JOURNAL 2003.août. (L'été de l'amitié)
〜東京幻想旅行記〜



☆2003年8月3日(日)晴れ☆

友人の太田さんと数年来の約束の「俺達の旅ツアー」を実現した。
都内のドラマロケ地を一緒に歩く、という趣向。
世田谷の岡本3丁目の坂道。
方南町の神田川の畔のアパート。
井の頭公園・・・・・。青春という共通言語。
その後、国分寺へ出て、ほんやら洞でビールを一杯。





☆2003年8月7日(木)晴れ☆

友人と八王子ハバナにてりつライブ。

今夜はちょっとエキサイテイングに貴重で幸福な時を過ごす。
少々飲みすぎてしまった。
僕は幸福だと、つい飲みすぎてしまう。





☆2003年8月9日(土)雨/曇り☆

新宿ゴールデン街の“O2”(オーツー)という店でりつライブ。
この場所に、りつさんの歌は自然に馴染む。
O2の皆さんのあたたかなご好意で実現した今夜のライブ。
いろいろな方とも知り合えて、楽しいライブだった。
感謝の気持ちでいっぱいだ。





☆2003年8月10日(日)快晴☆

代官山グリーンフィールドの中のドッグヤード・カフェにてりつライブ。


James & Ritsu





☆2003年8月11日(月)快晴☆

高円寺・稲生座にて“るり”ワンマンライブ。
満員盛況の賑わい。
いつもながらの“るりワールド”に惹きこまれる。
バックのアコーデイオンとチェロが素晴らしい効果を与える。
隣に居合わせた見知らぬ初老の紳士。
うんうんと頷きながら、愛情溢れる眼差しで
るりさんの歌に聴き入っていた。
曲の合間にお話しをした。
また、どこかのライブ会場でお会いしましょう
といって握手をして別れた。
今夜集まっていた彼女の聴衆は、みんなこんな感じの
熱心なファンばかり。ライブハウスの中は
幸福で温かな雰囲気で満ち足りていた。





☆2003年8月15日(金)雨☆

国立・猪口菜にて、りつライブ。
今夜のステージは、ひとつ殻を突き破ったような、
素晴らしいものだった。彼女が秘めている可能性の大きさに
驚きさえ感じる。まだまだこれから伸びてゆくアーテイストなのだ。
間奏時の熱いストロークは、中山ラビさんのそれに似て、
“音楽の神”が降りてきているとしか思えない陶酔を呼び起こす。

ニール・ヤングの“ハート・オブ・ゴールド”がカバーされた。
渋い選曲に脱帽。





☆2003年8月22日(金)晴れ☆

小岩のCDショップ「音曲堂」3Fホールにて“りつ”ライブ。
なごやかで楽しいステージだった。
りつさんの本来の明るく無邪気な持ち味が自然にあらわれていた。
小岩という、気取らない温かな街ならではのライブだったのか・・

帰り、小岩の駅の切符売り場で、同行した友人に
地元の青年がなにやら話かけている。
何かと思ったら、小岩に帰ってきたその青年は、
都内の一日乗車券を、もう使わないからといって、
通りすがりの全くの他人である僕の友人にくれたのだった。





☆2003年8月23日(土)晴れ☆

テレビで画家・松本俊介の番組を観る。
名作“Y市の橋”が取り上げられる。
現在では、これもまた失われた風景。
静寂の風景の中に佇む孤独な人影が胸に沁みる。



松本俊介『Y市の橋』 1941年





☆2003年8月24日(日)晴れ☆

くにたち市民芸術小ホール地下スタジオにて、かけこみ亭のご主人、ぼけまるさんの
バースデイ・ライブ。花&フェノミナン、国分寺エクスプレス,松野葉月さんなどの
アーテイストが参加。三上寛さんも飛び入りで参加。
人々が集い、歌と音楽と踊りが自然に湧き起こる幸福な祭り。
まるでひとつの大きな家族のようだ。
まるで、ひとつの部族。
彼らの傍にいるだけで、幸福の温度を肌に感じる。





☆2003年8月29日(金)晴れ☆

高円寺・円盤にて茶木みやこライブ。





☆2003年8月30日(土)曇り☆

新宿ゴールデン街“O2”にて友人とバーボンを飲む。
店内で新宿についてのフォト・ルポルタージュ『新宿情話』(須田慎太郎著)を購入。





☆2003年8月31日(日)曇り☆

国分寺ほんやら洞にてチキンカレーのランチ。
ほんやら洞の前の道を東に向かって歩きだす。
野川を渡り、ゆるやかなS字形が美しい“くらほね坂”を登り、連雀通りに出る。
連雀通りの南側には国分寺崖線が平行して続いているので、
数十キロにわたる長い崖の上を、崖の淵に沿って歩いていることになる。
巨大な谷の向こう側には、多摩市、稲城市、川崎市あたりの丘陵が
遥かに緑濃く見えている。谷を越えて涼しい風が吹いてきて心地良い。
滄浪泉園(そうろうせんえん)の森に入り、「はけ」と呼ばれる湧き水を見る。
美しい命の水。園内のところどころに古い野仏がある。
ここが公園になるよりも、明治時代のエライ人の別荘になるよりも
もっと昔からここに居て、人々の心に安らぎを与えてきた野仏・・・。
武蔵小金井の駅へ出て帰途につく。