+ 断片 -人工楽園の夜明け- +
「light on my hearts」
伸びた銅線が 赤くぴかぴか光って 一瞬の目くらまし 私は一刻夢をみる 空に昇る 薄黄色の三日月 からから落ちる 茶色い枯れ葉 かじかむ指先に触れた 暖かい温もり 記憶の中に灯る 君の指先を虚空に描く |
「the reason for being」 いつからか 世界はコンクリートの塊 四方を取り巻く壁 渦を巻くファイバー 退屈な電子の森で モニタ画面を走る君 僕を見上げるred label 全てを消去して 僕は君に逢いに行く それは、たぶん・・・ |
「we lay track on the ground」
足元にあったのは 草に埋もれた錆色のレール どこへ続くのか 行く先は空(くう)に途切れて 僕らの未来は 未だ不確定なまま 運命の輪がごろごろと 音をたてて 廻ってる |
「raise
the curtain」 鈍色のビル群に 白い砂、ぱらぱらと 春も夢も 全ての未来を覆い尽くして 砂に埋もれたメトロポリタン 地中から伸び上がった 灰色のアーム 緑芽吹く 機械仕掛けの腕が 動き出す 停止した灰色の世界と供に |
「a solitary
creator」 降る雪の冷たさに 貴方の温もりを思って 咲く花の艶やかさに 自分を決断を呪って どうして側に居なかったの? 問いかける声は コンクリートの壁に飲込まれ 計測器の光る実験室 工具と油と人工回路と モニタ画面に向って 私は貴方の未来を創り出す |
「spiral circle」
始めから 世界は定められた輪だった 最後まで 繰り返す閉じたloopだった 望んだわけじゃないけれど 私は捩れを歪めよう 運命をほんの少したわめよう 世界を変えたいわけじゃない その果てに 何が待つのか見てみたい ただ、それだけ |
「自動人形」 世界で最初の声は 大好きなヒトの声だった 世界で最後の声は たぶん好きになる予定の 貴方の声だった 真っ暗な電池切れの箱の中 叱られた子犬みたいな貴方に 私はYesと答えた 擦れたマシン・ヴォイスで それが 世界で最高の記憶 |
「Ring the
Bell」 動き出した金の歯車が 天上に大きく傾ぐ 真夏の金環食 光りは世界を透かして 眠れる姫君の枕元 紅い焔の 夢開く刻 |
「metropolis daybreak」 もう1度だけ逢えるなら 願いを抱いたまま 私は私という人間を象る もう1度だけ触れられるなら 祈りをこめながら 見知らぬ街で動き出す 暁の闇に飲み込まれた月 地表を覆う光りの残像 もう1度だけ恋をする 夜明けに染められた 壊れた世界の片隅で |
「dark hall
land」 目が覚めたら世界が壊れて 大きな風穴が あちらこちら 黒々とした闇が顔を出す 足を踏み外さないように その淵をかすめて 非日常的日常を 訳もわからず突き進む |
「moon light drinker」 まっさらな雪を 泥だらけの靴で踏みにじって 駆け上る 瓦礫を積み上げた ネオン光る高層タワー チカチカする擬似星に 罵声を浴びせながら 銀色の麦酒を 世界中にぶちまける |
「ドーン・パープル」 カンラ カンラ カンラ 鳴り続ける鐘の音 耳朶の奥に瞬く欠片 夜が明けるごとに 繰り返す 光りの睦言 |
「night walker」 扉を開けて 夜の街へ 流れ続ける 人も時間も 流され続ける アルコールと煙草と 目的地も知らず 漂う浮き草 拾い上げる 誰かの手 |
「While The Earht
Sleeps」 争いの種子は 鮮赤の糧を浴びて 大輪の華 慈悲を嘲笑う 狂った電動頭脳 枯渇した大地は 人類の罪を容赦なく曝し 眠れる女神は瞳を開き 天を割いて 降臨する 真紅の十字架 |
「HEVEN’S GATE」 天国への扉を スパナとバナで抉じ開けて 極楽浄土へ乗り込もう 調子外れのパーカッションと ナイスバディの天使ちゃんが 眩暈を呼ぶ快楽を 僕等の躰に刻み込む |
「sleeping・beaty」 機械仕掛けの彼女は夢をみた 長い長い夢をみた それは戦いのナイトメア 破壊と殺戮はリピート設定 制御不能のオートマタ 切り裂く悲鳴と警告アラーム 消滅へのカウントダウン 人も機械も沈黙して 世界は冷たい階段を下る 神の塔は今も閉ざされたまま 世界の底で誰かが小さく叫ぶ |
『MIRAI』 壊れた自動人形が呟く 暗い廃棄物処理場の片隅 濁った空 沈黙の破壊 消失する無機物の叫び 機械仕掛けの彼女は歌う 擦れた機会音声を聞く者は無い 「MI・RA・I」 その言葉の意味も それが人の名というも 記憶回路に刻まれる事はなく 壊れた自動人形は 鉄の塊と化すその日まで だた1つ知る音のみを繰り返す |
『ドーン・パープル2』 君を探して 真っ暗な夜の街へ 寂しさと不安で 震える心臓を抱きしめて 何処へ行けば 君はみつかる? 全ての定理を裏返して 時間の絶対を否定して 僕の願いはたった1つ 君に会いたい |
『ドーン・パープル』 偶然の運命 必然の出会い 君と絡まったこの糸を 切り離そうとしたのは僕自身の手 機械仕掛けの人形と真っ赤な眼 僕らを見てる可視光線 未来のカードは裏返しのまま また会えると君は笑った 何処に居ても君が幸せなら その強さを僕にください 君と引き離される 今、この時も 世界は変わらず 夜空が明けていく |
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「エデンへ」 地図に描くかれなかった楽園ヘ行こう 誰も見たことがない光景を見に行こう 2人なら恐くない きっとたどり着く |