エプシィガンダム
    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士ガンダム 1985−1986放送
初出は、講談社発行の小説版Zガンダム(著:富野由悠季氏)の1巻の表紙に掲載されたイラストで、その後小田雅弘氏らと共に完成させた永野氏によるオリジナルガンダム。
グライバインダー、核融合パルスシステム「ブラッサム」などの特徴をもつ。
  
 
 
 
 
 エプシィガンダム
      (小説Ver)
 
富野監督の小説(講談社版)の表紙に描かれたMSで、頭部のみのイラスト。
 
額に「G.Eps MK2 MNMADEと描かれていたことから様々な憶測を呼ぶが、永野氏によると
「小説版は総てデザインを変えている」 [アニメック1985年10月号]
「アレ(小説版)は小説世界の永野版MK2ではなくて、やっぱりエプシィです。手前のシャアはエプシィのコクピット内というつもりですから。エプシィはリックディアスと同時期くらいの試作で、設計内容とか思想はガンダムMK2よりずっと新しい」 [ModelGraphix1985年12月号]
「ディアスと100式の中間に位置する」 [ModelGraphix1985年12月号]
「シャアかぁ。懐かしいなぁ。このガンダムを見ればわかるんですけど、実はバッシュの顔してるんですよね」 [ISSUE&OUTLINE]とのこと。
ちなみにISSUEにフルサイズでイラストが掲載された際に、前頭部に3と描かれていることが新たに判明し、またまた極局所的に議論を呼んでいる(笑)。・・・3号機?・・・え?
 
エプシィと言う名称の由来であるが、当初新鋭機の開発プロジェクト「アルファベット計画」のおいて5番目に生まれた機体であり、エプシロン(5番目)のガンダム「エプシィガンダム」という名前でティターンズのMSとして位置づけられていた。ちなみに富野監督の構想ではガンダムMKII(デルタガンダム)との競作機であったとのことである。
「エプシィって言うのは富野さんが、原稿段階で用意していたガンダムなんだけど、最初はティターンズのMKIIとの競作機として考えておられたみたいですね。」 [ModelGraphix1985年12月号]
「アルファベット計画というのがあって、つまりは新鋭機の何ヶ年開発計画みたいなものですけどぉ、要はそのひとつと・・・。MKIIが84年当時はデルタ・ガンダムと呼ばれていて、エプシィはエプシロン、5番目のコンセプトランプにあったわけです。」 [ModelGraphix1985年12月号]
しかし番組放送前に、ガンダリウム・ガンマ合金を使用したガンマガンダム(リック・ディアス)から、更に改良された装甲「ガンダリウム・エプシロン」を持つMSという様に設定が変更された。つまりティターンズ側からエゥーゴ側へと変更され、可変MSへの橋渡し的存在という役割を与えられた。
「僕がエプシィを知ったのは、小説と本編がスタートする少し前に、アイデアのひとつとして、ゼータへ持っていくためのステップメカとして聞いたんですよね」 [ModelGraphix1985年12月号小田雅弘氏コメント]
「ディアスがガンダリウム・ガンマを使っているからガンマ・ガンダム、エゥーゴはそれを可変ガンダムに継げてやるために、より質の高い合金を開発したと、それがガンダリウム・エプシロンを使ったエプシィ・ガンダムになったわけですよ、途中から。」 [ModelGraphix1985年12月号]
後にこの役割は百式に受け継がれていく。
「設定が複雑化するからエプシィ、つまりガンダムMKIIを奪取した後のエゥーゴのMKIIIですけど、隠れて100式という存在に切り替わった」 [ModelGraphix1985年12月号小田雅弘氏コメント]
(エプシィは)ディアスと100式の中間に位置するわけですけど、ソレ(エプシィのコンセプト)は100式で成就したんですね」 [ModelGraphix1985年12月号]
エプシィガンダムの構想自体は富野氏によるものであり、永野氏によるものではないと思われる。設計コンセプトが百式に酷似するのが印象的。
 
 

掲載雑誌
機動戦士Zガンダム 第一部カミーユビダン
表紙イラストにエプシィが描かれている。
モデルグラフィックス1985年別冊「GUNDAM WARS PROJECT Z」 P156
ガンダム関係の本を紹介するコーナーに小説版1巻も掲載されている。
ISSUE(102)&OUTLINE(P104)
小説の表紙に装丁される際にトリミングされた部分まで完全にイラストが掲載されている。
まんだらけZENBU20 P43
小説版1巻の表紙が掲載されている。
  
 
 
 小説用G2.MK2
 
永野氏によるエプシィガンダム。小田氏の作例のためにイメージラフ画として描かれたもので、小説版1巻のエプシィの頭部と2巻の100式のボディをアレンジしてデザインした」 [ModelGraphix1985年12月号]
 とのこと。この機体を小田氏がアレンジして模型を作成した。
 
 

設定画
モデグラ本誌やプロジェクトZなどに掲載された。おそらくはこれらが完全なものではないかと思われる。
 
全身を前面から描いた設定画のみ。「小説用G2.MK2.」というタイトルとMamoru Nagano 85.(C)日本サンライズ永野護」というサインが書かれている。
 
 

掲載雑誌
ModelGraphix1985年12月号 P79
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
設定画及びエプシィについての小田氏との対談が掲載されている
モデルグラフィックス85年別冊GUNDAM WARS PROJECT Z P27
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
設定画及び小田氏による作例・解説が掲載されている
Zガンダムヒストリカ09 P32
設定画が掲載されている
  設定画完全一部 書き込み完全一部 タイトル サイン
 
 
 
 エプシィガンダム
      小田雅弘氏製作Ver.)
 
小田雅弘氏がモデルグラフィックス誌上で作例を製作するにあたり、永野氏と協議して「エゥーゴにおける2番目に開発された機体であり、ガンダリウムエプシロン合金を使用することにより背部に核融合パルスシステム"ブラッサム"を使用したグライバインダーを搭載する」という設定を考案し、永野氏によるエプシィガンダムの設定画をもとに小田氏が模型を製作した。ちなみにグライバインダーの修正と追加ディティール案、オートライフル脱着案のデザインのみ永野氏が行っている。
 
 

設定画
小田氏のラフデザイン画の中に永野氏による設定が数点描かれている。
追加デティール案
 頭部及び肩接続部のデティールが描かれている。
オートライフル脱着化案
 グライバインダーの先端に装備されているライフルを脱着させるというアイデアを図にしたラフ画。
グライバインダー修正案
 小田氏の原案をクリンナップしたもので、線をかなり減らしすっきりしたものになっている。若干形状に変化が見られる。特にバインダーの基部にマニュピレーターで握れるようにハンドマニュアル(銃の持つ所の様な形状)が追加されているのが印象的。
このほかに永野氏による設定・修正があるかは今のところ判明せず、情報求む。
 
 

掲載雑誌
ModelGraphix1985年12月号 P78
  設定画(完全一部) 書き込み完全一部タイトル サイン
設定画3点及びエプシィについての小田氏との対談が掲載されている
モデルグラフィックス85年別冊GUNDAM WARS PROJECT Z P27
  設定画(完全一部) 書き込み完全一部タイトル サイン
設定画3点及び小田氏による作例・解説が掲載されている
 
 
 
 
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