数日後、泰継が泉水に言った。
「だが、泉水、なぜおまえは“私の”花梨を呼び捨てにするのだ。
それに我が神子の名は“みかりん”ではない!」
泉水はその言葉にハッとして、平身低頭して言った。
「も…もうしわけありません。“神子”というのをとっさに言い直そうとして
つい呼び捨てに…。本当に申しわけございませんでした。」
「わかってくれればいい。」
泰継はうっすらと笑みを浮かべてそう言った。
その表情を見て、泉水はホッと胸を撫で下ろした。
「次にお会いした時に呼び間違えないように精一杯練習させていただきます!」
そう言うと泉水はスゥと胸いっぱい息を吸い込んだ。そして、叫んだ。
「花梨さん、花梨さん、花梨さん、花梨さん、花梨さん、花梨さん、花梨さん、
花梨さん、花梨さん、花梨さ〜〜ん!」
「泉水…それはそれでムカツクのだが…」
そう言う泰継の手にはしっかりと呪符が握られていた…
さて、泉水の運命は如何に!? その後のことは神のみぞ知る(^。^)
Rui Kannagi『銀の月』
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