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「聞こえない歌」

薄紅色に咲く

空の花に歌う

誰も覚えていない

木々のざわめき

水の眠り

風の惑い

鮮やかに移ろう

地平線の鼓動

青い空に響く

透明な『何か』の声

 

見えない誰か季節を動かす。

 

「正午の月」

空に残った

白い三日月

指先でなぞる

薄い弧

孤独な月は

微かに震え

滲むように

儚く消えた

 

メルマガNo.63 まほろばの月

 

「透明なサカナ」

青い空気を泳ぐ

透明な魚

光に透く

形のないひれ

捕らえようと

伸ばした手は空をかいて

魚はゆうゆう

空へと消えていった

 

大人になったら白昼夢を捕まえる暇もない。

 

「天体郵便」

濃紺の空に

ぱらぱらと散った

砂糖菓子

淡く 白く 甘く

明滅する光りが届ける

今はもうない

遠い過去の瞬き

 

忘れていた手紙が届きました。

 

「風告ゲル」

駆けていく

青い空の下

走りぬける

広い世界の先へ

未来も過去も

時の風に貫かれ

 

メルマガNo.42 通過するもの。

 

「少年は遠い星の夢をみる」

夢をみるは青き星

遥かなる奇跡の惑星

記憶の呼び声に誘われて

全ての生命は回帰する

 

芙上さんへのお礼。『テレヴィジョン・シティ』?

 

「震 −shin−」

憶えていない

刻の名残を辿って

記憶の振動

揺れることで

遥かを思う

記憶を繋ぐ

ソラから落ちてきた

雨粒が1つ

私の手の中で

小さく震えた

 

水滴ってふるふる震える

 

「存在 −arika−」

ここに居るのは私

そこに居たのは貴方

あそこに居るのは誰か

時間と空間の

ベクトルは何を目指すのか

広がる世界の在り様

偶然の連鎖も突然の変異も

数式に導き出される

必然の解答

それでも…

私はここに居る

貴方はどこに居る?

 

数学と物理は嫌いだった

 

「廻 −meguru−」

手に入れたい物なんてない

叶えたい夢なんてない

望む未来なんてない

ただ繰り返す

日常だけが

手の中でくるくるくる

飽きることもなく

延々と廻る

 

ルビなしで漢字をどう読ませるか。

 

「アクアドリウム」

目が覚めたら

暗い天井に

貼りついた海月が1匹

海の中に潜ったの?

声をかけたら

頷いて

ただふわふわと

月に消えた

 

夜中にふと目覚める

 

「焼きつける」

空けっぱなしの窓

揺れるカーテン

吹き飛ばされた

何枚かの写真

フローリングに散らばった

切り取られた僕らの時間

過去という未来を

記憶の底に焼きつける

 

写真というのは記憶の焼き増しだと思う。

 

[誕生」

誰の夢に紛れたか

鈍色の空を舞う

幾つものH2Oの粒

きらきら光る生命の雫

轟く雷鳴を産声に

生まれいづる

地球という青い惑星

降りしきる雨だけ

時の記憶に

 

タイム・マシンがあったら見にいきたい。

 

「共鳴」

足元の土に眠った

朽ちた乳白色の骨を

拾いあげて空に翳す

さりさりと砕けゆく小さな音

混じって微かに響く

見知らぬ生き物の悲鳴

 

足の下から、今は存在しない生物の声がする

 

「億光年」

今居る場所からは

地球の恐竜たちが見える

あと数億年したら

ここから私が見える

懐かしい地球と

いなくなった私が見える

 

メルマガNo.26掲載。宇宙の何処かで昔の自分に出会う

 

「水夢」

貝の奥に聞こえる

潮騒に身を任せ

懐かしい

塩味のする夢をみる

 

メルマガNo.25掲載。生命を遡ると海が見える

 

春でもなく夏でもない

   ただ巡りゆく時の狭間

      まよいこんだ碧の空間

 

季節の狭間を何と呼ぶ?

 

「静々と満ちる」

丑三つ時の夜の影

静々満ちる無音闇

人の消えた入れ物は

虫も獣も息を潜め

広がる闇に溶ける喧騒

人が灯りを手に入れて

暗闇を切捨てた様に

何時しか静寂も

記憶の底に隠蔽される

 

電気のない時代の闇夜の記憶。

 

『覚醒』

息を吸いこんで

重い瞼を押し開ける

眼に射す光

随分と長い事

私は眠っていた

耳を澄ませば

今は遠い夢の狭間

嫋々と啼く朱の鳥

 

メルマガNo.13掲載。掲載時は「朱」は「明け」でした

 

「誕生日」

happy birthday

君が生まれた今夜に

happy birthday

もう誰も

正確な日付なんて

覚えてないけれど

祝福の言葉を

この世界にリボンをかけた

50億の祝福

 

地球のお誕生日は何月何日なのかしら?

 

「進化論 -恐竜-」

マンハッタンのビル郡を

夕日と大地を背負った

巨大な爬虫類が

悠然と歩いて

通り過ぎていく

 

夕日に照らされ、のっそりのっそり

 

「進化論 -ジラフー」

遥かソラにある

青い水溜り

水を飲もうと

首を伸ばして

どこまでも伸ばして

気がつけば

地面は遠く

ソラも遠く

 

キリンは首を伸ばした。一生懸命伸ばした

 

「魚の骨」

私の躯

ぷかぷかと

お空に潜る

銀の魚

その白い骨

ぽろぽろぽろ

天から落ちる

不可視の現像

 

不意に幻をみる

 

「海に沈む」

青暗い海の水

沈んでいく私の躰

こぽこぽこぽこぽ

口から吐き出される空気

ゆらゆら揺れて

空へ逃げる

こぽこぽこぽこぽ

子守唄

こぽこぽこぽこぽ

聞きながら目を閉じる

 

時々、海に沈んでいく幻に遭う。

 

『fanatic』

綺麗な夢をみたかった

綺麗な世界に会いたかった

真昼の白昼夢のような

美しい硝子細工の夢

それは私の中にある

真っ黒な暗闇の具現

本当の姿なんて誰にもわからない

綺麗な夢は

その美しさ故に・・・

 

無邪気な狂気の世界。境界線に住んでいた。

 

記憶の糸に

懐かしい誰かの思い出

DNAの色で染め上げる

帰らない夢の欠片と共に

 

メルマガNo.1に掲載

 

「至上楽園」

空の沈んだ水色

水から生まれた白樹

樹海に潜る碧の羽根

人の住まない神域に

一筋の光りを落として

蒼に放たれた色のない軌跡

黎明の夜明けに

清涼な空気が伝えた

生命の微動

 

メルマガNo.3。上高地にて

 

「earth」

空も海も地面も

何もかも

そこにある

たぶん

いつか人が消滅しても

ばかな私達が居たことを

そのDNAに残して

ずっと

ここにある

 

人類が消滅しても地球は残っててね

 

「屋上で」

霄に近い場所で

手を伸ばす

蒼と風と静寂

躰の輪郭は光に透けて

蒼に溶けていく自分

肺を満たす空気には

ここへ還った人たちの記憶の欠片

 

亡くなった人は何処へ行くのだろう

 

「夢をみた」

私の体は泡の骨

冷たい地面に埋められて

ぼんやりまどろむ昼下がり

ひたひた分解

はりはり還元

小さな白い塊に

伸び上がってゆく無数の芽

私が地球に

地球が私に

巡り巡って還る夢

 

骨・骨ロック。(…違うって)

 

「未知引き−mitihiki−」

空に月

廻る円形

ぐるりぐるり

耳に入る潮騒

満ち欠けする引力

止まらない血の循環路

月はただ姿を変えるばかり

 

暮れかけた独特の藍の空に細い細い三日月が浮かんでいました

 

「カナリア」

遠ざかって行った汽笛

行ってしまう君

黄色いカナリアは僕の手をすりぬけ

天上の歌声と共に見果てぬ地へ

残される僕は地上の星座

この凍れる大地の底で

今は静かに眠っていよう

君のぬくもりが失われるまで

 

なんとなくだけど、「オペラ座の怪人」ちっく。舞台でみたいなぁ。

 

「南へ」

渡る鳥は何を求める

青い青い

海の欠片

きらきらひかる

太陽の光り

記憶にないくらい遠い昔

あの水に溶けていた自分

遥かに続く海原に

たたゆう朧

 

南の海って青くて綺麗で溶けてしまいたいです。気持好いだろうなぁ。

 

「羽音」

道標を追って

真っ白い羽根は

静かの海に

消えていく

螺子の揺り篭

銀のクレヨンで

世界を塗りたくる

 

白い天使が月の裏で眠る。

 

「直線の時」

長い長い現実を歩く

現に見た夢

淡い憧憬

頬を撫でた涼風に

振りかえれば

居るはずのない人の笑顔

透き通るその顔に

大丈夫だからと笑いかけた

そして

2度とは振り返らない

 

直線の時間は人の主観、螺旋の時間は誰の主観?

 

『眠りの海』

機械仕掛けの地球が夢見る

それは神話

神々のマリオネット

 

神様はどこにいるのでしょうか。

 

「最果ての眠り姫」
大地に討ちこまれた楔
人の
記憶?
それとも…
地球は回る
回帰は続く
回っているのは定めの輪
WHEEL of FORTUNE
未来は不確定
先見の終わり
この地上に
太陽は沈み、再び昇る

 

運命があるなら、それに終わりはあるのか?

 

『久遠の扉』

時計の針が時を刻む

瞬間に交わされた呪縛

それは秘め事

久遠の約束

 

永遠のモノはあるかもしれない。

 

「銀の記憶」

空にはしらじらと光る月

眠りの中には消えてしまった私の記憶

 

全ての記憶を思い出せる場所に留めてはおけないのです。

 

『空が呼ぶ声』

憶えてる

過ぎた人も喜びも悲しみも

例え思い出せなくても

細胞が忘れない

 

身体が覚えてるってこういう事だよね。

 

『静寂の先』

眠りの森が

しんしんと

私の意識を食べに来る

 

静かに、静かに、雪の降るように

 

『ひねもす』

陽のあたる 縁側一人 座布団持ち ひがな一日夢現つ

 

とても幸福な一時

 

『idenshi』

螺旋階段を降りていく

先に眠るは

DNAの記憶

 

生き物の身体の仕組みってすごいなぁ。

 

『時間軸』

時間がない

時間がある

いったいどこに時間はあるのさ。

 

あんまり急げ急げって言われるとつい…。
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