JOURNAL 2004.juin.
〜東京幻想旅行記〜



☆2004年6月2日(水)晴れ☆

仕事の帰りに水道橋の日本エデイタースクールに寄る。





☆2004年6月5日(土)快晴☆

夕暮れ時、国分寺北口の住宅街を散歩。
やわらかな涼しい風が吹いていた。
西の空を流れてゆくきれぎれの雲が美しい。
武蔵野の町の山の近さを感じながら歩く。

ラヂオキッチンにて夕食。
夏野菜のラタトゥイーユと星野豆腐店から
仕入れたという冷奴が美味しかった。





☆2004年6月6日(日)曇り時々雨☆

八王子のギャラリーヤスタケにて森田義男展を観る。
シンプルに輝く花の絵がまぶしくて、素敵だった・・・。
ギャラリーは蔦に覆われたコンクリート壁の
シックな建物。2階がギャラリーで1階が
喫茶店になっている。真空管アンプの音響機器から
チェロ・ソナタが流れ、落ち着いた気分で休息をとることができる。
雨に濡れた裏庭が哀しくも美しい。
八王子駅周辺の住宅街を線路沿いに散歩。
知らない街を歩くのは楽しい。
見知らぬ人のあり得たかもしれない人生。
あり得たかもしれない僕自身のもうひとつの人生。
そんな、目には見えないカーテンの向こう側の世界を
湿度の高い風の中に感じとりながら歩くという快楽。

このうえもなく幸福なのに
何故かちょっぴり寂しいときもあるよね。

今日、梅雨入り。





☆2004年6月7日(月)雨のち曇り☆

沖縄に先日帰った友人から便りをもらう。
親戚の幼子になつかれて、今日も朝から
海で遊んでいたという。
子供の相手でへとへとです、という彼は、
そう言いながらもシアワセそうだ。
既に梅雨明けをしている沖縄の海はいいだろうな。
いつかきっと遊びにいくよ。





☆2004年6月8日(火)曇り☆

テレビでオードリー・ヘップバーンと
フレッド・アステアの『パリの恋人』を見る。
ニューヨークの書店員のヘップバーンは最高だ。
原題は“FUNNY FACE”。それを今日、初めて知った。





☆2004年6月10日(木)曇り☆

テレビで映画『マイ・リトル・ガーデン』を観る。
ソーレン・クラウ・ヤコブセン監督/1997年/デンマーク・ドイツ・イギリス合作
原作はウリ・オルレブの『壁のむこうの街』。
第二次大戦中、ナチス占領下のワルシャワの街を
ひとり生き抜いたユダヤ人少年の物語。
ズビグニエフ・プレイスネルの囁くようなピアノ曲が素晴らしい。





☆2004年6月11日(金)雨☆

女性デュオ Lu.la.vie のお二人から手紙をいただく。
アコーデイオンのisa-mi さんが音楽活動をやめるため、
Lu.la.vie の活動を停止されるというご挨拶状。
『東京幻想旅行記』でもトップページから紹介させていただいている。
ゴシック趣味の濃厚な魅惑の幻想的世界を展開されてきた。
あるライブでは、森田童子の名曲“哀悼夜曲”をカバーしてくださった。
この曲をカバーするとしたら、これ以上の方法はないと
思える素晴らしい演奏だった。
姫乃さん、isa-miさん、素敵な音楽をありがとうございました。
またいつか、お二人の音楽を聴ける日を楽しみにしています。





☆2004年6月12日(土)曇り☆

久しぶりに新宿ゴールデン街で飲む。
奇蹟のような出会いと再会が
一夜にいくつも重なって驚いてしまった。
この街には不思議なチカラがあるようだ。
この街の危険なくらいの魅力を初めて感じた気がする。





☆2004年6月19日(土)晴れ☆

国分寺ラジオキッチンにて友人と飲む。





☆2004年6月23日(水)晴れ☆

今日、沖縄終戦記念日。
黙祷・・・・・・・・・・・・。





☆2004年6月26日(土)曇り☆


夕暮れ時に国立駅の北側を散歩。
駅前のマンション街を通り抜けると、
昔ながらの、のんびりした小さな商店街があった。
パステルで描いたようなやわらかな光につつまれている。
湿度のある涼風に手打ちうどん屋の暖簾がゆれる。
美しいカーブの捨場坂を登る。
「東京地名考」(朝日文庫)によれば、
捨場坂とは、昔、死んだ農耕馬を捨てる場所が
この付近にあったことに由来するそうだ。
「・・・四十年ごろまでは、捨場坂の名にふさわしい、さびしい所だった
という。若い男性でも夜は後ろも振り向かずに走り上がった・・・」。
登り方向、右側の高台にそびえる4階建の白いビル、
朝日生命国立研修センターは廃墟になっていて看板もはがされていた。
この建物の裏手に出ると、国立の南側の風景が一望できた。

6時過ぎに友人の漫画家M氏と共に国立駅南側、旭通りの猪口菜にて夕食。
マスターは俳優で、来月21日に放送の2時間ドラマに出演とのこと。
是非見なくては・・・・・。
この店で、偶然、ある美しいシンガーソングライターに会う。
その後、谷保・かけこみ亭にて花&フェノミナンライブ。
帰りにかけこみ亭のはす向かいの
居酒屋文蔵に寄って砂肝で軽く一杯。
深夜帰宅。





☆2004年6月27日(日)曇り☆

こんな絵本がある。





☆2004年6月28日(月)曇り☆

引越しの準備ため会社を休んで国分寺へ。
帰りにほんやら洞でチャイを飲む。
シナモンの香りのミルクテイーに落ち着いた気分になる。
夜、家にいて、沖縄の友人から電話をもらう。
元気そうでよかった。
がんばろうね、おたがいに。



えちごさんという女性のHPと相互リンクした。
彼女の写真とそれに添えられた言葉に共感したからだ。
風景(あるいは世界)を見つめるその眼差しが、
真冬の澄み切った青空のように純粋で美しい。
見つめることで、命の輝きを
確かめているように僕には感じられる。
風景を求めて街を歩くということは
そういうことだと僕は思っているから・・・。