+ 昼と夜を巡る空 +
空と天体に関する詩
(音楽は「ノクターン」より「華麗なる大円舞曲」(ショパン)をお借りしました。)
天の王様
デネブの星よ
何処へ飛び逝く
降る星はかぶろ菊
銀河の堤を押し破り
青銀の滝が天球を雪崩れ落ちる
刹那の攻防
夜天の敗北
その日天蓋は光の帯で覆われる
(銀河は天の川の別名、かぶろ菊、滝、は花火名)
月に向かって杯を掲げれば
せっかちな星がひとつ
天球をすべり石榴色の海へ
半透明な月白の欠片は
泳ぎ飽きると溶けて宙へ帰った
カラカラ音をたて
廻る廻る
回転木馬
月光だけが辺りを照らす
南に赤星
あれは蠍の心臓
南天に燃ゆる大火
(赤星、蠍の心臓、大火は全てアンタレスの別名)
弓張り月の舟にのって
銀漢の光りを櫂に
黒の雲海をこぎ行く
傍らに黒猫
その瞳がニカッと笑う
金の瞬き
月の舟が揺れる
積乱雲に囲まれた
夏空の城へ
背中の翼をはためかせ
飛翔する
浮遊する身体
彼方へ飛ぶ心
遠雷の響きと刹那の嵐
開ける視界に飛びこむ
青と白の楽園