巨神ゴーグ
  主人公側デザイン
 
 永野護氏
  デザインメカキャラ大全
安彦良和氏が原作・監督を務めており、キャラクター及び主要なメカのデザインを行っているが、永野護氏も一部のメカニックデザインを担当している。
永野氏の友人として知られる佐藤元氏もメカデザを担当しており、永野氏が主に戦車や飛行機などの重火器、佐藤氏が銃などの小火器を主にデザインした。
 
主人公側のデザインは、メインメカのゴーグ関連のデザインは担当していないが、水陸両用車輌「キャリアビーグル」のデティール設定及びゴーグ用武器の設定画を描いている。
  
 
 
 キャリアビーグルのデティール設定
 
[機体の概要]
劇中で主人公悠宇達が乗っていた水陸両用車両で、元々はGAILが開発した新型兵器であり、各種火器を装備し、充分な戦闘能力を備えていた。
5〜10人程度乗り込むことが可能で、ベッド等を備えたキャビンがあって充分な居住性を備えている。
 
 
キャリアビーグル自体のデザインはメインとなる設定画にはほとんど「YAS」のサインが入っており、安彦良和氏によるものである。 *設定画(1)〜(4)
ただし佐藤元氏によるとキャリアビーグルは安彦氏と佐藤氏の合作であり、最終的に安彦氏がフィニッシュワークを行ったと思われる。
「ゴーグは安彦さん、キャリア・ビーグルは安彦さんと僕の合作という感じです」 [アニメディア1984年4月号佐藤元氏コメント]
「キャリア・ビーグルは安彦さん一からデザインされていたけど」 [巨神ゴーグメモリアルアートワークス風間洋氏コメント] 
 
ただし、巨神ゴーグのオフィシャルサイトに掲載された当時の文芸設定制作を担当していた風間洋氏のコラムによると、設定画のほとんどは安彦氏がデザインしているが三面図などは永野氏が描いていたことが判明した。 (2011.1.1追記)
http://www.giant-gorg.net/column/05.html(巨神ゴーグWeb ゴーグ・設定時のささやかな思い出)
 
ここからはワタシの想像であるが、キャリアビーグル(5)と描かれたシートが永野氏によるものではないかと思われる。
このシートには、車体後部に設置された対空銃座も一緒に描かれているが、その横に併記されている「*ブローニングM2キャリパー12.7MM」というカキコミがも永野氏の筆跡に非常に良く似ている。
他のキャリアビーグルのシートにはすべて「YAS」と書かれているがこのシートのみサインが無い& 車体の陰も他の設定画と異なりマーカーで書かれている なども理由に挙げておく。
 
永野氏自身もマイアニメ1985年5月号でキャリアビーグルのデザインを担当した旨のコメントを残している。
これはキャリアビーグルに搭載された火器や内部図、砲塔詳細図、メインキャビンなどの詳細部の設定画を描いているということを指すと思われる。
スタッフ用の資料「メインメカニック集」に掲載された設定画のサインにより確認)。
 なお、それらの設定画が書かれたのは1983年6/24〜7/8の期間である。
「『ゴーグ』では、ガイルが使っていたダイノソア、例のデカい4本足・・・とか、キャリアビーグルなど、サブ・メカもいろいろやっています。」 [マイアニメ1985年5月号] 
「それ(バイファム)以前は、『巨神ゴーグ』でもキャリア・ビーグルなどのデザインを手がけている。」 [マイアニメ1984年10月号]
「こういう中の構造(キャリア・ビーグル)なんかはくりす(永野)が描いたりしてるんですね」 [巨神ゴーグメモリアルアートワークス風間洋氏コメント]
 
 
スタッフ用に配布された資料「メインメカニック集」には永野氏が書いた各種メカに対しての諸元表(スペック表)が掲載されており、このキャリアビーグルについても記載されている。
 
その資料によると全長18.9m、全高4.4m、全幅9.4m、重量312t(車体のみ232t)、エンジンは「マイバッハHS-120R」+「ターボチャージャー4発」及び水流(ハイドロ)JET2発であるとのこと。
このエンジンに記載された名称「マイバッハ」は、現在ベンツなどで知られるドイツの自動車メーカー「ダイムラー」傘下のエンジンメーカーであり、WW2時代のドイツ戦車のエンジンのほとんどを手がけていたメーカーである。

 
武装に関しては以下の通りとなっている。

機体前面に設置されたメイン武装「175mm加濃砲(形式:クルップFL.37)」
機体中央左側に設置された対空用2連機関砲「40mm機関砲(形式:ボフォースEMT.207)」×2門
機体後部の機関銃「12.7mm重機関銃(形式:ブローニングM2)」
スモークチャージャーや追撃用に使用された曲射砲「120mm曲射砲」×6門
 
その他に「E.FAL」や「イングラムM10」、「M1911A1ガバメント」「P-38」などの携帯銃が車内にあったと設定されている。
なお上記のうち、「175mm加濃砲」「40mm機関砲」「12.7mm重機関銃」についての永野氏が描いた設定画が存在する。

 

 
設定画

キャリアビーグル車載機銃.ブローニングM2フィフティキャリパー50口径12.7mm重機関銃
永野氏によって描かれたキャリアビーグルの詳細設定画。
キャリアビーグルの後部に設置された機関銃の設定画で、異なる視点からの設定画が3点、銃弾装填部拡大画、キャリアビーグル設置状態解説図、対人比較図の6点の設定画が1枚のシートに掲載されている。
 
このブローニングM2は永野氏オリジナルの機関銃ではなく、実際に存在する機関銃(WW2頃にアメリカで開発された)であり、設定画もほぼ実際の機関銃とデザインは変わらない。
ちなみに口径が50口径(0.5インチ=12.7ミリ)である為にフィフティキャリパーとも呼ばれるらしい。
 
この設定画にはサンライズの関係者により「キャリアビーグル(7)」とタイトルが書き込まれているが、永野氏による手書きのタイトルは上記の通りである。
タイトルの他にも「くりす.83.7/5」とサイン及び日付が書かれているが、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
アニメディア1984年4月号P85に数点設定画が掲載されているが、サイン及びタイトルは掲載されていない。)
「巨神ゴーグメモリアルワークス」P137にサイン及び日付が書かれた設定画が掲載された。 2014.7.23追記
 
(連射中の機関銃銃身側部のレバーに対して)
「レバー前後に速く動きます.」
連射時に銃身側部レバーが激しく前後に動きますよと言う演出上での補足説明ですね。
 
(連射中の機関銃に対して)
「↑薬きょうアメ玉の様にドハデに下からおちてきます」
確かに設定画に薬莢が散らばって描かれてます。それにしても薬莢って銃身の下から飛び出てくるんですか?てっきり上に飛び出るのかと思ってました。
 
(薬莢装填部)
「上にあけて弾をいれます」
銃身中央部にある蓋をあけて弾をセットするみたいです。

キャリアビーグル内部図.
キャリアビーグルの全身透過図(車体の装甲を外した状態で描かれた内部解説図)と主砲軸部詳細設定画、機体中央左側に設置された対空用2連機関砲の3点が描かれた設定画。
全身透過図には各設備に対して永野氏によって名称が書き込まれており非常に興味深い。
 
この設定画にはサンライズの関係者により「キャリアビーグル(8)」とタイトルが書き込まれているが、永野氏による手書きのタイトルは上記の通りである。
タイトルの他にも「くりす.83.6/24」とサイン及び日付が書かれているが、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっていない。
当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
2014年に出版された「巨神ゴーグメモリアルアートワークス」にこの設定画は掲載されたが、タイトル及びサインは掲載されていない。 2014.7.23追記
 
設定画に描かれた対空用2連機関砲には35mボフォース砲間砲と名称が書かれているが、ボフォースとはスウェーデンの兵器メーカーのことである。
しかし、砲間(関?)砲という名称は調べた限りでは該当する名称は確認できなかった。
おそらく左右に同じ砲身がある2連砲であるので、そのような名称になったのではないかと思われる。
 
また、永野氏による諸元表には40mm機関砲(形式:ボフォースEMT.207)と書かれているが、設定画にはなぜか35mと書かれている。
おそらくWW2時における最も有名な対空兵器のうちの1つである1930年代初頭にスウェーデンのボフォース社が開発した対空機関砲を基に設定画を書いていると思われるので、40mmが正しいのではないかと思われる。
 
(ボフォース砲間砲について)
「↓35mボフォース砲間砲」「↑35m 500発入り」「←シート」「↑コンピューター」
500弾の銃弾は長方形のカートリッジに入って銃身側部にセットしている。
 
(透過図の機体左側面各部についての書き込み)
「水タンク」「ドライブシャフト」「ジェネレーター(発電器」「キャブレーター」「エンジン」
「ターボチャージャーブロック」「インタークーラー」「排気タービン」「タービンエキゾースト」
(透過図の機体右側面各部についての書き込み)
「砲弾トランク そのとなりトランク.(食料等)」「オイルリザーバータンク(ガソリンでなくエンジンオイル)」
「ジャイレーター」「クレーン回転用ギアー」「バッテリールーム」「キャビン下部.ガソリンタンク.」
「ドライブシャフト.電動ギアBOX」「チューブレスタイヤ」「ディスクブレーキ」
(透過図の機体前面各部についての書き込み)
「トランスミッション」「レーダー」「オイルクーラー」「油圧コイルダンパー」
(透過図の機体後面各部についての書き込み)
「排気口」「レジエター」「手動用リアハッチハンドル」「ハッチ用モーターシャフト」「その上.ABCリダクションシステム(エアクリーナー)」
「ピストン」「水流ジェットロービンファン」「サスペンションとディフギア」
よくぞここまで描き込んだものです・・・。
 
(主砲軸部について)
「↑薬きょう排出口.」「↑自動装填器.」「↑ちゅう?器」「↑レーザーレンジ」
一部文字が読めませんでした・・。たぶん「ちゅう追器」じゃないかと思うのですが・・。

 
キャリアビーグル砲塔システム(1)
キャリアビーグルの砲塔についての設定画。
砲弾がリボルバー状に収納されたコンベア室と給弾するスペースの設定画が描かれている(ここで装填トレーに給弾され、弾が上に運ばれ砲撃が行われるらしい)。
この砲塔内に射撃手が座るシートとコンソールパネルも描かれている。
砲塔周辺については4〜5話の辺りで詳しく描写されており、これらの設定画を見てから作品を見てみると色々と気が付かされる。
 
この設定画の永野氏による手書きのタイトルは上記の通りであり、タイトルの他にも「くりす.83.7/7.」とサイン及び日付が書かれている。
しかしながら、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
「巨神ゴーグメモリアルワークス」P137にサイン及び日付が書かれた設定画が掲載された。 2014.7.23追記
 
なお、永野氏による上俯瞰からの解説図が描かれており、このシステムでは4発撃ったらコンベアの中に弾を補給しなくてはならない欠陥があるとのコメントが掲載されている
(これは戦闘時の時間ロスを考えると厳しくないか・・?)
他にも給弾システム解説図も併記されている。
 
(砲塔の構造について)
「これだと4発うつと砲塔を元にもどして.コンベアーの中に補給しなくてはなりませんが・・・」
 
(砲塔の給弾機関について)
「1発うつごとにみぞにそって上にあがります」
コンベア内に立てられていた弾が横倒しになって装弾トレー内に入れられて、一発ずつ上に運ばれて発射されるみたい。
この形状だと空になった砲弾は外に射出されるのかな?
 
(砲塔内予備砲弾トレーについて)
「弾切れ.もしくは無装テンの時.ここからひっぱり出してトレーにのせる.6発しかない.」
砲塔内に収納するスペースがあり、6発予備の砲弾が収納されている。
コンベア内に砲弾が無い場合はここから人力で運搬して直接装弾トレーに投入する。

 
キャリアビーグル砲塔システム(2)
砲塔について詳細が描かれた設定画。
(1)と描かれている箇所はほぼ同一であるが、視点を90度程ずらして砲座及び装填トレーが良く見えるように描かれている。
他にも砲弾とヒトとのサイズ比較図も描かれており、それによると砲弾は大人の肩位のサイズ。
 
この設定画の永野氏による手書きのタイトルは上記の通りであり、タイトルの他にも「くりす.83.7/7.たなばた」とサイン及び日付が書かれているが、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
2014年に出版された「巨神ゴーグメモリアルアートワークス」にこの設定画は掲載されたが、タイトル及びサインは掲載されていない。 2014.7.23追記
 
(砲塔内の支柱について)
「ゴンドラの支柱は2本だけ」
 
(砲弾装填キャリアーについて)
「プロトタイプの悲しさゆえ.砲弾がつまったりするとここを空けてみてみるか.けっとばしてひっかかりをはずした方が早いとわかっている」
・・・・ワイルドですな。そういえば主人公達が乗るビーグルはプロトタイプって設定なんでしたっけ?
実際にアロイが詰まった砲弾を蹴っ飛ばしているシーンが4〜5話で描かれている。
 
(砲弾を供給するコンベアについて)
「コンベアーの中には3発.砲塔内に1発、計4発入ります。」
(1)で見た感じではコンベア内に10発くらい入りそうなのですが・・。イマイチよくわかりません。

 
対空砲座.1
原画スタッフの為に描かれた解説用設定画(左上に永野氏の字で(解説)と書かれている。)であり、設定画と言うよりはラフイラストに近い。
キャリアビーグルの左側に装備されている2門対空砲(対空砲自体もキャリアビーグル内部図の設定画に描かれている)の砲座の設定画である。
設定画シート全体を使用して、砲座に座って操縦桿?を握る砲手の様子や砲手座席が下に降りる解説などが描かれている。 
 
設定画には永野氏の字で「対空砲座.1」と書かれているが、その上に他の人の字でキャリア・ビーグルと追記されている。
サイン及び日付は「くりす.83.6/27」と書かれているが、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっていない。
当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
 
(砲手の露出について)
「頭かくれます.」
砲座自体はキャリアビーグル内部にある為に砲手の身体が外に露出することはない模様である。設定画によるとスコープで外の様子を視認する模様。
 
(砲手シートについて)
「コクピットへのドア」「シート下へ下がる」
砲手のシートが下にスライドして、コクピットへ繋がるドアに行くことが出来る模様。
 
(その他の書き込み)
「コンピューターブロック」「ターレット」
砲手の頭部付近には大きなコンピューターブロックがあり、砲座自体が回転銃座(ターレット)であることが補足説明されている。
ま、対空砲座ですので回転するのは当たり前っちゃ当たり前か。 

 
対空砲座.2
原画スタッフの為に描かれた解説用設定画(左上に永野氏の字で(解説)と書かれている。)であり、設定画と言うよりはラフイラストに近い。
対空砲座のコンソールパネルの詳細とシートの2点が、1枚のシートに描かれている。 
 
設定画には永野氏の字で「対空砲座.2」と書かれているが、その上に他の人の字でキャリア・ビーグルと追記されている。
サイン及び日付は「くりす.83.6/27」と書かれているが、今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっていない。
当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
 
(対空砲座コンソールパネルについて)
「スコープ」「トリム調整(誤差修正)」「メインレーダー」「スティック.前後で砲の上下.左右で砲の旋回」「単なる足のせ」
スコープや誤差修正パネル、操縦桿についての補足説明。
またシート自体がせり上がり式である為に足を乗せるフットペダルも描かれている。

 
メインキャビン.
原画スタッフの為に描かれた解説用設定画(左上に永野氏の字で(解説)と書かれている。)であり、設定画と言うよりはラフイラストに近い。
キャリアビーグル内部の居住区(キャビン)全景と外に繋がるハッチ部分が描かれている。
 
この設定画によるとキャビンは結構大きく、4つの折りたたみ式ベットやインターコムなどが確認でき、天井にはエアコンや照明を兼ねるABCリダクションパネルがセットされているらしい。
ちなみにA(アトミック:核)B(バイオ:ガス兵器)C(書き込み確認できず、放射能駆除の文字が確認できる事からクリーナーのCではないかと思われる)であるとのこと。 
 
設定画には永野氏の字で「メインキャビン」と書かれており、サイン及び日付は「くりす.83.6/27」と書かれている。
今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
 
(メインキャビン天井部について)
「ABCリダクションパネル.(エアコン.照明も兼る.」)「アトミック.核」「ガス兵器」「??.??兵器等の大気ろ化(特に放射能)」
ちなみに「かねる」は「兼ねる」が正解でつ。
 
(キャビンハッチ付近のハンドルについて)
「手動用ハッチハンドル」
電気系統が故障した時の非常用開放装置についての補足説明。
 
(その他のキャビン内の補足説明)
「おりたたみベッド4つ.」「水流ジェットのはり出し.」「水タンク」「インターコム」
ベットは左右に2段づつ収納されている。また左右の壁は水流ジェットがあるためにちょっと張り出していてうっかりすると蹴っつまずきそうですね。
(ハッチ部分の設定画について)
「メインハッチ内側より」

 
ガソリンハッチ.左右に1ヶ所.ずつ.
原画スタッフの為に描かれた解説用設定画(左上に永野氏の字で(解説)と書かれている。)であり、設定画と言うよりはラフイラストに近い。
キャリアビーグル後輪付近に設置されているガソリンハッチの拡大図とハッチ開放図、一斗缶から補給する様子などが描かれている 
 
設定画には永野氏の字でシートの中央に「ガソリンハッチ.左右に1ヶ所.ずつ.」と書かれており、サイン及び日付は「くりす.83.6/27」と書かれている。
今のところこれらのタイトル及びサインが書かれた設定画が掲載された書籍は見つかっておらず、当時製作スタッフに配布された資料のみでの確認である。
 
(後輪付近に設置されているハシゴについて)
「このハシゴの位置.リアパースと正面パースで場所が違っているのですが?」
・・・そういったことは直接御大に確認したほうがw。
 
(一斗缶から補給する様子が描かれた設定画について)
「ジェリカンから直接流し込みます」
ろうと等を使用しないとはなんとワイルドな・・・。
実際に8話でドメニクがキャリアビーグルに給油するシーンがあるが、この時は給油ホースの先端ノズルをガソリンハッチに突っ込んで給油している。
なお、24話でもドメニクが側面ハッチ横から補給しているが、本来ここはエンジンオイルのタンクという設定であり、ガソリンを補給しているシーンだとしたら間違っていることになる。
 
ちなみにジェリカンとは「ドイツ兵のガソリン缶」という意味で、名称としてドイツ兵の蔑称である「ジェリー(Jerry)」に因んでいるらしい(wikiより)。
ジェリカンは9話で水の補給などに使用されている。
 
以上8枚のキャリアビーグルに関して、設定画シートが確認されている。

 
時系列で纏めてみると、
 
安彦良和氏及び佐藤元氏によりキャリアビーグル(1)〜(4)の設定画が描かれる(詳細な日付不明)
6/24:永野氏によりキャリアビーグル内部図の設定画が描かれる
6/27:永野氏により解説用設定画5枚描かれる(対空砲座、メインキャビン、ガソリンハッチ)
7/5:永野氏の解説用設定画を元に佐藤元氏が「キャリアビーグルメインキャビン(1)」「キャリアビーグルメインキャビン(2)」の詳細設定画を描く?
7/ 5:永野氏が「キャリアビーグル車載機銃.ブローニングM2フィフティキャリパー50口径12.7mm重機関銃」の設定画を描く
7/5:佐藤元氏上記設定画を元にキャリアビーグル前面パース設定画「キャリアビーグル(5)」の設定画を描く?
7/ 7:永野氏砲塔システムの設定画を描く
などが確認できる。
 
また詳しい日付は不明であるが、設定画のサイン及び書き込み文字から佐藤元氏が以下の設定画を描いていたことが確認できる。
「キャリアビーグルコクピット(1)」「キャリアビーグルコクピット(2)」「主砲座(のコンソールパネル)」「運転席」「通信部」

 
この他にもキャリアビーグルに関しての設定画があるかもしれないが、現状では上記8点が永野氏によるキャリアビーグルの設定画である。

 
掲載雑誌
アニメディア1984年4月号 P85
  設定画完全一部書き込み(完全・一部) タイトル サイン 
キャリアビーグルの設定画が数点掲載されている
巨神ゴーグメモリアルアートワークス P136-138
  設定画完全一部書き込み(完全・一部) タイトル サイン 
キャリアビーグルの設定画が数点掲載されている
     
 
 
 ゴーグ専用改造180ミリ砲
 
[機体の概要] 
自走砲の主砲である「クルップFL-39 180ミリ加農砲」が取り外され、ゴーグが使用していた(10話以降)。
 
 
[掲載資料について] 
この武器について永野氏が描いた設定画は1点確認されている。
改造180ミリ砲や薬きょうの排出図、自走砲に設置されている際の解説図などが1枚のシートに描かれている。

 
シートには左上に永野氏の字で(解説)、 右下に「くりす83 6/30」と書かれている。
現在このシートが掲載された書籍は確認されておらず、当時スタッフ用に配布された設定集でのみでの確認である。
 
この他にも「*GORG専用改造180ミリ砲」とタイトルが書かれた180ミリ砲の設定画も存在する。
これは上記の永野氏による設定画を基に別人が書いた物であり、書き込みも明らかに永野氏の筆跡と異なる。
 
 
このゴーグ専用銃の運用方法・演出方法について安彦良和氏宛に補足用資料も描かれている。
  
1枚のシートに「安彦様 180MMゴーグ専用銃」とタイトルが書かれている。
「主砲軸部内射撃操作席解説図」や「射撃スイッチペダル」「180MM砲にゴーグ用スイッチを取り付けた図」の3点と、自走砲の主砲をどのようにしてゴーグに使用させるかのアイディアが綿密に記載されている。
「ゴーグが使用する自走砲身の発射システムですがいきなり戦車からブン取ってバコンバコンとうつのは絶対不自然ですよね? そこで色々考えた訳なのですが、まさか特注の砲[ガンダムバズーカ]である訳もないし引金をつけるわけにもいかないと思います. 戦車の砲には絶対にエマージェンシースイッチ(緊急発射システム)があり、砲の引金を引いても発火しない時電気的に発火させるスイッチがついています. そこでこのシステムを利用してゴーグのもつ所にスイッチを引いてやればよいと思います.」  [設定画 安彦様 180MMゴーグ専用銃] 
「*もちろんこうするために''ゆう,,たちが.このシステムを取り付けるシーンも必要だと思いますが.スイッチをビスか何かでつけるだけでよいのでそんなムツカシイ知識がなくてもできると思いますがいかがでしょうか?」  [設定画 安彦様 180MMゴーグ専用銃] 
「*ちなみに.戦車.自走砲の発射速度は1分間に6発程度. この自動ソーテン方法をもちいても10発が.限度だと思います.」  [設定画 安彦様 180MMゴーグ専用銃] 
このシートには「永の.6/7」のサインが書かれており、この23日後に「ゴーグ専用改造180ミリ砲」の正式な設定画が描かれている。
このシートについても、掲載された書籍は確認されておらず、当時スタッフ用に配布された設定集でのみでの確認である。

 


 
設定画
 
●ゴーグ専用改造180ミリ砲
砲身及び薬莢の装填方法や薬莢の排出図解、砲塔に設置した際の補足用設定画が1枚のシートに描かれている。
諸元表によるとこの砲身はクルップ社のFL-39.180ミリ加農(キャノン)砲という名称で、キャリアビーグルの砲身よりも長さが短いそうである。
 
なおこの設定画には永野氏のサイン「くりす 83 6/30」は書かれているが、タイトルらしきものは書かれておらず左上に(解説)と書かれているのみである(当時製作スタッフに配布された資料より)
 
(装填部拡大設定画について)
「マガジン内の油圧ピストンを下げておく、ザラザラと入れるだけ←7〜10発入ると思います」
「レシーバーをうしろにもっていって弾をマガジンに入れる」
レシーバーとは砲身の後ろに設置されている砲弾を送り込む装置の事で、取り外しすことが可能であるとの設定がなされている為非常にシンプルな構造。
 
((砲身について)
「ゴーグの引き金となるスイッチ」「レシーバー(弾を送り込んだり、すてたりする)」「ちゅう退機」「リード線」「レシーバー」
各種の部品についての書き込み。ゴーグの発射時の操作は砲身の上についているスイッチを押す形なのでライフルなどのように構えて撃ったり、片手で持つことは不可能ですね。
このスイッチについては劇中で優に説明させている(ゴーグに説明するというシチュエーションを使って)。
「制退機とマズルブレーキ必要以上の反動をふせぐ←不要に煙がとびちらないようにする」
砲身の先端の膨らんでいる部分についての解説。
 
((砲塔と砲身の接続部について)
「砲の上下はこのピストンで行っています」
「↓(砲身は)のっているだけ」
「これ(砲身下部の部品)ははずした方がいいかな」
砲身は載っているだけで、簡単に外れるらしい。
 
それにしてもなぜこんなに簡単に取り外せるのかちょっと不思議(ガイルにはゴーグのような人型兵器はないしねぇ)。
まぁ、ゴーグが取り外して使用するという演出ありきの設定画なんだろうけど。
 
  
安彦様 180MMゴーグ専用銃
初期に、この専用銃の運用についてアイディアを描いて安彦氏に提出している補足用設定画。
 
(主砲軸部内射撃操作席解説図について)
「主砲軸部」「薬きょういれ」「引金」「エマージェンシースイッチ(ふんずける)」「コード」
各部の名称について書かれている。
「射手の足元に(エマージェンシースイッチ)はついています.コマンダー用と共に通常2コ」
両方の座席の足元に丸いふんずける大きなスイッチが描かれています。
 
(射撃スイッチペダル)
「足」「まちがってふまないようにフタがある」「直径15cmくらい」
エマージェンシースイッチを踏もうとしている足が描かれている。
通常は間違って踏まないようにL字型のカバーで覆われているみたいです。
スイッチは結構大きい模様。


 
掲載雑誌  
 
-未確認-

 
 
 
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