JOURNAL 2002.Août.
〜東京幻想旅行記〜



☆2002年8月4日(日)曇り☆

東中野を散歩した。
70年代に、ぼくが10代を過ごした街。






☆2002年8月19日(日)曇り/雨☆

川本三郎氏の「東京万華鏡」を読んでいたら、その中に、
“山の手の子どもたちの故郷ー原っぱ”と題された文章があった。
「小学生のころ(昭和二十六年から昭和三十二年)、
杉並区の阿佐ヶ谷の町にはいたるところに原っぱがあった。」
という書き出しのこの文章は、一流の“東京原っぱ論”だ。
“原っぱ”で、子供たちはチャンバラごっこや、西部劇ごっこ、
相撲、プロレス、野球・・・・いろいろな遊びをした。
学校という秩序とは別の、少年達だけの世界が
そこには存在した。(女の子たちはどこにいたのだろう?)
そして、いつしか原っぱは、東京の町から消えてしまった。
川本氏は愛惜をこめて、この文章を次のように締めくくっている。
「私の子ども時代は原っぱにやがて家が建ち始め、
町から原っぱが消えていったときに終わってしまったように思う。
いま阿佐ヶ谷の町にも、東京のどの町とも同じように
原っぱはもうほとんどない。」

川本氏はこの文章の中で、原っぱでは
「夏休みには町内の幻燈会があった。」とも言っている。
この幻燈会というものが、どんなものだったのか、
僕にはよく分らないのだけれど、
“暗闇の中に写しだされた 夏休みの幻燈会のように”
と歌う森田童子にとっても、それは子供時代の
なつかしい光景だったのだろうか・・・・。











☆2002年8月31日(土)晴れ☆

自由が丘を散歩。
仏川緑道を歩いていて、緑丘2号機という
素晴らしい小さな踏切を見つけた。
その後、紅茶店MURAでチャイを飲む。
美味い。



荒木経惟さんの「すべての女は美しい」(大和書房)を読む。

「・・・街だってそうなんだよ。街が変貌していくでしょ。
たとえば、東京もそういう状況でしょ。
その変わっていくさまが、なにかを感じさせるから、
街が写真をとらせるんだよ。」

彼は僕がもっとも敬愛するアーテイストだ。