知識一覧  
 
 永野護氏に関する色々な情報をまとめてみました。
ちなみに1980-1989・1990-19992000-20042005-20092010-20142015-その他と年代ごとにわけてまとめています。
  
 1978年
 
 1980年
 
◆永野氏が参加した同人誌「センス・オブ・さあど」
 
永野氏がデビュー前に参加していたサークル「アルカディアン」が発行していた同人誌の他にも、永野氏が参加していた同人誌が存在する。
その同人誌は「さあど」というサークルが発行した「センス・オブ・さあど」という同人誌で、永野氏は表紙及び裏表紙の題字のレタリング小さな妖精のイラストを描いている。
この「さあど」は川村万梨阿さんが永野氏と知り合う前から参加していたグループで、他にゆうきまさみ氏も参加していた。
 
永野氏が参加したこの同人誌は1980年9月にその年のコミケにて発売された。
表紙イラストは黒彪に跨るアムロとブライトで、ゆうきまさみ氏によるものである。
同人誌自体は20ページ程と非常に薄く、表紙はピンク色の紙を使用している。ちなみに目次とあとがきに永野氏の名前がある程度で、残念ながら本編に永野氏の参加した様子はない。
 
この「センス・オブ・さあど」は「さあど2」と呼ばれていたらしく、これ以前に4冊程度発行されていたとのこと。
最初の「サードVol.1」は、1977年12月発行で、このシリーズ最後?の「サードVol.4」は、1979年1月に発行された。
万梨阿さんはこの4冊にかかわっている可能性があるが、永野氏は全く関わっていないと考えられる。
何故なら永野氏と万梨阿さんが最初に逢ったのが1979年12月では考えられるため。
この後、発行人が万梨阿さんに変わったのでひらがなの「さあど」になったと考えら、その後永野氏が参加したのではないかと。  (情報提供:やま様)
 
 1982年
 
◆永野護氏の華麗なる前身(イデオン編) (参照:マイアニメ1985年05月号&ジ・アニメ1984年04月号付録「WHO'S WHO」)
  
永野氏がエルガイムでデビューする前にコスプレ活動していたというのは有名(?)で、富野氏監督の伝説巨神イデオンでは永野氏はバンドを組んで宣伝協力していた。
当時の資料によるとイデオン映画版のイベントに「ミルキーモスラ&マグナムトラバーユ」というバンドで参加し、「ディスコイデオン」などをレコーディングしていた。
  
その後詳しい事が判明。その頃永野氏は「アルカディアン京都」というグループに所属し、イデオンのイベントに参加していた。
ちなみに永野氏がレコーディングに参加した「ディスコイデオン」という曲は、ガンダムイントロからはじまる凶悪な曲だったとか(笑)
  
ちなみにこの曲はTV版、映画版のイデオンのLPには収録されず完全にイベント専用である(レコーディングスタジオで収録が行われた)。
この曲は1982年5/5に東京晴海で行われた「イデオン打ち入り祭り」というイベントでこの曲を使って踊りまくろうという企画で作られたとのこと。
 
このときの様子がテレビで放映されたのが「イデオン特番」(1982年6月27日)という番組で、地方用の30分と東京、大阪放映での1時間半番組のものがある。
この様子が放送されたのはキー局の方のみだったそうで、地方版の30分番組はもっとまじめな構成で、全然こういったシーンはなかったとか・・。 (情報提供:やま様)
 
某動画サイトにて当時の映像を確認した所、永野氏が映ったのは5秒弱で、シャアのコスプレをしてベースを演奏しているというかなりショッキングな映像であった。 2016.2.2追記 
 
 1984年
 
◆永野護氏による「巨神ゴーグ」のメカニック諸元表(スペック表)
  
永野氏がエルガイム製作開始前に、サンライズ製作の「銀河漂流バイファム」や「巨神ゴーグ」にゲストデザイナーとして参加している事は良く知られている。
各書籍や雑誌に永野氏による設定画が多く掲載されているが、永野氏によるゴーグに登場するメインメカニックの詳元表が存在することが判明した。
※諸元表・・・メカニックのサイズ、重量、出力、武装といったスペックをまとめたもの 
  
その諸元表は残念ながら書籍や雑誌に掲載されたものではなく、ゴーグに登場するメカニックキャラの設定資料をまとめたものであり、アニメーターなどのスタッフにコピーして配られたものと思われる。
資料の最初のページにはゴーグのロゴと「メインメカニック集」と書かれた約80ページほどの資料集で、主にゴーグやキャリアビーグル、戦車や飛行機、拳銃などの番組初期に描かれたメカニックデザインの設定画が掲載されている。
  
その中に6ページ、永野氏によって書かれた諸元表が掲載されている。
掲載されたメカは、ゴーグ、キャリアビーグル、ダイノソア、スカイクレーン、スーパーハリアー、バッソー、メルカバ・エスクワィヤー、エクスプローラー、モッキンバード、モダーンの12種。
  
これらのメカの設定画の下に永野氏によって名称と形式、大きさ、重量、エンジン種類、出力、最高速度、武装、乗員などのスペックが書かれている。
その他にも演出や作画担当者を対象とした、戦車射撃時の砲身挙動やヘリ発進時の特徴などの補足説明も書かれている。
ちなみに安彦氏がデザインしたゴーグのスペックは全長以外全て不明とされている。
  
すべての諸元表のページには「くりす.7/12」のサインと日付が書かれており、1983年7月に書かれた資料である事が解る。
この資料が各アニメ雑誌などに掲載されたのかも知れませんね。
 
◆エルガイム放送直前特番
  
放送に先立ち、富野監督・声優を招いてのテレビ特番が放映され、永野氏も出演していた。
番組中に実際に永野氏がエルガイムか何かのイラストを描くという趣向だったらしいが残念ながら完成しなかった(笑)。
  
なんとこの番組を見ていらっしゃった方からタレコミ情報提供アリ!!
永野氏は、プラスチックの透明な大きな板の向こう側からエルガイムと主要キャラのイラストを描いていて、まるで水森アド状態だったとか(笑)。
絵は番組開始時にほとんど出来上がっていて、影なんかを更に加えている感じだった。
番組時間内で描いてもらうと司会者は説明していたが、結局最後はほったらかし状態・・・・。
 
永野氏は4、5カットほど登場したが質問や話はなかった。
当日の永野氏は白いシャツにネクタイ姿で、黒っぽいマフラーを首にかけていたそうである。    (情報提供:やま様)
  
アニメック1984年4月号にこの特番の様子がリポートされ、永野氏が描いたイラストなどの写真が掲載されている。
番組ではエルガイム・ダバ・アム・キャオ・レッシィが写っていたが、他にもリリス・ポセイダル・ネイ・ギャブレーも描かれていたことがわかる。
 
◆エルガイムのサントラLP
放映当時発売されたエルガイムのサントラレコードに永野氏ネタがないか調べてみた。
エルガイム1
インスト内の作品紹介に永野氏関連の設定画などのネタはみられず。ジャケットも永野氏によるものではない。
エルガイム2
インスト内の作品紹介に数点設定画あり。ただし初出はなし。永野氏のコメント等はなし。ジャケットも永野氏によるものではない。
エルガイム3
インスト内の作品紹介に数点設定画あり。レッシィの後半の設定画に永野氏の設定画への書き込み多数。髪型のシルエットを菱形(後ろから見て)にして!とかそれなりのものが数点。ジャケットは永野氏によるものではない。
エルガイム 
オッデセイ1
作品紹介に永野氏関連のネタはみられず。ジャケットも永野氏のものではない。
エルガイム 
オッデセイ2
作品紹介に永野氏関連のネタはみられず。ジャケットも永野氏のものではない。
これらのLPのレコードリールも確認したが、永野氏のイラストは使用されていなかった。
 
◆「森永チョコレート 重戦機エルガイム」のスクラッチカード
  
森永から発売されたエルガイムのチョコレートにおまけとしてスクラッチカードが付いており、そのカードの表面にエルガイムのイラストやキャラ・メカのセルシートなどが印刷されていた。
  
1984年のエルガイム放送当時に森永からエルガイムのチョコレートが発売されている。
チョコレートは森永の普通の板チョコ(森永ミルクチョコレート)であり、パッケージがエルガイムのイラストに変えられているだけである(の3種類のパッケージが存在する)。
このチョコの中にカードが封入されていた。
  
ちなみに、このカードの裏面がスクラッチクジになっており、3点分集めるとバンダイのエルガイムのプラモデルがもらえるというものであった。
このカードの表面には、様々なエルガイムのイラスト等が印刷されていた。
それらは(現在判明しているのは)大きく分類すると「プロモーションや雑誌の表紙などに使用されたイラスト」・「キャラクターやメカの設定画」・「放映されたエルガイムの1シーン」の3種類に分けられる。
  
現在のところ判明したカードは10種類で、
 
1.プロモーションや雑誌の表紙などに使用されたイラスト
これらはほとんどが重戦機エルガイム大全の巻頭ギャラリーに収納されているので、そちらを確認して欲しい。
    
エルガイムmk.1イラストその1・・・販売促進などに使用されたイラスト。永野氏が描いており、足元にスパイラルフローに乗ったダバも描かれている。(重戦機エルガイム大全P1-01のイラスト参照)
エルガイムmk.1イラストその2・・・販売促進などに使用されたイラスト。北爪氏が描いたと思われる設定画に色をつけたもの。(重戦機エルガイム大全P2-02のイラスト参照)
エルガイムmk.1イラストその3・・・販売促進などに使用されたイラスト。北爪氏が描いたと思われる設定画に色をつけたもの。(重戦機エルガイム大全P2-03のイラスト参照)
エルガイムmk.1イラストその4・・・コミックボンボン1984年11月号の同製品広告に掲載されている。模型情報1984年1月号表紙イラストと同一。永野氏らがグループ製作したイラスト
 
2.キャラクターやメカの設定画
  
ダバ・マイロード・・・フードをかぶったダバの等身大設定画。
リリス・ファウ・・・等身大設定画。
デスクス・・・後部に銃座を備えたフロッサー。操縦席にダバが座り、横をアムが歩いているのが印象的な設定画
民間用アローン・・・B級MH。コミックボンボン1984年11月号の同製品広告に掲載されている。
主要キャラ5人・・・ダバ・アム・レッシィ・リリス・キャオが一緒に描かれた設定画。
  
3.放映されたエルガイムの1シーン
  
ゼッタに腕のアキュートを突き刺すエルガイム
  
以上10枚が現在確認されている。勿論それ以外にもカードがあると思われる。御存知の方はゼヒ掲示板に御報告頂けますと幸いです。
ちなみにこのカードはチョコを包む銀紙に糊付けされているので、非常に剥がしにくいというコレクター泣かせな一品である。
  
  
◆重戦機エルガイムスタッフ用設定資料の表紙に永野護氏のイラストが・・・
 
永野氏がサンライズで重戦機エルガイムのスタッフとして働いていた際に、エルガイムに関する設定画の小冊子(A4コピーを束ねた)が作画スタッフ等に配布されている。
キャラクターの設定画が60枚程度掲載された「重戦機エルガイム VOL.1人物設定」と、メカの設定画が70枚程度掲載された「重戦機エルガイムVOL.2 メカ設定」の2種を確認
 
この設定画集の表紙には、いずれもこの設定画でしか見ることが出来ない永野氏のイラストが掲載されている。
(VOL.1にはダバが左手を横に挙げているポーズのシルエット、VOL.2には両手を横に挙げているエルガイムのシルエット) 
VOL.2のエルガイムのイラストは何故かアニメ雑誌に掲載されたアニメーター養成講座の広告にも掲載されている(アウト1984年3月号P122)。
 
上記2冊は番組放映前に配られたものであるが、その後さらにVOL.3が作られ配布されていることが判明した 2012.6.4追記
このバージョンにはオージェとアローンのバストアップイラスト(もちろんオリジナルのイラスト)が描かれ、「設定増刊 メカVOL.3」と書かれている。
 
その後VOL.4も存在したことが判明。 2014.7.28追記
「設定増刊#15〜#30 メカニック VOL.4」とタイトルが書かれていた。
その他に、サークル状のバインダーとバスター(パワー?)ランチャーを持つBテンプルの横視点イラストが描かれている。
このイラストは2011年に出版された「ファイブスター物語リブート1巻P193」に掲載されており、永野氏のサインなども確認できる。
 
更に、「設定増刊 キャラクターズVOL.3」も存在していることが判明した。 2016.2.3追記
表紙には大きくポセイダルのバストアップイラストが描かれ、その横にも小さくレッシィ・リリス・リーフ・ギャブレー・ネイも描かれている。
イラストの他に「なんか同人誌みてぇ...」「くりす84.2.15」と書かれている。 
 
設定資料集だけではなく、仕上げ色指定に関する設定をまとめた資料の表紙にも永野氏のオリジナルイラストが描かれていることが判明。 2014.7.28追記
エルガイムのフェイス部分に被せてダバの後ろ姿が描かれたイラストで、現時点では書籍等に収録されているのは確認できていない。
 
  
 1985年
 
◆重戦記エルガイムフィナーレBOOK
  
アニメージュ1985年03月号に付いていた付録冊子。北爪氏や大森氏のイラストなどが掲載されているが、残念ながら永野氏のイラスト・コメント等は一切掲載されていない。
永野マニアの方はご注意(笑)。
この本の内容は、主な登場人物の紹介・原画紹介・今川氏&杉下氏&大森氏&北爪氏&池田憲章氏による座談会など。
 
◆ファンロード1985年4月号
  
趣味のエルガイムという特集が組まれているが、残念ながら永野氏関連のネタはない。永野マニアの方は注意しましょう(笑)
 
◆ニュータイプ創刊準備号
  
ニュータイプには公式に発売された創刊号以前につくられたテスト版が存在する(表紙はダンバインのチャム・ファウ)。
コンセプトや参加予定のヒトについて掲載され、主に関係者に配られた。
  
その後、縁があり入手する事が出来た。話によると本屋さんなどにこのサイズですよ〜という趣旨で配られたモノで最初と最後の数ページ以外は白紙である。
  
エルガイムの最終回の記事のテスト版(創刊号に使用されたモノとは異なる)や、創刊号から始まった原田知世さんのワンダーショットの第0回、同じく連載予定の声優へのインタビューコーナー「CHARACTERVOICE」の第0回に我らが川村万梨阿嬢が登場し、デビューしてからの事やこれからのことについてのコメントが掲載されている(創刊号のこのコーナーは野村宏伸さん)。
  
永野氏ネタも多少あり、2ページ見開きでドーンとイラスト(エルガイム2の表紙に使われた「SUNSET」)が掲載されていたり、目次にFATIMAのイラストがカットとして使われている。
ニュータイプ1986年4月号にて5名にプレゼントされており、表紙の絵柄はここで確認できる。
 
◆スターチャイルド社製作の機動戦士Zガンダムポスター
  
このポスターはスターチャイルド(レコード会社)でプレゼントされたもので、この会社が発売したLP「ZガンダムオリジナルBGM」Vol1,2を購入するとレコード店で貰うことが出来た。
  
絵柄は、アーガマのブリッジとガンダムマーク2とリックディアス。このポスターの製作に永野氏が関わっていて、ポスターの右端に
 レイアウト:永野護
 イラスト:横山幸博
 作画:小林利克
 セルワーク:???(すれてて判読不明)  と記載されている。おそらく大体の原画のみ永野氏が行ったのと思われる。 
セルワークは田中達之氏であったことが判明した 2012.3.4追記 情報提供:じふりち様
 
仕上げは他の人が行っているためか、あまり永野氏の画風は感じられない。
このポスターの絵はまんだらけzenbu4やアウト85年07月号で見ることもできる。
 
◆永野版マジンガーZ(笑)
  
某掲示板にて永野氏がデザインしたマジンガーZの設定画がOUTに掲載されているという書き込みを見かけ、調べてみたら1985年12月号にそれらしきものが確認できた。
「巨大ロボット特集・よみがえれ!スーパーロボット!!」という特集内にマジンガーZとエルガイムをミックスしたOUTお得意のパロディー記事「重合金マジンガイム」が掲載されていた。
  
エルガイムの主要キャラとマジンガーZの登場キャラをこれまたミックスした摩訶不思議な設定画が掲載されている。
掲載されているのはエルガイムとマジンガーをミックスしたマジンガイムや、ダバと兜甲児を掛け合わせたものなど悶絶モノが多数掲載されている。
その他は、アム(弓さやか風味)・パイルダー(ジェットスクランダー風味)・ネイ(Drヘル風味)・アローン(ボスボロット風味)・アシュラテンプル(ダブラスM2)・レッシィ(あしゅら男爵)などなど。
これらはそれぞれエルガイムの設定画にちょっと書き足したり首を差し替えたりしているだけなのですが、妙に永野氏ッポイ感じが見受けられる・・・・・が、
  
・・・・・もちろん永野氏によるものではない。ウソッパチ企画である(笑)。
  
・・・しかしながら妙に説得力があったりする(笑)。
上記のBBSに書き込んだヒトが、永野氏が描いたモノだと勘違いするのも納得・・・かも(笑)?
わたしも最初見たとき永野氏が描いたモノだと思いましたもん。ある意味必見デスよ。
 
◆エルガイム3の対談で永野氏がコメントしている同人誌に描いたメッサーシュミットとは?
  
エルガイム3の永野護氏と大森英敏氏の対談P35に以下のような永野氏のコメントがある。
永野氏:「東京に出てきてた友達が同人誌をやっていて、何か描けっていわれたのが、アニメとの接点。」
大森氏:「何描いたの?」
永野氏:「メッサーシュミットなんかの戦車とか描いたんだけど(以下略)」
  
このメッサーシュミットとは、第二次世界大戦前の1927年に設立されたドイツの航空機メーカーで、第二次世界大戦時にはドイツ軍の戦闘機などを生産している。
上記の永野氏のコメントを読むとメッサーシュミット社が製造した戦車を描いた様に読み取れるが、私が調べた限りではメッサーシュミット社が戦車を製造した記録はない。
おそらくメッサーシュミットなんか(や、)戦車とか描いたと発言したものと想像できる。
  
上記内容から調査した所、当時永野氏が参加していた同人サークルが発行していた「アルカディアン(全15冊)」のVol.2にメッサーシュミット社の代表的な戦闘機「Bf109」が描かれていることが判明した。
このBf109は第二次世界大戦時のドイツ戦闘機の中でも極めて有名な機種である。
松本零士氏の作品「わが青春のアルカディア」に登場するファントム・F・ハーロックII世大尉が搭乗した機体としても知られ、この戦闘機は作中でアルカディア号と呼称されている。
  
Bf-109にはさまざまな形式があり、Bf109の後にアルファベットや数字が付けられている(永野氏が描いたイラストの機体には「Bf109G-6/R3」と書かれている)。
形式の見方としてはBf109の後ろに機種によってA〜H、K、S、T、Z等のアルファベットが振られ、その後に改修毎の種類数字が記載される。
この「Bf109G-6/R3」とはG型機種(Bf109シリーズ最多量産型機で大戦後期の主力機。)の6種類目の機体ということ。
G型は以前のF型からエンジンの変更、キャノピーの防弾処置が施された程度の改修が実施された機種。G-6はこのG型の中でも最も多く生産されたタイプで機首の機関銃が強化されている。
その後のR3という形式は、「R」が戦場での現地改修仕様を表し、「3」は胴体下に300リットルの増加燃料タンクが追加された長距離用機種であることを示す。 (Specialthanks:K-5様)
  
このイラストは見開き2ページにわたって大きく描かれ、イラストの横には「Mamoru Nagano 78.sep.8.」と書かれており、永野氏が18歳の頃に描いたイラストであることが解かる。
なお、永野氏が描いたこのイラストではプロペラ部分が省略され、描かれていない(機首部分を詳しく描く為)。
  
イラストだけでなく、機関銃・キャノピー・着地用車輪・指揮官機用マーキング・ピトー官などの各部分にキャプション、機体の機種番号についての解説文も書かれている。
どちらかというと、ドイツ軍での使用用途についてだけではなく、わが青春のアルカディアの機体についての説明にもウェイトを傾けており、ハーロックII世大尉が台場正を機体の胴体部に押し込んで飛行したことや、II世大尉が着地に失敗した劇中のシーンについても永野氏が持つ軍事的な知識を踏まえて解説している。
なお、ハーロックII世大尉が搭乗した機体には胴体部の黒十字マークの中に髑髏が描かれていたが、このイラストの胴体部は羽根で隠れているために、ハーロックII世大尉のアルカディア号として描かれたのか、一般的なBf109G-6として描かれたのかは不明。
  
永野氏の解説文によると、松本氏のマンガでは米軍戦闘機「P51」をBf109G-6が撃墜しているシーンが良く描かれているが、実際は大戦後期に使用されたこの機体は逆に撃墜されることが多かったことや、352機の撃墜記録を持つドイツ空軍のエース「ハルトマン」が永野氏にはハーロックII世大尉のように思えていたこと、松本氏のマンガに良く出てくるスパンダウという名称がソ連の刑務所の名前であるなどの記述もあった。後年、永野氏もFSSでスパンタウゼンという名称を持つキャラクター(イオタ宇宙騎士団)を登場させている。
解説文の最後には「しかし、何でオレ、ヒコーキなんてかかにゃーいかんのよ・・本当は戦車描きたいし、バイクも、ベースギターも女も・・・・」という当時の永野氏による心の叫びが書き込まれている。
  
  
戦車に関しては、アルカディアンVol.11にドイツ軍戦車「キングタイガー(6号戦車タイガーII)」が描かれている。
砲塔は一般的なヘンシェル社用ではなく50機位にしか生産されていないポルシェ社用の砲塔である。
他にも永野氏による架空の戦車のイラストも2種、同誌に掲載されている。
この3つは2007年2月に同誌がオークションに出品された際の画像に映っていたために見たことがある方も多いと思われる。
  
他にもVol.12に永野氏が描いたドイツ軍の4号戦車J型(4号戦車の最終生産型)や2号戦車L型(永野氏が大好きな「ルクス」のこと)のイラストが掲載されている。
また、ドイツ軍戦車とアメリカ軍戦車のキャタピラパターンもVol.5に掲載されている。
  
  
余談ではあるが、永野氏が描きたーいと叫んだバイクとベースギターに関しては同人誌アルカディアンに以下のイラストを描いている。
バイク:ヤマハRZ-250・ヤマハRZ-350・カワサキZ-400・カワサキ500SSマッハIII・ハーレーワイドグライダー・ハーレーSX.Ltd.SR
ベース:フェンダー社プレジションベース・フェンダー社ジャズベース・リッケンバッカーIC社#4001
ギター:ギブソン社レスポール・フェンダー社ストラトキャスター・ギブソン社フライングV
  
描きたくなーいと書いているヒコーキに関しては、ドイツ空軍Bf109G-3、アメリカ空軍F-15・F-16・F-18や、ITC制作「キャプテンスカーレット」に登場した飛行機「エンジェルインターセプター」などや、オリジナルの機体2種のイラストが描かれ、掲載されている。
 
 
 1986年
 
◆アニメディア発行Zガンダム1986カレンダー
  
アニメディアから1985年に発行されたカレンダーで永野氏のイラストが使用されている。ちなみに描かれていたのは永野版のカミーユとエマさん。
  
このカレンダーは一般に販売されたものとは別に、販売促進用に配られたものが存在する。
主な違いとしては一般販売用には付ついていたプレゼント用の色紙が掲載されていたページ(永野氏によるイラストが描かれた色紙も2点ある)が販売促進用には付いていない。
また各ページの下に「テクノジョイECCSエックスマルゼンムセン」の文字が印刷されている。東京都神田のお店であるがどういった由来で製作されたのかは判明していない。
  
カレンダーの部分は5&6月用ページの永野氏のイラストを含めて違いはない。・・・・といってもこのプレゼントページがあるとないとでは、エラク差があるのだが。
余談だが私が所有しているのは販売促進用の方。うぉぉぉ〜〜ん(ToT)。
ただし永野氏イラスト入りサイン色紙のハンブラビが描かれている方は、実はワタシが所有していたりします。エヘ。
  
◆デルパワーX
  
永野氏が参加した知られざるアニメ作品。ちなみに詳しい作品名は「デルパワーX 爆発みらくる元気!!」。1986年12月21日にコロンビアからOVAとして発売された。
この作品には、コネで多数の著名デザイナーがキャラデザ参加している。
永野氏の他に芦田豊雄氏・いのまたむつみさん・美樹本晴彦氏・しげの秀一氏・出渕裕氏といった壮絶なメンツが参加し、その作品があまりに・・・・・であったことも相まって極一部で伝説になっているとか(笑)。
ちなみに内容は特撮のオマージュとも言えるものだった。
  
永野氏がデザインしたのは茶里世句人という主人公の担任教師。ちなみに発表当初は栗栖先生という名前だったとか(笑)。
この企画はジアニメ紙上で企画されたものであり、茶里先生の設定画やイラスト、コメントなどが多数掲載されていた。
 
 
 1987年
 
◆フールフォーザシティの初版
  
FFCの初版の単行本は、それ以降の判とは巻頭カラー扉の絵が異なる
  
初版・・・悪魔の髑髏とカレンが描かれている。「Dedicated to Fatima」というタイトルあり。FSSの単行本1巻(改訂前)のものとほぼ同じ。
それ以降・・・音符のオブジェが置かれた台が描かれている。
  
初版とそれ以降の物では背表紙のFFCのロゴの下地が異なる。初版が青色でそれ以降が銀色である。  (情報提供:くない様)
初版とそれ以降の版の違いとして、ニュータイプ連載当時に漫画の欄外に描かれていた落書きや書き込みが初版にはそのまま掲載されているという違いもある。 2006.10.19追記 (情報提供:aIII様)
 
◆ボークスでFSS単行本1巻を購入したら永野氏のサインが書かれていた!
 
2003年11月頃ヤクオクに永野氏のサイン入り単行本1巻が出品された。出品者のコメントによると「ボークスで直筆サイン入り単行本1巻を購入した」との事であった。
書かれていたサインは「Mamoru Nagano 87. 12/21」。この日付はスーパーノヴァのイベントの翌日であるが、特にサイン会が行われてはない。
ただし以前ボークス日本橋店に飾られていたサイン色紙と同じ日付である。
 
以上の内容から、スーパーノヴァのイベント翌日にボークス関係者に対して永野氏がサインやイラストを描いてプレゼントしていたものと思われる。
他にも、同じ日にサインが書かれた1/100ブラッドテンプルのガレージキットも確認されている。
おそらく関西周辺のボークスでこのサイン入り単行本は販売されたと考えられる。
 
 
 1988年
 
◆テラホークスのポストカード
  
トイズ発行の永野氏のイラストが使われたポストカードには、テラホークスのイラストが3点あるが、このなかの1枚はこのポストカードでしか見られないものである。
  
もともとこの3点のイラストは角川書店100%コレクション「メーキングオブテラホークス」のために描かれたもの。
そのうち2点(CUBEとZEROID)は表紙と裏表紙に使われたが、テラホ−クスに出てくる飛行機を描いたイラスト(THE BATTLEHAWK)は残念ながらページの都合で開催されなかった。
そのため、このポストカードで初めて公開された。 (情報提供:谷川Uなぎ様)
 
◆幻と消えたOVA「テールズ・オブ・ジョーカー」
  
なんと、あのゼネプロ(現ガイナックス)による、ファイブスター物語のオリジナルビデオ発売の企画が過去に存在していた。
  
1988年1月時点の資料(ワンダーフェスティバルガイドブック5)によると、永野護が総監督・音楽監督永野氏がファテイマの原画も担当し、庵野英明氏他がサポート)による60秒のアニメが収録され、内容はナイトオブゴールドとファティマが出てくるというものであったらしい。
他にも、永野護氏のナレーションによるMHのガレージキットの全種類解説なども収録される予定だった。
(製品の詳細:カラー30分/HI-Fiステレオ(VHS・β) \9,800円製作・発売元トイズプレス/総販売元ゼネラルプロダクツ)
  
特筆すべき点としてパッケージアートが永野氏書き下ろしのイラストの予定であった
ちなみに、そのイラストは海洋堂の1/60レッドミラージュのインスト「レッドミラージュテクニカルマニュアル」の表紙に使用されているレッドミラージュのイラストであったと思われる(ビデオの広告にこのイラストが掲載されている為)。
このビデオの企画がポシャった為に、レッドミラージュテクニカルマニュアルにこのイラストが回されたものと思われる。
  
  
まさに夢のようなオリジナルビデオであるが、勿論というか予想通りというか、直前になって発売中止となってしまった
中止のアナウンスが掲載されていたのはホビージャパンエクストラ'88春の号(P117)で、この記事によると発売中止となった原因は不明であるとのこと。
  
こういったドタバタ劇は(2000年の海洋堂のように)メーカーと永野氏との間に何かあったのではないかと想像してしてしまうが、その後の夏のワンフェス(ゼネプロ主催)にトイズプレスが出店していることから、その可能性は低いと思われる。
ちなみにこのOVAの発売の記念イベントが1988年5/3に両国公会堂で実施される予定だったが、このイベントも中止されている。
 
 
 1989年
 
◆映画版FSS同人誌の相違点
  
(1)The Five Star Stories(1989年夏発行)
表紙:ラキシス
総ページ数:322ページ
発行者:?
掲載内容:原画・修正162ページ程、設定80ページ程、イラスト数点
セル画について、制作費とアニメーション業界について、アニメーションについてなどのエッセイが掲載されている。
   
(2)ファイブスター物語修正原画集(1993年8月15日発行)
表紙:アマテラスとラキシスを中心に、ウリクル・エスト・メガエラ・クローソー・アトロポス・アレクトー・バクスチュアル・イエッタが囲んでいる
ページ数:316ページ
発行者:高い城の男(結城信輝)
掲載内容:修正原画集 196ページ程、設定76ページ程、イラストラフ30ページ程
  
(1)(2)の違いは編集した方の違い。同じ材料をどう料理するかという風な感じ。
(1)は原画を担当した方ごとに、(2)はストーリー順に原画が載っている。
(2)は原画ごとにコメントが載ってるのと、ニュータイプの表紙に使用したイラストや特集に使用されたイラストラフが多数掲載されているのでおすすめ。 (情報提供:ほむ様)
 
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