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音楽は
「DIORAMA」からお借りしました。

夏が行く

姉さんと共に

過ぎ去っていく

熱を帯びた季節

次第に遠ざかっていく

色の濃い青の空


盆の灯りに映された

生温い水の底から

僕を見返す瞳

僕と同じ顔が水の中

赤い唇で問いかける

ナニヲノゾムノ

姉さんはみつけてしまった

たった1つの存在

迷わずに追いかけていける

その背中が

ひどく羨ましかった

ナニヲノゾムノ

問いかけるのは

僕自身の唇

言葉は僕の体をすり抜け

加速する北の風に攫われた


夏は行く

僕はここで見送る

しなやかに歩き出す

姉の背中

踏み出すこともできずに

ただ1人

僕は見送った

夏を見送ってしまった

 

希草さんからいただいた暑中見舞のお礼。イラストを見て真っ先に浮かんだ物が「水」。背景が水色だったからかもしれません。
盆を過ぎると残暑、その残暑も彼岸を過ぎるとお終い。秋が濃くなっていくこの頃です。

 

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