その後・・・

 初寿紀が亡くなって、しばらくは、葬儀に来てもらえなかった方がたくさん来てくれました。
また、私のことを心配してメールやら電話やら、時には遊びの誘いもしてくれました。
私は、とても嬉しかったです。何かしらで気を紛らわさないと、自分がどうなってしまうかわからなかったから・・・
電話やメールで初寿紀の話をたくさんしていました。初寿紀の話を聞いてくれることが、私にとって、一番嬉しかったです。
同じように、心臓病のお子さんを無くされた方がよく電話や手紙をくれました。自分のところも大変なのに・・・
でも、やっぱり一番気持ちをわかってくれるのは同じ様な体験をした方です。
「分かるわ〜私もそうやったもん・・・」同じように心臓病の子を授かって、残念ながら天使になってしまったお子さんのお母さんの言葉は違います。

 来客が落ち着いて、電話もメールも少なくなってきた頃、私は過食症になってしました。
いくら食べても満足しません。ちゃんとご飯食べた後に、お菓子をとめどなく食べてしまうんです。
そして、気分が悪くなって、指を突っ込んでもどしていました。
自分でもどうしようもなく、本当に困っていました。でも、家族には心配をかけたくない・・・
私は、明るく振舞っていました。誰かと遊びに行くと、少しはマシになるんですが、家にいてるとわざわざ買いに行ってまで
ずっと食べていました。

 そんなある日、私は突然「キャッツ」を観に行きたくなりました。
チケットも無かったのですが、当日券があるかもということで突然一人で観に行きました。
はづちちは、ニューオータニで用事があったのでMBS劇場まで一緒に行きました。
運良く、「キャッツ」を2階席から見ることが出来ました。「キャッツ」を見てると何かがすっきりとして、
とても元気になりました。それからは、過食症も無くなり普通の生活に戻りました。

 今回の事で、いろんな経験をすることが出来ました。
人によっては、初寿紀が亡くなって落ち込んでるところにひどいことをいう人もいましたが、
ほとんどは、初寿紀の話を嫌な顔せず聞いてくれて慰めてくれました。
 今回、初寿紀のHPを作ることによって、私たちの支えになってくれた方々にお礼が出来ればと思っています。
だから、今まであった本当の事を正直にHPに載せる事にしました。
これを読んで、心疾患のある方が色々心配されて出産に踏み切れない方が出るかもしれませんが、
私は、初寿紀をお姉ちゃんにしてあげるつもりです。初寿紀をお姉ちゃんにするのは
初寿紀との約束の一つです。 
初寿紀の心臓病は私の遺伝じゃないかとかなり悩んだ時期もあります。
でも、実際は親との遺伝は余り関係ないという話も聞きます。病院の先生も原因は分からないとのこと。
先天性心疾患の子どもは100人に1人の割合で生まれると言われています。
そのうちのほとんどは、何もしなくてもかってに治るとのこと。

 私たちは、今回の事で、初寿紀にいろいろ教えてもらいました。
初寿紀と過ごした4ヶ月は、本当に充実した楽しい日々でした。初寿紀は私たちの宝物です。
このHPに遊びに来て、このなが〜い『はづにっき』を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

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はづにっき