「絶望と希望」
 絶望・苦悩を通すことによって、人の悲しみが分かり、心の目が開けるのです。だからこそ、他人に対して優しくなれると言ってもよいでしょう。
 何かを求め、何かをやろうとしているからこそ、そこに問題が生じるのです。自分の人生を創造し、何かを求め、生きようとしないのならば、問題も生じないし、絶望感なども味わうことがないのでは・・・。
 この人生の絶望・希望に対する人生観こそが仏教の出発点と言えます。
 「生死一如」(生きるも死ぬも一つの如し)絶望も希望は、別なものではありません。ただ大事なのはその絶望のなかにあって、誰に出会い、何を信ずるかなのです。