの後で踊りながら聴いてると、かえってこの曲のポイントが見えて来ました。青ちゃんがヴォーカルを少しEQしてくれてた直後、ケーナを再度調整したり、その他に細々とした所をちょこちょこと弄って、完成です!

 さぁて、これで今回予定してた曲のミックスは一応全部終わりました。が、しかし、BUT!……、なんと「気になる僕の未来の行く末」と「永遠の踊り子」を再度ミックスする事に…。「気になる僕の未来の行く末」の方は、先程も書きましたが、やはり初日のミックスって事で、バランスが大人しいからですが、「永遠の踊り子」の方は、明日新たに某コンプ・リミッターのデモ器を借りてくるので、「それを使ってみたらどうだろう?!」との事で、再ミックスが決りました。

2004年5月14日金曜日 レポートBy よすお
 今日は12時集合でしたが、僕は30分くらい遅刻、タッキーは朝方アオチャンにオークションの入札を頼まれたんで寝不足で2時間遅刻です!

 一番最初にやった「気になる僕の未来の行く末」をやり直します。最初ということでまだ耳が慣れていなかったので、仕上がりが多少他の曲と差ができてしまった為です。まずドラムとベースの音を作ったところで一旦休憩して、昼飯を食べにそば屋へ行きました。しんちゃんは定食に小そばを頼んだんですが、みそ汁が付いてこなかったんです。汁物好きなしんちゃんとしては不満だったので、店員さんに聞いてみると「小そばを付けるとみそ汁は付かないんです!」と冷たく言われてしまいました。レコーディング中はこんな些細な事でもテンションが下がってしまう事がよくあるんです。言い方ひとつでも随分違うのに…。しんちゃんには僕のみそ汁をあげて機嫌を直して貰いました。

 今日はまたエフェクターのデモ機が届きました。コンプレッサー・リミッターとイコライザーです。以前から気になってたものなので期待感はかなり大です。しかし、イコライザーの方は故障してるのか、効果がないのでちょっと残念。しかし、コンプレッサー/リミッターの方は、予想以上の効果で、みんなビックリです!私たちが欲しかった掛かり方をするんです!まずベースに掛けてみると、低音の存在感がぐっと増して、“押し”が強くなりました。それだけでも大満足でしたが、ドラムにも使ってみるとまたまたこれがイイ感じの力強さを出してくれました。トラック・ダウン中ですが、この音に聞き入ってしまい、作業が進みません。この時点ですでにしんちゃん、アオチャン、タッキーは“欲しい欲しい病”にかかってます!しばらくアオチャンの姿が見えなくなっていたんですが、程なく現れると「3台まとめて買うから少し安くしてよ〜!」って値段交渉までしてました! さすがアオチャン、やることが抜け目無い(^^ゞ。

 最終的に「気になる僕の未来の行く末」の完成の一歩手前まで来たので、次回もう一度聞き直してOKだったら2トラックに落として完成ですが、今日はここまで。

レポート:吉岡 よすお

2004年5月14日金曜日
 「気になる僕の未来の行く末」のミックスを演りますが、今日のは“ヴァージョン2”です……なんちゃって、もっと平たく言いますと、「演り直し」であります。
 考えてみたら、この曲のミックスが一番難しい…、私はなんでそんな曲をミックスの初日に演ろうとしたのでしょうか?ま、考え方によっては、「どうせ初日のものは演り直しする事になるのだし…」だなんて……、ちょっと調子良すぎますかね。しかし、今回のミックスはもうここ、『イデア・サウンド・スタジオ』にも充分慣れたし、ミスは許されません。「仏の顔も何度まで」って言うじゃありませんかぁ。「もう1回演っても良いよ」と優しく言ってくれた青ちゃんに感謝です。
 さて、今回はコンプレッサーのデモ機を借りる事が出来たので、それを試すにも良い機会です。そのコンプですが、これが感動の品でした。「100%私の好み!」って言いますか、何と言いますか、フェアチャイルドやテレフンケンのコンプに全く退けを取ってないのであります。このコンプの音を聴くなり、私もタッキーも青ちゃんも、すっかり“欲しい病”に感染してしまいました。ヴィンテージでもない、いわゆる現行品でここまで良い機材と言うのは、私の記憶では有りません。と言うわけで、今日は「ミックスを演る」って言うよりは、コンプの御試し会になってしまい、ミックスの続きは月曜日に演る事になりました。

2004年5月17日月曜日 レポートBy よすお
 いよいよトラック・ダウン最終クールの後半です。今日は11時から開始して、のんびりペースでやってます。しんちゃんの作業としてはほぼ終わってるんですが、アオチャンの確認待ちということで、先に食事に行ってアオチャン到着待ちなんですが、どうやら欲しいマイクがオークションに出ているらしくてなかなか登場しません。13時くらいにやっと登場して、一通り確認をして「気になる僕の未来の行く末」の完成と思いきや、ひとつ音が出ていないトラックがあったので、アシスタントの村石君にコンソールを確認して貰います。そうこうしてるウチにアオチャンの気になるマイクの入札終了時間が近づいてきて本人はそわそわしてるし、時間が中途半端になってしまったので一旦トラック・ダウンを中断してみんなで離れのスタジオに移動して、オークション・モードに入りました。今回の入札はしんちゃんの担当。見事に希望のマイクをGET!アオチャン大満足です。

 気分良くスタジオに戻って、トラック・ダウンを再開します。2トラックに録音して、タッキーが前に録ったテイクと繋げる編集作業をして「おやじジャム〜気になる僕の未来の行く末」が完成です。初日に録ったテイクより迫力がぐっと増して、大満足です!

 次に「永遠の踊り子」のやり直しに取り掛かります。間奏あとのベースの音がちょっと小さい為です。折角いい音楽を作っているので、気になるところは惜しげもなくやり直します。今週はしんちゃんの都合で18時までしか出来ないので、「永遠の踊り子」の準備をしてこの続きはまた明日です。

レポート:吉岡 よすお

2004年5月17日月曜日
 先週末に演り残したミックス、「気になる僕の未来の行く末」を演ります。前回ある程度創り込んでるので、今日は細かい最終調整です。
 今回のミックスで特に心掛けた事と言いますと、「ミックスに勢いを持たせる」と言う事でしょうか。これはどう言う事かと私流に言いますと、「出したい音はガツンと出す!」と言う事です。前回、あまりにバランスを細かくキレイにとろうとした為、かえってちまちました消極的な音になってしまったので、それを反省点としてとらえました。聴こえたい音はしっかり出てないといけなく、つまり、フェーダーの上げ方はちまちまと演るのではなく、「ガツンと演らなくてはいけない」と言う事なのです。しかし、実はこの「ガツンと出す!」と言うのは簡単な様で簡単ではないのであります。上げたい音を好きなだけ上げるのは良いとして、その事で他の音を聴こえなくはしたくないのです。私が注意してるのは、上げたい音を上げる時、上げたくない倍音まで上がってはしないかと言う事ですが、この倍音とはその周りの音が何かで変って来ます。ここのポイントがしっかり聴こえていれば、ガツンと上げれると言う事なのでしょうね……なぁ〜んちゃって、難しそうに書いちまいました。

 「気になる僕の未来の行く末」のミックスも終り、これで全部終り……と思いましたが、せっかく借りてあるコンプのデモ機を使って、「再度【永遠の踊り子】のミックスを演ろう!」と言う事になりました。青ちゃん曰く、「これ使ってベース演ろう!」と言う事です。私としてはもう「永遠の踊り子」のミックスには満足してたのですが、「だったら演るかぁ」と言う事になりました。ですが、今日は夜に他の仕事が前々から入ってまして、18時出終了。私は後ろ髪をひかれる思いでスタジオを後にしました。

2004年5月18日火曜日 レポートBy よすお
 今日も11時から開始で、しんちゃんは黙々と「永遠の踊り子」のトラック・ダウンを進行していますが、連日の疲れか休憩が多いです。約1ヶ月、相当の集中力を使ってるので、疲れ方も半端じゃないはずです!

 しんちゃん、今週は電車通勤なんですが、昨日の帰りは小田急ロマンスカーの指定席を禁煙席で取ったはずが喫煙席で、タバコ嫌いのしんちゃんにとっては地獄の1時間だったらしいです!帰りだったからまだ良かったものの、来る時だったらそれこそ大変、一日中機嫌悪いと思われます! 今日は間違えないでね(^^ゞ。

 休憩を大目に取りつつ比較的ゆっくりペースで、「永遠の踊り子」の途中までで今日は終わり。明日はいよいよ全曲完成です!

レポート:吉岡 よすお

2004年5月18日火曜日
 前日夜の仕事(リハでした)もきつかったのか、私の疲れはピークに達してしまってる様です(おまけに、リハーサル前に一度自宅に戻るのですが、その時に乗ったロマンスカーが喫煙席だったのにも参りました)。実は今日も明日もそのリハがスケジュールに入ってますが、「昼間ミックス、夜リハ」と言うのは殺人コースの様な気もします。ま、愚痴はこの辺にして、「永遠の踊り子」の続きです。実はこのスタジオは明日も使えますので、この曲は明日まで時間を使い、のんびり演らして貰う事になりました。それにしても、よすおさんも青ちゃんもタッキーも、みんな優しいなぁ〜……と言うよりか、私のテンションが低い時に何を言っても始めから無理と思ってるのか…。

 さて、先日から借りてるコンプのデモ機をベースに掛けてみますと、……やっぱり良いです。それから、私はそのコンプをテレフンケンのV74と一緒に使いましたが、このコンビネーションが実に良いのであります。V74はライン・アンプみたいな物で、私はこれをディスクリート物の機材と組み合わせる事が多く、そうする事により、ディスクリートの機材に真空管の暖かみを少しだけ足す事が出来ます。実はこの曲はベースをフェンダー・プレシジョン・ベースを使用しているのですが、V74のお陰も有ってとてもそれらしい良い音になりました。

2004年5月19日水曜日 レポートBy よすお
 4月5日から始まった今回のトラック・ダウンもいよいよ最終日です!今日は10時から開始で、僕はちょっと遅れて到着したんですが、しんちゃんは全然気付かず「永遠の踊り子」のトラック・ダウンに没頭してました。集中モード突入です!

 オープン・スタイルのお洒落なカフェでお昼を食べて、またすぐに作業に戻ります。慎重に音のバランスを取って、何度も確認をして、いよいよ「永遠の踊り子」のトラック・ダウンが終わりました!

 大体の曲順を決めて、CD−Rに焼いて貰って、それを聞きながら機材の片付けをします。『イデア・サウンド・スタジオ』での作業はこれで終了ですが、これから正式な曲順を決めなきゃいけないし、マスタリングだとかジャケットの事とか、他にも大事な決定事項が残っているので、アルバムの完成はもうちょっと先になります。

 何はともあれ、無事トラック・ダウンは終了しました。しんちゃん、アオチャン、タッキー並びに『イデア・サウンド・スタジオ』のアシスタントの村石君、萩谷君、どうもお疲れさまでした m_(_ _)_m。

レポート:吉岡 よすお

2004年5月19日水曜日
 さあ、ミックスもこれでホントに最後、今日が最終日です。

 「永遠の踊り子」も、結局前回のミックスよりも満足出来るものになりました。勿論、ベースのサウンドもそうですが、ハモンド・オルガンなども良い感じになりました。ケーナのリヴァーブもこだわって、AKGのBX−20とBX−15を使い分けました。

 今回は結局20タイトルのミックスを完成させましたが、実はバナナスにはまだまだ他にも曲が有ります。6月に入ったら、それらの曲もレコーディングするつもりです。
 あと、例のコンプも買ってしまいそうです……(結構高価だぞ!どうしよう!)。実際に自分で所有したら、この機材が何か、お知らせいたします(今回は借り物な為、ゴメンナサイ)。
 それから最近、青ちゃんはまたマイクを集め始めました……と言っても、青ちゃんは既に素晴らしいマイクを沢山持ってるのですが、いよいよ“ダイナミック系”にも手を出し始めた様です。私とタッキーと青ちゃんで自分達の持ってるマイクのテストなどしたら、結構おもしろそうです。実際私も最近AKGのD202E1(通称:ロケット)を買ってしまいましたし…(テストはまだです)。きっと近いうちに『夏祭りだよ!マイク・テスト大会』をする事になるでしょうから、その辺もこのHPにアップしたいと思います。
 最後に今回アシスタントを務めてくれた、イデア・サウンドの若人2人、村石君と萩谷君、御疲れさまでした。私は彼等を“アナログ信望者”にしてやろうと洗脳作戦を試みましたが、果たしてどうだったでしょうか?今後が楽しみな2人です。


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