JOURNAL 2005.janvier.
〜東京幻想旅行記〜



☆2005年1月1日(土)晴れ☆

元日、さして特別なこともなし。
今年の正月のテレビはいままでとくらべても
格段につまらなかった。





☆2005年1月3日(月)晴れ☆

恋ヶ窪の小さな神社に初詣。
国立まで散歩。喫茶店「ひょうたん島」にてコーヒーを飲む。
書きかけの小説の細部を手直ししてみる。





☆2005年1月5日(水)晴れ☆

福島の古本屋さんに注文しておいた
映画「ピーターソンの鳥」のパンフレットが届く。
東由多加監督。出演に秋田明大さん、坪田直子さん他。1976年度作品。
「・・・1965年から75年まで、激動の時代から黙示録の時代まで
過ぎてきた時と過ぎゆく時を描こうとするこの映画・・・・」
(文:葛井欣士郎氏/パンフレットより))

この映画、どうにかして発掘、再上映、あるいはDVD化など
できないものだろうか・・・・・・。


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☆2005年1月6日(木)晴れ☆

ラヂオキッチンにて黒糖焼酎のお湯割りで温まる。
きよみ夫妻のマレーシア、ペナン島への旅の話など
うらやましく聞く。近いうちにラジオキッチンのメニューに
登場するであろうマレーシア料理、魚介のスープやヤキソバが楽しみだ。





☆2005年1月7日(金)晴れ☆

会社の新年会。





☆2005年1月9日(日)晴れ☆

旧友Sと国分寺のほんやら洞とラヂオキッチンにはしご酒。
ラヂオキッチンでは画家のNさんも交え楽しく盛り上がる。
Nさんの美術や映画の豊富な知識、
フランスやイタリアなどを旅した体験談、駄洒落と節度ある猥談・・・・。
その後、Sと二人で国立へ出て猪口菜で軽く飲み、
深夜のロイヤルホストでコーヒーを飲みながら
久しぶりにゆっくりと、若い頃の、
お互い知らなかったことなど語り合う。
国分寺の我が家に宿泊してもらう。





☆2005年1月10日(月)晴れ☆

Sを送って国分寺に出る。
ラヂオキッチンの近くの蕎麦屋で軽く飲んだあと、
国分寺駅でSと別れ、ひとりで国立へ出て、
コートギャラリー国立にて新春企画展を観る。
知久正義さんという方の、多摩川や玉川上水などの
身近な風景を描いた作品が心に残った。
喫茶店「ひょうたん島」に寄ってミルクテイーを飲み、
富士見台団地を通り抜けて谷保に出て
南武線で立川へ。中央線で国分寺に帰る。





☆2005年1月11日(火)晴れ☆

死を恐れることはないのかも知れない。
しかしこわいのは、愛すべき人との別れ。





☆2005年1月12日(水)晴れ☆

昨夜、ラビさんの夢を見た。
なんだか淋しい夢で、ラビさんに会いたくなってしまい、
仕事の帰りにほんやら洞に寄って、
焼酎のお湯割を一杯飲んだ。

HP「1968年全共闘だった時代」で紹介されていた現役大学生の
全共闘に関する論文が、元日大全共闘の闘士によって
厳しく批判されているのを見た。
現役の学生の全共闘運動への批判、
後の世代に運動を引き継がず、伝えもしなかった、
という言葉には、1960年に生まれた自分でさえ共感する。
同じ思い、疑問を全共闘世代に対して感じてきた。
しかし僕らには、全共闘世代をはっきりと批判する
ということもまたできなかった。
何もしなかった世代が、何かをした、それも命がけで
闘った世代を、いったいどのように批判できると
いうのだろうか、という思いを持っていたからだ。
屈託無くあの世代を批判できる今の若者こそ、
あの時代に若者だった人たちとぶつかることによって
真のコミュニケーションができるのかも知れないと思う。
そこから何かが始まるのかもしれない、と思う。





☆2005年1月14日(金)晴れ☆

恵比寿の居酒屋にて、前勤務地の人たちが
送別会をしてくれた。帽子のプレゼントと
あたたかな寄せ書き。
本当にお世話になりました。
ありがとう。





☆2005年1月15日(土)雨/雪☆

国立・地球屋にて岡大介君という若いフォークシンガー、
花&フェノミナン、三上寛さんのライブ。
平成の“吉田拓郎”を目指すという岡君のフォークは
なつかしい感じの歌でなかなかよかった。
三上寛さんのステージはさすがに圧巻。
魂を揺さぶる熱いブルースを堪能させていただいた。
最後の三曲に花フェノのベースあくさんと
ジャンベのさっちゃんも参加。

そして今夜の花&フェノミナンのステージも最高だった。
堀田さんと薫さん、個性の違う二人のギタリストの存在が、
それぞれの魅力をお互いに際立たせるという幸福な
状況が成立しているのがすごいところだ。
花さんの泣かせるヴォーカル、さっちゃんのワイルドな
でもちょっとセンチメンタルなジャンベ。
梵ちゃんの心地良い軽快なドラムス。
彼の演奏を見ていると、その心地良さが伝わってくる。
そしてロックパパあくさんのベースが全体をかっこよく支えている。
花&フェノミナンという幸福な体験。
もうひとりの重要なメンバー、ジャンベとキーボードのみつこさんは
ドラムスの梵ちゃんとの間に和花(わか)ちゃんという
女の子を出産したばかりで、子育て休暇中。
花フェノベイビー和花ちゃんが大きくなって、
このバンドに参加したらいいなと思う。
未来の“花&和花&フェノミナン”のあたたかなハートの
ちょっとセンチメンタルなハードロックを聴きながら
死んでゆけたら幸福だなあ・・・と思う。

今日は森田童子さんの誕生日。
おめでとう、童子さん。





☆2005年1月17日(月)晴れ☆

夜はひとつの終わりである。
それはどこかにつながるものではないひとつの死。
だから孤独な魂よ、安心して眠れ。





☆2005年1月20日(木)晴れ☆

職場近くの箪笥町にある創業40年の洋食屋さん“しきしま”。
昔懐かしいカレーライスにポークのしょうが焼き。
来月いっぱいで閉店とのこと。
残念だ。







☆2005年1月22日(土)曇り☆

谷保かけこみ亭にて企画ライブ「1月生まれバースデイパーテイー」。
幾組かの出演者の最後に花&フェノミナン。
時間がなく、途中で帰る。





☆2005年1月23日(日)曇り☆

休日出勤。





☆2005年1月25日(火)雨☆

西荻のブルース・バーで大好きな若い友達と飲む。
話をしていたら、なんだか明日への希望が湧いてきた。
三年後の素敵な約束、きっと実現して見せましょう。

帰宅すると、ネットで注文しておいた
矢野絢子のアルバム「ナイルの一滴」が届いていた。
高知から、本格派シンガーソングライターの登場だ。
素晴らしいアルバム。





☆2005年1月28日(金)曇り☆

仕事の帰り道、玉川上水の暗い水面を眺めながら
お前は幸せなのかと自分に問うてみる。





☆2005年1月29日(土)曇り☆

午後、川口アートファクトリーにて高野浩子展。
僕自身を含むこの世界全体が、目を閉じて夢想する
美しい女性の夢の中の世界・・・・・

夜、下北沢440にて黒葛原りつワンマンライブ。


高野浩子展





☆2005年1月30日(日)晴れ☆

立川AAカンパニーにて花&フェノミナン、色町劇場、からみ、
アイボーン、じゅんぺいライブ&パフォーマンス。


色町劇場







☆2005年1月31日(月)晴れ☆

恩師N先生がフランス政府から勲章を授与された。
先生はフランス大使館での授与式に僕を招待して下さった。

先生、おめでとうございました。
心よりお祝い申し上げます。
今日は僕も、うれしい気持ちでいっぱいでした。
先生が初めて大学の教室に入って来られた瞬間のシーンを
僕はいまでもはっきりと覚えています。
フランス留学から帰国したばかりの先生は美しく、溌剌と輝いていました。
授与式の間中、僕はあの日のことを思い出していました。
そして今日、あの時と少しも変わらない先生が授与式の日におられました。
先生の良き日に立ち会えたことの他に、
もうひとつ僕がうれしくてたまらないことの、それが理由です。