JOURNAL 2004.avril.
〜東京幻想旅行記〜



☆2004年4月2日(金)晴れ☆

昨日から職場に泊り込みの仕事。
疲れているときには、ろくな考えは浮かばない。
今夜はぐっすりと眠って、明日、考えることにしよう。





☆2004年4月3日(土)晴れ☆

国分寺ラヂオキッチンで豆カレーの昼食の後、
吉祥寺ギャラリー人にて高橋圭輔展(油彩)。
高橋圭輔さんの描くミニマムで静かな作品を観るには
今日のような、ぽかぽかとあたたかな春の日がふさわしい。

中央線で御茶ノ水に戻って、駿河台坂を神保町の方に下っていると、
坂の反対側を、なにやら大声で怒鳴りながら上ってゆく中年の女性がいた。
彼女の激しい怒りは、いったい何に向けられたものなのだろう。
いったい何が彼女をあんなにも怒らせたのだろう・・・
僕の内側にも、知らず知らずに、日常の中の小さな怒りが
積み重なっていて、最近それが重くなっている。
その女性の狂気じみた悲しい姿に他人事ではないものを感じた。
きれいな青空を見上げて、ひとつ大きな深呼吸をした。


ラヂオキッチン In 国分寺




☆2004年4月4日(日)雨☆

午後、国分寺から西武多摩湖線で一橋学園駅へ。駅周辺を散歩。
大学のキャンパスの森と玉川上水に囲まれた美しい町。非常に寒かった。
帰りに国分寺の駅ビルで函館塩ラーメンを食べて温まる。
この店の餃子が子供のころ食べた草津温泉の
ワタさんのラーメン屋の餃子に似ていて懐かしくなった。
ワタさんは父の高校時代の後輩だ。
いまも元気でラーメンと餃子を作っているかな・・・。





☆2004年4月9日(金)晴れ☆

門前仲町のFM局のサテライトスタジオにて
りつとJAMES氏が生出演する番組を見学。
その前に近所の深川不動さんに寄って、
りつちゃんのことをこっそりお願いしておいた。
りつとその仲間達が成功しますように・・・・・と。

夕方、友人M氏とともに国分寺へ出て
ラジオキッチンにて深酒をする。
その後、ふたりで深夜の国分寺の街を散歩。
春の夜の穏やかな空気が心地良かった。





☆2004年4月10日(土)晴れ☆

北千住の足立区中央図書館にて
坪田直子のCD『ピーターソンの鳥』を借りる。
古い宿場町、北千住は下町の都会。
東京のなかでもゆっくりと時間が流れている街だ。
やっているのかやっていないのか分からない
小さな古い町工場(の跡?)の前を通りかかる。
見たこともない錆び付いた奇妙なグロテスクな形状の
工作機械のような鉄の塊がいくつも置いてあるのを見る。
今度行ったときには、この家の人に話を聞いてみようと思う。





☆2004年4月11日(日)晴れ☆

国分寺モルガーナにてりつライブ。
新曲“ろくでなし”を聴く。
そのあとでラヂオキッチンにて夕食。





☆2004年4月13日(火)曇り☆

11日の国分寺でのライブでりつが歌った
クリーデンス・クリヤーウォーター・リヴァイヴァルの
『雨を見たかい』が耳を離れない。
そして、川本三郎氏の著書『マイ・バック・ページ』の一節を思い出した。

『時代は少しもやさしくなかった。
クリーデンス・クリヤーウォーター・リヴァイヴァル(CCR)は
「フール・ストップ・ザ・レイン(雨が降るのをとめるのは誰)」と
歌い続けていた。(中略)“あの時代”は象徴的に言えば
いつも雨が降っていた。バリケードのなかは水びたしだった。
時代が少しもやさしくなかったからこそ逆に「やさしさ」が求められた。』





☆2004年4月14日(水)小雨☆

このところTHE BANDの名盤
“Northern Lights−Southern Cross”を
聴き続けている。昔から好きなアルバムだったのだが、
その本当の良さが、最近になってやっと分かった気がする。





☆2004年4月16日(金)快晴☆

職場の先輩Nさんと高輪で飲んでいると、
若い社員のS君が救急車で病院に運ばれているとの
連絡が入る。上野で飲んで転んで怪我をしたらしい。
深夜、Nさんとともに向島の白髭橋病院までタクシーで行く。
頭を何針か縫っていたが、命に別状ないとのこと。
S君は来月、沖縄に帰る。
あと一月、無事に東京生活をすごして、
元気で故郷に帰って欲しい。





☆2004年4月17日(土)晴れ☆

下北沢BIGMOUTHにて、りつワンマンライブ。
久しぶりに“猫”を聴く。
純然たるライブハウスでのワンマンライブは
初めてではないだろうか?
りっちゃんと関係者の皆さん、
素晴らしいライブをありがとうございました。

今夜はライブ会場で、大学時代からの友人で仏文学者のSに、
以前から紹介したいと思っていた文学青年D君を
ついに紹介できた。





☆2004年4月21日(水)晴れ☆

いいぞ、いいぞ、いいぞ、花&フェノミナン!





☆2004年4月22日(木)晴れ☆

イラクで人質になった3人への日本国内での
バッシングには胸が悪くなる。





☆2004年4月23日(金)晴れ☆

大学時代の恩師、フランス文学の Madame K が
放送大学で教鞭をとられることになった。
先生の授業を、自宅に居ながらにして、
受けることができる日がくるなんて・・・・。
文学への愛情がなければ、文学研究に意味はないと
その昔、明治学院大学4号館校舎の教室でおっしゃっていたのが
昨日のことのようだ。





☆2004年4月24日(土)晴れ/曇り☆

東京の最西部、JR高尾駅周辺を散歩。
森が近くて空気がきれいで、静けさが印象的な街。
福祉施設のアンテナショップという喫茶店
手作りケーキと珈琲をいただく。
合計で250円と、あまりの安さに、
なんだか申し訳なくなってしまった。
最初に注文したケーキが品切れだったので、
少しおまけして下さったのかも知れない。
美味しいシュークリームだった。
障害をもっているらしい中学生くらいの男の子と
そのお母さんが食事をしていた。
ときおり男の子が大きな声になってしまうと、
たまたまその店に居合わせた僕に非常に気を使って、
お母さんが人差し指を口にあてていた。
いいのです。そんなに気を使わなくって。
全然、いいのです。と、僕は心の中でつぶやいた。





☆2004年4月25日(日)晴れ☆

立川反戦ビラ事件への抗議集会、デモに参加。
彼等と彼女の人生の時間は不当にも奪われている。
戦争に反対し、平和を訴えただけで彼等は捕えられた。
青空を眺める自由。春風を頬に感じる自由。
この道をどこまでも歩いてゆく自由。
音楽を奏で、歌を歌う自由。
友と語らう自由。
彼等良心の囚人に人生の時を返せ!





☆2004年4月27日(火)雨☆

疲れ果てて帰宅すると美しい黄色の“小夏”が届いていた。
高知の方からの爽やかな初夏の贈り物。
憂鬱が吹き飛んだ。





☆2004年4月28日(水)雨のち晴れ☆

国分寺ラヂオキッチンにて夕食。





☆2004年4月29日(木)晴れ☆

新宿のロシア料理店にて友人とランチ。
加藤登紀子さんのご両親がオーナーという店だ。
新しい仕事に就くためもうすぐ東京を離れ
静岡に行くD君と沖縄に帰るS君、
そして25年来の友人Nとともに別れの食事。
D君、S君。二人に出会えたことはかけがえのないギフト。
秋になったら沖縄で再会しようと約束をした。

夕方、渋谷LA−mamaにてりつライブ。
オープニングアクト、女性客で満員の会場で
ロクデナシ、GIVE IT TO ME、イナヅマのロックテイストな3曲を歌う。
小さな身体のりつが、いかに大きなものに挑戦し続けているのか、
それがかいま見えた今夜のステージだった。